[KS1111-1] 【中止】理学療法士養成課程におけるコミュニケーション教育のあり方
理学療法学教育を取り巻く環境の変化に伴い,医療現場でのコミュニケーションについて「何をどのように教えるべきか」という疑問は尽きない。そこで本講演では,特に卒前課程において,時代の要請に即したコミュニケーション教育を行うための内容と方法を,具体的な事例やモデルを示しながら提案する。
まず,「内容」の決定に際して最も重要なのは,正確な評価に基づく適切な目標設定である。卒業時に求められるコミュニケーション能力と入学時点での習熟度を比較し,修業年限内に十分達成可能な目標を定めることが必要である。
次に,コミュニケーションに関して一般的に流布している言説に惑わされることなく,学術・臨床両面において裏付け(エビデンス)のある内容を,理学療法(教育)学および医療コミュニケーション(教育)学の先行研究から抽出する。
さらに,理学療法(教育)における多様化傾向に配慮する。たとえば,学習者の属性や能力に開きが生じ,卒業後の進路や職場環境も広がりつつある中,知識の詰め込みよりも「学び方を学ぶ」内容を優先する。あるいは,一人職場が減り,職種間連携の重要性が増したことに伴い,対人(=対患者)領域のみならず,小集団・組織(=対他職種)領域の内容を拡充する。
一方,「方法」を検討する際に注意すべきは,コミュニケーション教育を行う時期である。通常,臨床実習開始前に一括して実施することが多いが,本来は実習前後を通し定期的に継続することが望ましい。
加えて,講義だけでなく体験・参加型手法(例:シリアスゲーム)を導入する。グループでの作業や他専攻学生との協働を含めれば,より実践的な教育方法となる。
最後に,学習者が自らの学習に関しフィードバックを得る機会を適宜設けることは,効果的なコミュニケーション教育に不可欠な要素であるが,これを教員の負担を増やさずに実現するには,ピア・フィードバックなどの方法を積極的に活用するとよい。
まず,「内容」の決定に際して最も重要なのは,正確な評価に基づく適切な目標設定である。卒業時に求められるコミュニケーション能力と入学時点での習熟度を比較し,修業年限内に十分達成可能な目標を定めることが必要である。
次に,コミュニケーションに関して一般的に流布している言説に惑わされることなく,学術・臨床両面において裏付け(エビデンス)のある内容を,理学療法(教育)学および医療コミュニケーション(教育)学の先行研究から抽出する。
さらに,理学療法(教育)における多様化傾向に配慮する。たとえば,学習者の属性や能力に開きが生じ,卒業後の進路や職場環境も広がりつつある中,知識の詰め込みよりも「学び方を学ぶ」内容を優先する。あるいは,一人職場が減り,職種間連携の重要性が増したことに伴い,対人(=対患者)領域のみならず,小集団・組織(=対他職種)領域の内容を拡充する。
一方,「方法」を検討する際に注意すべきは,コミュニケーション教育を行う時期である。通常,臨床実習開始前に一括して実施することが多いが,本来は実習前後を通し定期的に継続することが望ましい。
加えて,講義だけでなく体験・参加型手法(例:シリアスゲーム)を導入する。グループでの作業や他専攻学生との協働を含めれば,より実践的な教育方法となる。
最後に,学習者が自らの学習に関しフィードバックを得る機会を適宜設けることは,効果的なコミュニケーション教育に不可欠な要素であるが,これを教員の負担を増やさずに実現するには,ピア・フィードバックなどの方法を積極的に活用するとよい。