[KS1077-1] 膝前十字靭帯損傷予防のためのアライメントコントロール
スポーツ理学療法学は,スポーツ外傷・障がいの治療が優先されて進展してきた。昨年2015年11月に,IFSPT(International Federation of Sports Physical Therapy)が主催する第1回世界スポーツ理学療法学会(The first world congress of sports physical therapy)が開催された。その際のテーマが「RETERN TO PLAY! =スポーツ復帰」であり,スポーツ理学療法分野に携わる者の最大の興味がここにあるといってよいだろう。
第3回日本スポーツ理学療法学会学術集会ではさらに先をみて,「スポーツ外傷・障がいの予防」の必要性を強調したい。
筆者はスポーツ選手のリハビリテーションに携わってきたが,2002年ころから本格的に膝前十字靭帯(anterior cruciate ligament)損傷予防プログラムを実施してきた。演者の永吉先生も,その実践に現在まで携わっている。予防プログラムによって,ACL損傷発生率を低下させることができることを選手や指導者も感じ始めている。しかしながら,競技力向上のための技術練習が最重要視される傾向は変化がない。
予防プログラムでは筋力,持久力,柔軟性などの体力面の強化が行われ,さらにそれをスポーツ動作に反映させることがポイントになる。特に,姿勢や下肢アライメントを整え,スポーツ外傷・障がい発生のリスクの少ないスポーツ動作に組み込んでいく。ACL損傷予防では,「膝関節の過度の外反」という典型的な下肢のマルアライメントを回避することの重要性を誰もが認識している。しかしながら,どのように下肢アライメントを整えて,選手がリスクの少ない動作を習得するかについては,方法を含めてまだ議論することが多く残っている。
今回は,ACL損傷発生のリスクが高いと考えられるスポーツ動作の分析を通じ,どのような方法でスポーツの基本的な動作を習得すればよいか提案を試みたい。2002年に「10年後にはACL損傷の半減を!」と考えたが,まだその入り口である。
第3回日本スポーツ理学療法学会学術集会ではさらに先をみて,「スポーツ外傷・障がいの予防」の必要性を強調したい。
筆者はスポーツ選手のリハビリテーションに携わってきたが,2002年ころから本格的に膝前十字靭帯(anterior cruciate ligament)損傷予防プログラムを実施してきた。演者の永吉先生も,その実践に現在まで携わっている。予防プログラムによって,ACL損傷発生率を低下させることができることを選手や指導者も感じ始めている。しかしながら,競技力向上のための技術練習が最重要視される傾向は変化がない。
予防プログラムでは筋力,持久力,柔軟性などの体力面の強化が行われ,さらにそれをスポーツ動作に反映させることがポイントになる。特に,姿勢や下肢アライメントを整え,スポーツ外傷・障がい発生のリスクの少ないスポーツ動作に組み込んでいく。ACL損傷予防では,「膝関節の過度の外反」という典型的な下肢のマルアライメントを回避することの重要性を誰もが認識している。しかしながら,どのように下肢アライメントを整えて,選手がリスクの少ない動作を習得するかについては,方法を含めてまだ議論することが多く残っている。
今回は,ACL損傷発生のリスクが高いと考えられるスポーツ動作の分析を通じ,どのような方法でスポーツの基本的な動作を習得すればよいか提案を試みたい。2002年に「10年後にはACL損傷の半減を!」と考えたが,まだその入り口である。