杠 岳文1,2 (1.筑後吉井こころホスピタル, 2.肥前精神医療センター)
セッション情報
一般シンポジウム
一般シンポジウム85
アルコール使用障害の社会問題・健康問題
2024年6月22日(土) 08:30 〜 10:30 M会場 (札幌市産業振興センター 産業振興棟 2F セミナールームA)
司会:辻本 士郎(ひがし布施クリニック),射場 亜希子(兵庫県立はりま姫路総合医療センター)
メインコーディネーター:射場 亜希子(兵庫県立はりま姫路総合医療センター)
サブコーディネーター:田中 増郎(慈圭病院)
アルコール使用障害の治療を難しく感じさせているいるものは何だろう?アルコール使用障害のトリートメントギャップを解消するために、面接技法や簡易介入プログラム、ツール等が開発・導入されている。それらを用いて、やっとの思いで治療を導入したものの、アルコール関連問題への対応に困難を感じ、「やはり物質使用障害は専門医療機関で」と苦手意識を強くした医療者は少なくないだろう。アルコール関連問題には身体・精神への影響という健康問題のみならず、飲酒運転、事件・事故、失業、非行などの社会的問題、虐待や家庭内暴力、離婚などの家庭問題などが含まれ、関連する領域は非常に広く多岐にわたる。これらのアルコール関連問題に適切に対応するためには、診察室内での本人への治療では完結せず、家族への介入、他科の医療者・医療機関や行政・福祉などの関係機関との連携が必要とされる。しかし、それぞれの問題についてどのような対応が適切か、という情報は限られており、たとえ専門医であっても全ての問題に自信を持って対応することは難しいのではないだろうか。そこで、日本アルコール・アディクション医学会の運転免許更新に係るワーキンググループ委員長の杠岳文氏には飲酒運転を、依存症および児童精神医療を専門とする青山久美氏には虐待を、長年、物質使用障害患者に寄り添い続けている成瀬暢也氏には自殺を、大学病院で移植医療に携わっていた岡知加氏には肝移植を、依存症専門病院と総合病院の両方で精神保健福祉士として働いた経験をもつ上田裕子氏には身体科・関係機関との連携をテーマにそれぞれの現状と課題を示していただき、依存症専門クリニックで地域を支えている辻本士郎氏から指定発言をいただく予定である。社会問題・健康問題におけるよりよい対応について検討し、専門医・非専門医を問わず、アルコール関連問題への知識を深め、明日からの診療に役立てるシンポジウムとしたい。
青山 久美 (地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立精神医療センター)
成瀬 暢也 (埼玉県立精神医療センター)
岡 知加, 岡田 元宏 (三重大学医学部附属病院)
上田 裕子 (兵庫県立はりま姫路総合医療センター)
辻本 士郎 (ひがし布施クリニック)