坪井 貴嗣1,2 (1.杏林大学医学部精神神経科学教室, 2.慶應義塾大学医学部漢方医学センター)
Session information
一般シンポジウム
一般シンポジウム60
精神科治療の引き出しが増やせる基本的な漢方処方:漢方専門医が考える精神科一般臨床で重宝する漢方薬
Fri. Jun 21, 2024 10:45 AM - 12:45 PM P会場 (札幌市産業振興センター 技能訓練棟 3F セミナールーム1)
司会:神庭 重信(社会医療法人栗山会飯田病院精神科/日本うつ病センター),堀口 淳(島根大学)
メインコーディネーター:山田 和男(東北医科薬科大学)
サブコーディネーター:久永 明人(ホスピタル板東)
本シンポジウムは、日本医学会分科会の1 つである一般社団法人日本東洋医学会との合同企画である。第117 回日本精神神経学会学術総会のシンポジウム89 において、漢方医学的診断である「証」にしたがって治療を進める「随証治療」を取り入れることの重要性を提唱した。本来であれば、随証治療を行うさいには、漢方医学の専門知識を十分に持ち、漢方診療の経験を積む必要がある。しかし一方で、漢方方剤の中には、ある一定の条件さえ満たしていれば、現代精神医学的視点(例えば精神症候や身体症候)から「証」を推定することができ、漢方専門医が処方するのと同様に処方できるものがいくつかある。第118回と第119 回の日本精神神経学会学術総会において、合計10 の漢方方剤における随証治療について議論した。今回、企画するシンポジウムにおいては、随証治療の実践の一環として、精神科日常臨床に役立ち、なおかつ漢方医学に精通していない精神科医であっても処方しやすいと考えられる5 つの漢方方剤を、精神医学と漢方医学の双方の知識と経験を十分に持ち合わせた5 名のシンポジストに議論していただく。座長は、精神神経医学と漢方医学の双方に造詣が深い神庭重信先生と堀口淳先生にお願いしている。取り上げる漢方方剤は、香蘇散、六味丸、呉茱萸湯、黄連解毒湯、黄連湯である。これらの5 つの漢方方剤は、一般の精神科医には必ずしもなじみがないかもしれないが、精神疾患の治療や精神症状のコントロールなどにおいて、日常臨床で意外に使い勝手がよく、安全性も比較的高いものが多い。これらの漢方方剤を上手に使うコツや鑑別処方などについて、5名のシンポジストの先生方がそれぞれ概説した後に、コーディネーター2 名による指定討論、座長を加えた9 名による総合討論、さらには会場の参加者を交えて、精神科領域においてさらに漢方治療を有効に行うためにできることについてのディスカッションを予定している。
徳田 裕志 (高田馬場診療所)
鎌田 晃寿 (医療法人芙蓉会芙蓉会病院)
川口 哲 (島原こころのクリニック)
杵渕 彰 (青山杵渕クリニック)
山田 和男 (東北医科薬科大学)
久永 明人 (ホスピタル板東)