嶋田 博之 (東日本少年矯正医療・教育センター)
セッション情報
一般シンポジウム
一般シンポジウム71
集団精神療法と出会うには:教育と研修, そして実践へ
2024年6月21日(金) 15:40 〜 17:40 G会場 (札幌コンベンションセンター 1F 108会議室)
司会:田辺 等(旭山病院)
メインコーディネーター:林 公輔(学習院大学文学部心理学科)
サブコーディネーター:嶋田 博之(東日本少年矯正医療・教育センター)
人は否応なく他者とのつながり, つまり集団のなかで生きている。精神科を訪れる患者の多くは, たとえばいじめの場合がそうであるように, 集団のなかで傷ついているのではないだろうか。SNS など、オンライン上でのつながりという新しい交流スタイルは, 利便性だけではなく, 新しいストレスをも我々にもたらした。このような状況において, 集団を直接の治療対象とする集団精神療法は, 精神科臨床において非常に有効であると思われる。実際, 本学会の専門医制度においても、集団精神療法および集団力動について学ぶ必要性は認識され, 研修項目として含まれている。しかし, 実際に実践している医師は少なく, 集団精神療法に触れる機会もあまりないのではないだろうか。そもそも医師はどのようにして集団精神療法と出会い, 教育・研修を受けるに至るのだろうか。これまで私たちは第118 回, 119 回学術総会において, 集団精神療法の意義・効果について検討を重ねてきたが, 今回は, 集団精神療法の教育・研修に焦点を当てたい。そこで特徴的なことは, 実践を志す者が参加者の一人として集団精神療法を体験的に学ぶことである。適切な治療を提供するためには十分な教育・研修を受けることが必要不可欠であるが,精神療法の領域では時にそれが疎かにされているのではないだろうか。本シンポジウムでは, それぞれのシンポジストがどのように集団精神療法と出会い, どのような教育・研修を受けてきたかについて発表を行う。さらにはそのような体験がどのように実践に活かされているかを検討する。発表と指定討論を呼び水として、参加者を含めたグループ全体が活発な議論の場になることを期待したい。なぜなら, シンポジウムもひとつのグループであり, そこに参加すること自体が集団精神療法を体験的に学ぶことにほかならないからである。なお、本シンポジウムは日本集団精神療法学会の推薦を受けている。
加藤 隆弘 (九州大学大学院医学研究院精神病態医学)
衞藤 暢明, 石田 匡宏, 吉村 裕太, 川嵜 弘詔 (福岡大学医学部精神医学教室)
林 公輔 (学習院大学文学部心理学科)
岡島 美朗 (自治医科大学附属さいたま医療センター)