鈴木 利人 (順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院)
セッション情報
一般シンポジウム
一般シンポジウム58
周産期メンタルヘルス領域における治療困難事例に対する新たな治療実践
2024年6月21日(金) 10:45 〜 12:45 N会場 (札幌市産業振興センター 産業振興棟 2F セミナールームB)
司会:竹内 崇(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科精神行動医科学分野リエゾン精神医学・精神腫瘍学担当),渡邉 博幸(学而会木村病院/千葉大学社会精神保健教育研究センター)
メインコーディネーター:竹内 崇( 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科精神行動医科学分野リエゾン精神医学・精神腫瘍学担当)
サブコーディネーター:鈴木 利人(順天堂大学医学部付属順天堂越谷病院)
周産期メンタルヘルスの領域では、日本精神神経学会と日本産科婦人科学会の両学会による協働で作成された「精神疾患を合併した、或いは合併の可能性のある妊産婦の診療ガイド」をはじめ、日本統合失調症学会、日本うつ病学会などによるガイドライン等がこの数年の間に次々と登場している。日本周産期メンタルヘルス学会によって2017 年に作成された周産期メンタルヘルスコンセンサスガイドも、2023 年10 月に改訂版が完成予定となっている。
それらの動きに伴い、精神疾患を有した妊産婦の診療に対する精神科医の姿勢、つまり、精神疾患合併妊産婦への一般的な薬物療法や、精神科医・産科医・助産師・保健師・ソーシャルワーカーなどによる多職種連携などについてのリテラシーの向上は、徐々にもたらされてきているものと考えられる。
一方で、それらの変化によって、新たな課題にも直面しているのではないだろうか。そこで、本シンポジウムでは、精神科医が直面する妊産婦に対する治療困難場面での治療実践について、それぞれのエキスパートによる講演を予定している。具体的には、急速に病像が変化し、自殺の危険性が高く迅速な対応を必要とする産後うつ病に対する薬物療法、神経発達症を有する妊産婦への対応、心理療法を外来診療の中で実践するための工夫、単科精神病院における母児同室入院の試みについてである。
昨今の妊産婦を取り巻くさまざまな動きが活発化されることによって、精神疾患合併妊産婦に対する精神科医が取り組むべき治療は、新たな段階に進んだとものと考えられる。本シンポジウムは、これらの状況に対応すべく治療困難場面でのエキスパートによる治療実践を取り上げており、日々の臨床に役立つことが大いに期待されるものである。
利重 裕子 (名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医学)
内山 登紀夫 (福島学院大学)
伊瀬 陽子 (福島県発達障がい者支援センター)
堀川 直希 (のぞえの丘病院)