原田 剛志 (パークサイドこころの発達クリニック)
セッション情報
一般シンポジウム
一般シンポジウム73
現代の音楽は神経発達症児・者の臨床に何をもたらすのか?
2024年6月21日(金) 15:40 〜 17:40 J会場 (札幌コンベンションセンター 2F 201+202会議室)
司会:今村 明(長崎大学生命医科学域保健学系作業療法学分野/長崎大学子どもの心の医療・教育センター),辻井 農亜(富山大学附属病院こどものこころと発達診療学講座)
メインコーディネーター:今村 明( 長崎大学生命医科学域保健学系作業療法学分野/長崎大学子どもの心の医療・教育センター)
サブコーディネーター:本田 秀夫( 信州大学医学部子どものこころの発達医学教室/信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部/長野県発達障がい情報・支援センター),辻井 農亜(富山大学附属病院こどものこころと発達診療学講座)
オンデマンド配信対象外
現在、若者の生活ではYouTube やTikTok などのソーシャルメディアによる映像と音楽(ポピュラー音楽、アニメソング、ゲーム音楽など)は欠かすことのできないものとなっており、音楽の楽しみ方も音楽を聴いたりカラオケで歌ったりするだけではなく、ダンスと音楽の融合や音楽ゲームをプレイすること、太鼓などの打楽器の演奏、集団で行う「祭り」でのパフォーマンス、デジタル音楽の作曲やそれらをネット空間で公開することなど、非常に多様な状況となっている。このような「現代の音楽」は神経発達症者の生活環境にも大きな影響を与えている。神経発達症の研究領域では、自閉スペクトラム症(ASD)について、社会的コミュニケーションと音楽との関係や音楽の自律神経系に及ぼす治療効果、音楽の起源としての発声、プロソディなどを対象とした研究などがみられ、最近ではAI を使った解析も行われている。また作曲家/ ミュージシャンの神経発達症特性や、ASD に併存する場合がある音楽ギフテッドネスなどについての検討がなされてきている。支援・治療の領域では、日常生活での多様な音楽とのかかわりを通して、生活の質の改善、ウェルビーイングの増大や自律神経系の安定、レジリエンスの強化を図っていく試みがなされている。また米国で注意欠如多動症への「ビデオゲーム処方」が認可されている中で、今後、精神疾患患者への「音楽ゲーム処方」や「オンライン音楽処方」が活用される可能性もあるものと考える。このシンポジウムでは現代の音楽の神経発達症児・者への影響と、日常臨床での活用について以下のようなテーマで検討を行う:「神経発達症者への心理社会的治療と音楽とのかかわり」、「音楽アーティストの発達特性と才能の活かし方」、「AI を用いた神経発達症のプロソディ評価研究と臨床への応用」、「オンラインによる親子音楽療法」、「神経発達症児の音楽認知能力の評価と臨床への活用」
本田 秀夫1,2,3 (1.信州大学医学部子どものこころの発達医学教室, 2.信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部, 3.長野県発達障がい情報・支援センター)
熊﨑 博一 (長崎大学医学部精神神経科学教室)
井上 雅彦, 茶原 雅史 (鳥取大学医学系研究科)
猿渡 京1,2, 今村 明1, 岩永 竜一郎1 (1.長崎大学生命医科学域保健学系作業療法学分野, 2.長崎県立虹の原特別支援学校)
近藤 達郎 (みさかえの園総合発達医療福祉センターむつみの家)
辻井 農亜 (富山大学附属病院こどものこころと発達診療学講座)