The 120th Annual Meeting of the Japanese Society of Psychiatry and Neurology

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一般シンポジウム

一般シンポジウム68
今後の精神科臨床における音楽療法の有用性:音楽療法の強みとそれを生かすための方略

Fri. Jun 21, 2024 1:25 PM - 3:25 PM P会場 (札幌市産業振興センター 技能訓練棟 3F セミナールーム1)

司会:山下 晃弘(佐藤病院),中島 振一郎(慶応義塾大学医学部精神・神経科学教室)
メインコーディネーター:山本 賢司(東海大学医学部総合診療学系精神科学)

精神疾患を有する患者やその家族は、疾患の症状による直接的な苦痛のみならず、その症状に伴う日常生活への支障や社会活動の制限などにも困難を有していることが多い。このような困難に対しては、個別の薬物療法や心理療法、ソーシャルワークで対応するのでは不十分なことも多く、多職種による複合的な支援が必要となることが多い。一方で、現在行われている様々な支援方法を用いても、症状や障害のために支援への繋がりが困難であったり、いわゆるリカバリーへの道筋が見えづらくなることがあり、このような場合には他の選択肢も必要となる。
音楽療法は今日までの調査・研究から、受療者の生活の活性化、機能訓練効果、社会性の伸長、情緒の安定性などに効果があることが報告されている。従って、複合的な困難を有する精神疾患患者やその家族に対し、より積極的に活用されるべき療法であると考えられるが、現在の精神科臨床では導入されている施設が少ない。その理由として、精神科臨床で音楽療法の有用性を理解していただく機会の不足や、音楽療法自体のエビデンスの不足、医療経済的な問題などが考えられる。そこで、今回のシンポジウムでは、精神科臨床における音楽療法の実情に詳しい多職種のシンポジストにご登壇をいただき、精神科臨床において音楽療法でできること、音楽療法にしかできないことなど、音楽療法の「強み」について、精神科医、音楽療法士、看護師、心理師の立場から整理をしていきたい。また、今後の精神科臨床に音楽療法をどのように生かしていったらいいのか、さらに、それを生かすためにはどのような方略をとればいいのかについて、医療経済的な問題や資格の問題を含めて議論をしていきたいと考えている。