鈴木 雄太郎1,2 (1.医療法人敬愛会末広橋病院, 2.新潟大学医歯学総合病院精神科)
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一般シンポジウム
一般シンポジウム92
精神科領域における身体合併症を再考する
Sat. Jun 22, 2024 10:45 AM - 12:45 PM G会場 (札幌コンベンションセンター 1F 108会議室)
司会:稲本 淳子(昭和大学横浜市北部病院メンタルケアセンター),渡邊 衡一郎(杏林大学医学部精神神経科学教室)
メインコーディネーター:坪井 貴嗣(杏林大学医学部精神神経科学教室)
統合失調症患者の寿命は一般人口と比較して平均10 年ほど短く、またその原因の約6 割は自殺とは無関係であることが知られている。さらに精神疾患を有する患者の約半数が何らかの身体疾患を合併していることが報告されているが、身体的ケアが不十分であるケースや未診断であるケースが実臨床では散見される。一方、リカバリーが治療目標とされる昨今において精神疾患の患者と一般人口との身体的ケアにおけるギャップは解消すべき喫緊の課題であり、方策を講じる必要がある。本学会では「統合失調症に合併する肥満・糖尿病の予防ガイド」が2020 年に発表されたが、精神科領域におけるメタボリックシンドローム対策は十分とは言えず、薬力学的な観点も含め議論したい。また2022 年には関連学会より「統合失調症薬物治療ガイドライン2022」が発表され、抗精神病薬に関する副作用のパートが拡充された。そしてそれらの副作用に対する新規治療薬が登場しており、本シンポジウムでは不随意運動や便秘、イレウスなどを中心に論じたい。さらにはこれらの副作用を川の上流に例えると、その下流には心停止などの致死的な病態が引き起こされる可能性があり、それらは精神疾患患者の生命予後に直結する。そこで肺血栓塞栓症など心停止を引き起こしうる副作用やその現状について救急総合内科の視点も交えご発表いただく。本シンポジウムでは大学病院や総合病院におけるリエゾンコンサルテーションだけでなく、精神科病院や精神科診療所ではどの程度身体合併症に対応すべきか、そしてその程度を超えた場合、次の一手はどうすべきか、ということを、生涯教育制度や地域医療連携など多面的に議論し、明日からの日常診療や精神疾患患者のリカバリーに貢献できればと考える。
坪井 貴嗣 (杏林大学医学部精神神経科学教室)
石田 琢人 (東京都立松沢病院)
山田 浩樹1,2 (1.昭和大学横浜市北部病院メンタルケアセンター, 2.昭和大学医学部精神医学講座)