桝屋 二郎1,2 (1.東京医科大学精神医学分野, 2.東京医科大学病院こどものこころ診療部門)
セッション情報
一般シンポジウム
一般シンポジウム86
小児期逆境体験の中長期的影響と支援を再考する
2024年6月22日(土) 08:30 〜 10:30 N会場 (札幌市産業振興センター 産業振興棟 2F セミナールームB)
司会:桝屋 二郎(東京医科大学精神医学分野/東京医科大学病院こどものこころ診療部門),八木 淳子(岩手医科大学医学部神経精神科学/岩手医科大学附属病院児童精神科)
メインコーディネーター:桝屋 二郎(東京医科大学精神医学分野/東京医科大学病院こどものこころ診療部門)
サブコーディネーター:八木 淳子(岩手医科大学医学部神経精神科学/岩手医科大学附属病院児童精神科)
小児期逆境体験(Adverse Childhood Experiences;以下ACE)を抱えた子ども達が中長期に渡って、その影響に苦しみ、人生への影響をもたらしていることが米国のACE study によって明らかにされてから久しい。その影響は精神医学的影響だけでなく、生活習慣病の増加といった身体医学的問題、社会への不適応・労働生産性の低下・自死や早逝といった社会的・経済的損失に至るまで幅広い影響を社会にもたらしている。小児期逆境体験には虐待被害・いじめ被害・犯罪被害・災害被災・戦争被害といったものから貧困や親との死別といった多岐にわたっている。これまでそういった小児期逆境体験を個々に論じることは有っても、横断的に影響の差異や必要とする支援の差異について論じられることは少なかった。本邦においては虐待の認知件数、いじめの認知件数が右肩上がりである他、長引く新型コロナ問題は災害にも似た影響を社会にもたらし、貧困の問題にも影響して子ども達に影を落としている。小児期逆境体験だけの影響ではないにしろ、子どもの自殺の増加にも小児期逆境体験は大きな影響を与えていることも指摘されている。こういった社会情勢を踏まえて、もう一度、小児期逆境体験を精神医学的に再考し、個々の小児期逆境体験の影響と必要な支援を横断的に検討したい。
八木 淳子1,2, 桝屋 二郎3,4, 福地 成5, 松浦 直己6 (1.岩手医科大学医学部神経精神科学, 2.岩手医科大学附属病院児童精神科, 3.東京医科大学精神医学分野, 4.東京医科大学病院こどものこころ診療部門, 5.東北医科薬科大学医学部精神科学教室, 6.国立大学法人三重大学教育学部特別支援教育講座)
福地 成1,2 (1.東北医科薬科大学医学部精神科学教室, 2.公益社団法人宮城県精神保健福祉協会みやぎ心のケアセンター)
松浦 直己1 (1.三重大学教育学部, 2.三重大学教育学部附属学校企画経営室)