The 120th Annual Meeting of the Japanese Society of Psychiatry and Neurology

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ワークショップ

ワークショップ8
措置診察実践セミナー(平成30年ガイドライン・令和5年法改正準拠)

Sat. Jun 22, 2024 8:30 AM - 10:10 AM L会場 (札幌コンベンションセンター 2F 207会議室)

司会:藤井 千代(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所),新津 富央(千葉大学大学院医学研究院精神医学)
メインコーディネーター:藤井 千代(国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所)
サブコーディネーター:田所 重紀(札幌医科大学医学部神経精神医学講座)

【事前申込制】

精神保健福祉法における措置入院制度は1950 年に制定されて以来根本的な見直しが行われることなく現在に至っている。その結果、措置入院の運用実態には大きな地域間格差が生まれている。厚生労働省は2018年に「措置入院の運用に関するガイドライン」を通知した。しかし、措置入院の要件である「精神障害による自傷他害のおそれ」の判断基準については議論が十分でないうえに、その判定を担う精神保健指定医に対する教育訓練が体系的に行われているとはいいがたいのが現状である。そこで、本ワークショップは主に若手精神保健指定医に対し、措置入院制度の要諦及び措置診察手順に関する知見等を効率よく伝え、参加者が今後適切な措置診察を実施できるよう教育することを目的とする。本ワークショップでは、これまでの精神保健医療福祉の歴史や精神保健福祉法の法的枠組等を踏まえつつ、最新の精神科診断学及びリスクアセスメント技法に基づき、措置診察において被診察者の精神障害による自傷他害のおそれをどのように判断するかを教授する。具体的には、措置入院制度の現在の位置づけと課題、ガイドライン制定時の論点整理といった他では聞くことの難しい内容を措置入院制度改革に中核的に関わった演者が解説したうえで、標準化されたモデル事例を用いた措置診察のシミュレーション形式による演習及びグループディスカッションを行い、参加者が適切な措置診察を実施できるようサポートする。また措置入院に関する診断書の書き方も伝授する。さらに措置入院後の治療や措置入院とならなかった患者のその後の処遇、医療観察法制度との棲み分けなどの話題にも触れ、参加者が措置入院制度を多元的に理解できるよう支援する。なお、本ワークショップは2022 年及び2023 年に千葉大学社会精神保健教育研究センターで実施され好評を博した同名セミナーの内容を発展させたものである。