The 120th Annual Meeting of the Japanese Society of Psychiatry and Neurology

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一般シンポジウム

一般シンポジウム74
精神・神経臨床における脳核医学画像:臨床の基本から最新の進歩まで

Fri. Jun 21, 2024 3:40 PM - 5:40 PM M会場 (札幌市産業振興センター 産業振興棟 2F セミナールームA)

司会:曾根 大地(東京慈恵会医科大学精神医学講座),品川 俊一郎(東京慈恵会医科大学精神医学講座)
メインコーディネーター:曾根 大地(東京慈恵会医科大学精神医学講座)
サブコーディネーター:松田 博史(福島県立医科大学生体機能イメージング講座)

オンデマンド配信対象外

PET やSPECT など脳の機能・分子イメージングは、認知症領域での脳血流SPECT やアミロイドPET、パーキンソン病や多系統萎縮症等の運動障害疾患(Movement Disorders)におけるDaT スキャンやMIBG 心筋シンチグラフィ、難治性てんかんの焦点検索を目的としたFDG-PET や脳血流SPECT、ベンゾジアゼピン受容体SPECT 等が既に精神・神経疾患の実臨床で承認されている一方、新たな核種や技術の進歩に伴い、更なる発展が見込まれる分野である。本シンポジウムでは脳核医学画像について、既に臨床で用いられている基本部分から最新の進歩までをレビューする。認知症領域では、Alzheimer 病の新たな治療薬が承認され、アミロイドPET の臨床的重要性は飛躍的に高まった。現在の臨床では視覚的評価が原則であるが、定量的評価の確立を目指した統合指標であるセンチロイドスケールが開発され、タウPET も更なる進歩を見せている。認知症領域は松田博史氏に講演して頂く。パーキンソン病やその類縁疾患をはじめとしたMovement Disorders は、認知機能障害や行動異常を呈することがあり、薬剤性不随意運動との鑑別も問題になりうるため、精神科臨床においても理解が必要な疾患群である。Movement Disorders については核医学画像だけでなく、臨床像やMRI も含めて杉山淳比古氏に解説して頂く。てんかん領域では主に薬剤難治例の焦点検索目的でFDG-PET や脳血流SPECT が日常臨床で用いられるが、グルタミン酸受容体イメージングなど様々な進歩もみられており、この分野を提案者が述べる。最後に、うつ病や統合失調症など狭義の精神疾患では現時点で臨床使用の確立した核医学画像はないが、近年の進歩により、将来の応用への期待が高まっており、これらについて、高畑圭輔氏に御講演頂く。精神・神経疾患の脳核医学画像について、臨床に即した基本部分から最新の進歩まで学ぶことで、今後の精神・神経医
学と臨床実践の向上につながることが期待される。

高畑 圭輔1,2, 森口 翔1,2, 黒瀬 心1,2, 市橋 雅典1, 鈴木 寿臣1,3, 互 健二1, 遠藤 浩信1, 久保田 学1,4, 山本 保天1,2, 三村 將2, 徳田 隆彦1, 内田 裕之2, 樋口 真人1 (1.国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 2.慶應義塾大学医学部精神神経科学教室, 3.下総精神医療センター, 4.京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座)