第51回日本理学療法学術大会

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日本理学療法教育学会

日本理学療法教育学会
指定規則の改定について

Sat. May 28, 2016 9:30 AM - 10:30 AM 第3会場 (札幌コンベンションセンター 1階 中ホール)

司会:酒井桂太(大阪河﨑リハビリテーション大学リハビリテーション学部リハビリテーション学科)

[KS1109-1] 指定規則の改定について

吉元洋一 (金城大学大学院リハビリテーション学研究科)

1966年に施行された理学療法士・作業療法士学校・養成施設指定規則(以下指定規則)では,総時間数3,300時間で行われており,1,680時間(50.9%)が実習に割り振られ,実に総時間数の半分以上が臨床実習に割り振られ,詰め込み教育による即戦力としての養成が行われていた。
1972年の第1回改正では,詰め込み教育からの脱却を図り,問題解決能力を備えた人材の育成を目指している。臨床実習は1,680時間から1,080時間(40.0%)と600時間の削減により総時間数は2,700時間となっている。
1989年の第2回改正では,①社会的ニーズへの対応,②よき臨床家の育成,③基礎教育の充実,④自由裁量時間の設置,を目的に,大幅な改正が行われ,臨床実習は810時間(27.1%)に減少し,総時間数は2,990時間となっている。
1999年の第3回改正では,今までの改正とは異なり,科目の大枠のみを提示し,内容等についてはそれぞれの養成施設の裁量に任されることになり,いわゆるカリキュラムの大綱化が行われている。
臨床実習については,当初の50.9%から40.0%,29.0%,19.4%と改正のたびにその割合は小さくなっている。現状では20%を下回っているため,即戦力としての養成ではなく,問題解決能力を重視した教育に重点を置いた指導が必要になっている。
2016年度には第4回の改正が予定されている。指定規則は10年程度を目安に見直されているため,今後の理学療法学教育のあり方を問われる改正になる。理学療法の分野は病院・施設中心から,地域・予防へと大きく変化している現状を鑑み,十年先を見据えた改正にすべきである。そのためには,会員一人一人が教育に関心をもって対応していただきたい。
今回の改正のポイントは単位数,教員の資格・数,臨床実習単位数,臨床実習指導者の資格,実習施設等になるのではないかと考えている。