[KS1124-1] Evidence based manual physical therapy~徒手理学療法のアイデンティティ~
徒手理学療法は評価や介入,効果判定などを定量化して表現することが難しいと言われる。日本では徒手理学療法の「アート」の部分が強調され,「サイエンス」の部分がおろそかになってきたように思われる。しかし,世界では徒手理学療法に関する研究は動物実験や生化学レベルの研究にまで及んでいる。臨床研究でもシステマティックレビューやメタアナリシスは当然のこと,費用対効果の検討やClinical prediction ruleの構築も行われている。そして我々もそれらの情報から,徒手理学療法を,何を根拠にどういった手段をどれだけ用いるのか?徒手理学療法後の変化は誤差の範囲を越えた治療効果といえるのかどうか?どういったメカニズムを根拠に我々の導いた変化だと考えられるのか?世界中から情報を得るチャンネルが飛躍的に増加した現在,我々の行う徒手理学療法をエビデンスと照らし合わせて批判的に吟味することは十分可能であり,重要である。
国際整形徒手理学療法士連盟は教育基準の基礎を大学院教育レベルにおき,今後の徒手理学療法の教育は大学院教育をグローバルスタンダードにしようと進められている。すなわち徒手理学療法を実践する理学療法士は世界から非常に高度な知識と技術を要求されるようになっている。また昨今の診療報酬を取りまく事情から考えると,今後徒手理学療法の効果を科学的に明らかにし,それを広く示していくことが求められるであろう。
今我々は世界から厳しいものを求められていると同時に,世間からも厳しい目で見られているといえる。本講演では先人たちの築いてこられた業績を踏まえつつ,それを批判的に吟味し,エビデンスを取り入れながら,よりよい徒手理学療法を対象者に届けるべく,臨床と教育・研究の立場からEvidence based manual physical therapyを考えてみたいと思う。
国際整形徒手理学療法士連盟は教育基準の基礎を大学院教育レベルにおき,今後の徒手理学療法の教育は大学院教育をグローバルスタンダードにしようと進められている。すなわち徒手理学療法を実践する理学療法士は世界から非常に高度な知識と技術を要求されるようになっている。また昨今の診療報酬を取りまく事情から考えると,今後徒手理学療法の効果を科学的に明らかにし,それを広く示していくことが求められるであろう。
今我々は世界から厳しいものを求められていると同時に,世間からも厳しい目で見られているといえる。本講演では先人たちの築いてこられた業績を踏まえつつ,それを批判的に吟味し,エビデンスを取り入れながら,よりよい徒手理学療法を対象者に届けるべく,臨床と教育・研究の立場からEvidence based manual physical therapyを考えてみたいと思う。