[KS1127-1] スポーツ傷害に対する物理療法と運動療法の実践
スポーツ傷害に対する理学療法においては,競技復帰が最終的な目標に位置付けられ,より高い水準の運動が可能な機能回復を求められる。競技スケジュールに合わせた復帰に対する要望も多く,組織損傷の程度や治癒過程を把握することで運動によるリスクを捉え,可能ならば組織治癒を促進し,できる限り早期の復帰を目指していく。また,競技パフォーマンス向上や再発予防を念頭に置き,全身の運動機能や動作効率の改善も図る必要がある。
このようにスポーツ傷害においては,短期間で多面的,かつ高い目標に向けたアプローチを要し,時間的な制約が大きくなりがちである。すべての治療を実現するためには効率よく理学療法を進めることが肝要で,傷害に係る結果と原因を整理し,核心をついた治療戦略を立てるよう心掛けている。我々の施設では,物理療法と患者自らで実施可能な運動療法を併用し,理学療法士が評価や運動指導,徒手療法にもできるだけ時間を充て,限られた時間で最大限の効果を出せるような治療を行っている。
物理療法の使用により治療の効率を上げるには,組織や関節の状態を把握した上で,明確な意図を持ってエネルギーを選択する必要がある。すなわち,対象となる部位やエネルギーの選択は,疾患名ではなく個々の症状や発生メカニズムによって行う。評価により適切に物理療法が活用されることで,組織治癒や機能回復などに対しても特異的な成果を得られると考えられる。
本講演では,スポーツ傷害の治療場面を,1.組織治癒の促進,2.損傷に起因する機能低下の回復,3.原因となった機能の改善の3つに大別し,それぞれの目的に対する物理療法の選択や活用方法に触れ,運動療法や徒手療法との併用による評価やアプローチの実際を紹介する。
このようにスポーツ傷害においては,短期間で多面的,かつ高い目標に向けたアプローチを要し,時間的な制約が大きくなりがちである。すべての治療を実現するためには効率よく理学療法を進めることが肝要で,傷害に係る結果と原因を整理し,核心をついた治療戦略を立てるよう心掛けている。我々の施設では,物理療法と患者自らで実施可能な運動療法を併用し,理学療法士が評価や運動指導,徒手療法にもできるだけ時間を充て,限られた時間で最大限の効果を出せるような治療を行っている。
物理療法の使用により治療の効率を上げるには,組織や関節の状態を把握した上で,明確な意図を持ってエネルギーを選択する必要がある。すなわち,対象となる部位やエネルギーの選択は,疾患名ではなく個々の症状や発生メカニズムによって行う。評価により適切に物理療法が活用されることで,組織治癒や機能回復などに対しても特異的な成果を得られると考えられる。
本講演では,スポーツ傷害の治療場面を,1.組織治癒の促進,2.損傷に起因する機能低下の回復,3.原因となった機能の改善の3つに大別し,それぞれの目的に対する物理療法の選択や活用方法に触れ,運動療法や徒手療法との併用による評価やアプローチの実際を紹介する。