第51回日本理学療法学術大会

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一般演題口述

日本理学療法教育学会 一般演題口述
(教育)06

Sat. May 28, 2016 5:10 PM - 6:10 PM 第9会場 (札幌コンベンションセンター 2階 207)

座長:仙波浩幸(豊橋創造大学 保健医療学部)

[O-ED-06-6] 当法人における役職後継者育成の取り組み

目標管理制度&人事評価制度を活用して

川田悟史1, 植野拓1, 由川明生1, 川崎亘2 (1.福岡医療団千鳥橋病院, 2.福岡医療団たたらリハビリテーション病院)

Keywords:管理運営, 人材育成, 調査

【はじめに,目的】

当法人は現在135名のリハセラピストが在籍し急性期・回復期・生活期までの各疾患別リハビリテーションを提供している。職員が増加する中で管理運営課題も増加し役職者育成の必要性が増した。法人で2011年度より開始した目標管理制度&人事評価制度を活用してリハビリテーション部全体で役職後継者育成に取り組んだ。

【方法】

役職者会議にて「自分と同水準の役職後継者を複数育成する」とのコンセプトを共有しトップダウン形式で役職後継者育成を展開した。
目標管理制度では,個人目標シートを活用して指導育成を行った。医療の質向上・患者満足度向上,事業所・職場の経営改善,教育・学習,ヘルスプロモーション活動,以上4項目について個人目標を設定し年2回の面接を通して達成援助に取り組んだ。
人事評価制度では,自己点検表・人事評価表を活用して指導育成を行った。
主任以下の一般職には,業績(①個人目標の達成度),態度(②積極性 ③学会研究会の参加 ④責任性 ⑤協調性 ⑥規律性),能力(⑦改善力 ⑧コミュニケーション力 ⑨業務知識 ⑩判断力),法人理念の理解(⑪法人に関する知識 ⑫学習 ⑬社会保障・平和活動 ⑭共同組織活動),以上14項目の能力向上に向けた指導育成に取り組んだ。
科長以上の職責者には,業績(①個人目標の達成度),態度(②変革性 ③責任性 ④公平性 ⑤協調性),能力(⑥統率力 ⑦指導育成力 ⑧決断力 ⑨企画力 ⑩交渉力 ⑪業務知識),法人理念の理解(⑫法人に関する知識 ⑬学習 ⑭社会保障・平和活動 ⑮共同組織活動),以上15項目の能力向上に向けた指導育成に取り組んだ。
役職後継者育成の成果を検証するため,役職後継者育成数調査アンケート,役職後継者の人事評価点数推移,職業性ストレス簡易調査票での上司の支援指数の推移,について2011年から2014年までの調査を行った。

【結果】

①役職後継者育成数調査アンケートを集約した結果,2011年度のべ64名から2014年度のべ115名となり51名増加した。
②役職後継者の人事評価平均点は,2011年度735/960点,2012年度759/960点,2013年度772/960点,2014年度784/960点,となり49点増加した。
③職業性ストレス簡易調査票での職場の上司の支援指数は,2011年度8.5,2012年度8.4,2013年度8.5,2014年度8.7,となり0.2増加した。

【結論】

目標管理面接・人事評価面接を活用して組織的に役職者育成に取り組んだ。トップダウン形式で複数の後継者育成を行う事により役職後継者育成を促進することができた。一方,自分と同じレベルを目指す後継者育成は指導者自身の能力が限界となるため,上位役職者は常に自らの能力向上に取り組む必要がある。今後も継続して発展させるためには上位役職者のさらなる能力向上が課題であると考える。2015年度より組織機構図を変更し役職者総数を増やした。今後さらなる役職者能力向上と権限委譲に取り組み働きやすい職場作りを推進していきたい。