第51回日本理学療法学術大会

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日本地域理学療法学会

日本地域理学療法学会
地域の中での様々な連携の取り組みと課題について考える

Sat. May 28, 2016 3:50 PM - 5:50 PM 第1会場 (札幌コンベンションセンター 1階 大ホールA)

司会:鈴木英樹(北海道医療大学大学院リハビリテーション科学研究科)

[KS1083-2] お金も後ろ盾もない,草の根活動でも何かが出来る

地域の潤滑油としてのネットワーク作り

長尾俊 (江別地域ケア連絡会)

組織はよく「人」「物」「金」などと申しますが,その位置づけや理念,利害関係,上下関係がはっきりしない場合はどうなのだろう,と思います。
同じ方向を向いているはずの法人や職能団体の内部連携ですら時として迷走する中,設置根拠的にもビジネス的にも多方面に渡る個人団体による地域連携なるものはなかなか一筋縄では行かないように感じています。
強力な基幹病院や行政機関の存在,カリスマ的リーダーの活躍,潤沢な予算,どれも必要なことです。反面,人事異動,経営方針の転換,行政事業の終了などが転機となり,弱体化することもあります。
私達はそんな大きな仕組み作りとは異なるスタンスで現場実務者レベルの緩やかな紐帯を作っています。
「江別地域ケア連絡会」は,ホームページの文言の抜粋ですが,『石狩地域リハビリテーション推進会議(広域支援センター)江別懇談会』と『江別在宅ケア連絡会』が合併し,平成23年4月に『江別地域ケア連絡会』と名称を変えて発足しました,とあります。
ルーツは平成18年まで遡り,片や厚労省由来の予算付き事業,片や市井の任意団体,それらを統合して成立しました。
現在は多職種多事業所の有志からなる全くの任意団体でほぼ無予算,会長も会員も規約もなく,代表2名と企画・運営メンバー13名(内,調整担当4名)の合議制で定例研修会やケアカフェの企画開催,地域の他の団体のイベントのバックアップなどを担っています。
中核は介護保険事業所の横の繋がり,いわゆる「顔の見える関係」です。
江別保健所の支援を受けながら細々と活動を続けていたところ,次第にその実績により地域の信頼と参画を得るところとなり,地域包括ケアシステムの構築に向けて頼られる存在となってきました。
手弁当の趣味活動,裏方稼業ですが,この活動が施策や普遍性のある仕組みに繋がって欲しいと願っております。