第51回日本理学療法学術大会

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日本小児理学療法学会

日本小児理学療法学会
教育現場と理学療法士~多職種協働による療育の模索~

Fri. May 27, 2016 4:30 PM - 6:30 PM 第3会場 (札幌コンベンションセンター 1階 中ホール)

司会:多田智美(鈴鹿医療科学大学理学療法学科)

[KS1047-3] 行政の立場から

【御欠席】分藤賢之 (文部科学省初等中等教育局特別支援教育課)

特殊教育から特別支援教育制度への転換が図られてから10年が経過した。近年,時代の進展とともに特別支援教育を取り巻く諸状況は大きく変化してきている。例えば,国内外における障害者施策の進展,幼児児童生徒の障害の重度・重複化,発達障害を含む障害の多様化,医療的ケアを必要とする幼児児童生徒の増加も顕著に見られ,教育・医療・福祉・労働等の関係機関が一層連携した支援の必要性などが指摘されている。このような状況の変化に適切に対応し,障害のある幼児児童生徒が自己のもつ能力や可能性を最大限に伸ばし,自立し社会参加するために必要な力を培うためには,一人一人の障害の状態等に応じたきめ細やかな指導を一層充実することが求められている。しかしながら,近年の学校現場においては,指導経験や実績のある教職員を含む大量退職の時代にあって,所属教職員の若返り化等により,子供の成長を十分に描ききれない若手教職員,実態把握から指導目標・内容を導き出すプロセスに確信がもてない新任教職員などの不安の声に対し,校内で,いつ,だれが,どのようにして,支えていけば良いのか,喫緊の課題となっている。特別支援学校における学習指導要領等においては,こういった実感を解消するために,専門的な知識や技能を有する教師間の協力の下に指導を行ったり,外部の専門家に指導・助言を求めたりするなど,教師の力量形成を促すように工夫を求めている。また,文部科学省では,それらの取組を支えるために「特別支援学校機能強化モデル事業」を実施しているところである。
本シンポジウムでは,教職員の専門性を高め,障害のある幼児児童生徒一人一人の目標に迫る指導を追求していくためには,学校教育において理学療法士等との連携や協働の在り方はどうあればよいか,意見交換をしていきたい。