The 120th Annual Meeting of the Japanese Society of Psychiatry and Neurology

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一般シンポジウム

一般シンポジウム77
発達障害の課題を持つ医学生、研修医の支援と課題

Fri. Jun 21, 2024 3:40 PM - 5:40 PM Q会場 (札幌市産業振興センター 技能訓練棟 3F セミナールーム2)

司会:内野 俊郎(久留米大学病院臨床研修センター/久留米大学医学部神経精神医学講座)
メインコーディネーター:内野 俊郎(久留米大学病院臨床研修センター/久留米大学医学部神経精神医学講座)
サブコーディネーター:市来 真彦(東京医科大学学生・職員健康サポートセンター/東京医科大学精神医学分野)

近年、卒前卒後における医学教育の領域で発達障害の課題を持つ学生、研修医への対応が課題とされてきている。実数の把握はなされていないが、教育の現場や研修の現場でもそのことは実感できるところである。もとより発達障害を持つ人の教育・就職支援は個別性が高いものであるが、医師の場合は高度な専門性だけでなく協調性やコミュニケーションについて高い目標が設定されていることから、目標達成が困難となる学生、研修医も少なくない。協調性が乏しく見えたり、コミュニケーションが不得意であったりするために医師としての適性が課題とされることや、一部の学会ではアンプロフェッショナルという文脈で語られることもあり、一律に排除の方向性が強まる可能性には強い懸念を持たざるを得ない。一方で、発達障害を持つ医学生、医師への支援の手法が確立しているとは言い難いことから臨床現場で指導していく上で困難さに直面することは珍しくない。特に卒前の医学生では医師という国家資格を取得させるにあたって社会への責任を伴うという側面があるという議論は無視できないのも事実である。本シンポジウムでは、医学部における卒前、卒後教育の中で発達障害の課題を持つ学生、研修医への支援についての経験を共有して支援に伴う課題や有用な工夫を検討し、医学教育分野での支援に資するような議論を深めたい。