The 120th Annual Meeting of the Japanese Society of Psychiatry and Neurology

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一般シンポジウム

一般シンポジウム91
「対応に迷う患者」とどう関わるか

Sat. Jun 22, 2024 10:45 AM - 12:45 PM F会場 (札幌コンベンションセンター 1F 107会議室)

司会:入來 晃久(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪精神医療センター),田中 増郎(慈圭病院)
メインコーディネーター:入來 晃久(地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪精神医療センター)
サブコーディネーター:大矢 希(京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学),長 徹二(一般財団法人信貴山病院ハートランドしぎさん)

精神科臨床において、支援者側が「対応に迷う患者」と出会うことがある。治療関係の構築に困難さを感じることや、支援の継続が難しいと感じるケース、陰性感情や忌避感情を抱いてしまう場面などは、誰もが経験したことがあるだろう。そうした場面では、支援者側の安全が脅かされることや、関わりを避けたいと感じることもあるかもしれない。そのような患者や治療場面においても、適切で継続した支援を提供して本人の回復を促すと共に、支援者側の陰性感情を減らし、燃え尽きを防ぐ必要がある。そのために我々には何ができるであろうか。今回我々は、「真に役立つ精神医学」として、精神科臨床の現場でしばしば出会う「対応に迷う患者」との関わり方について、各分野で豊富な臨床経験をもつエキスパートとともに議論を深めるべくシンポジウムを企画した。はじめに、長年にわたり公的病院において精神科救急や司法精神医学領域などで物質使用障害やパーソナリティ障害を抱える患者の診療にあたってきた成瀬暢也氏より総論としての関わり方を解説する。つづいて、少年院での矯正医療の現場で思春期青年期の少年たちと関わってきた中野温子氏、小児期逆境体験との関連や信頼障害の視点で依存症を中心に診療している小林桜児氏、メンタライゼーションに基づく治療を実践する崔炯仁氏から、それぞれの臨床経験や知見を基にした関わり方について提示する。その後、臨床精神医学の教育や実践に尽力してきた長徹二氏から指定発言を得て、総合討論を行う。誰もが戸惑ってしまうような「対応に迷う患者」に出会った際の対応法や課題について聴衆と共に新しい視点や展望を得る機会としたい。精神科臨床の現場で「真に役立つ精神医学」として、技術の習得のみにとどまらず、実践における心構えついても議論し、「対応に迷う患者」に対する理解を深め、患者に本来必要な支援を提供するための、より望ましい関わり方を検討したい。