[O-HT-04-6] 回復期心疾患患者における身体活動量の改善に対する下肢筋力の関連
Keywords:身体活動量, 膝伸展筋力, 虚血性心疾患
【はじめに,目的】
身体活動量(Physical Activity:PA)の高低は。心疾患患者において,心血管系有害事象の発生や生命予後との関連が報告されている。したがって,PAの増加は心疾患患者の重要な行動目標となる。我々は,先行研究において虚血性心疾患患者のPAと下肢筋力(膝伸展筋力)に関連があることを報告した。しかし,先行研究は,横断的検討であり,PAと下肢筋力の変化量に関連があるかは不明である。そこで本研究は,虚血性心疾患患者のPAと下肢筋力の変化量は関連すると仮説をたて,それを検証すべく以下の検討を行った。本研究の目的は,虚血性心疾患患者におけるPAと下肢筋力の変化量の関連について縦断的検討で明らかにすることである。
【方法】
対象は,2013年9月から2015年5月の間に,虚血性心疾患で入院しリハビリテーション(リハ)依頼のあった連続102例中,発症後1ヵ月目(1M)および3ヵ月目(3M)でPAおよび下肢筋力の測定が可能であった42例(外来リハ通院:19例)である。基本属性は,年齢,性別,BMI(Body Mass Index),左室駆出率(Left Ventricular Ejection Fraction:LVEF)を診療記録より調査した。PAは,歩数計(株式会社スズケン,ライフコーダGS)で連続9日間の歩数を測定し,初日と最終日を除く7日間の平均値(歩/日)を算出した。下肢筋力は,左右の膝伸展筋力を筋力計(アニマ株式会社,μ-tasF1)で測定し,左右の平均値(kgf)を算出した。その後,1Mおよび3Mで測定された値から,歩数(⊿PA)および膝伸展筋力(⊿膝伸展筋力)の改善率を算出した。自宅での運動は,退院時,全例に冊子を配布し柔軟運動。筋力トレーニング。有酸素運動を指導した。統計解析は,まず,1Mおよび3Mにおける,歩数および膝伸展筋力の変化量の差異について対応のあるt検定を実施した。次に⊿PAと各指標の関連についてPearsonの積率相関係数を用い検討した。最後に,⊿PAを従属変数,⊿膝伸展筋力,年齢,性別,BMI,LVEFを独立変数とした重回帰分析(強制投入法)を実施した。統計学的有意差判定基準は5%とした。
【結果】
基本属性は,年齢:65.5±9.7歳,男性:34例,女性:8例,BMI:23.3±2.8,LVEF:56.7±8.5%であった。歩数は1M:7550.4±3710.4歩/日,3M:8663.9±4419.8歩/日,膝伸展筋力は1M:35.5±11.3kgf,3M:37.6±11.8kgfであり,それぞれ経時的な改善を認めた(p<0.05)。⊿PAと⊿膝伸展筋力には,有意な相関関係を認めた(r=0.47,p<0.01)。⊿PAと年齢,BMI,LVEFには相関関係を認めなかった。⊿PAを従属変数とした,重回帰分析の結果,⊿膝伸展筋力が抽出された(r=0.59,R2=0.26,p<0.01)。
【結論】
虚血性心疾患患者におけるPAの向上には,膝伸展筋力の改善が関連する。
身体活動量(Physical Activity:PA)の高低は。心疾患患者において,心血管系有害事象の発生や生命予後との関連が報告されている。したがって,PAの増加は心疾患患者の重要な行動目標となる。我々は,先行研究において虚血性心疾患患者のPAと下肢筋力(膝伸展筋力)に関連があることを報告した。しかし,先行研究は,横断的検討であり,PAと下肢筋力の変化量に関連があるかは不明である。そこで本研究は,虚血性心疾患患者のPAと下肢筋力の変化量は関連すると仮説をたて,それを検証すべく以下の検討を行った。本研究の目的は,虚血性心疾患患者におけるPAと下肢筋力の変化量の関連について縦断的検討で明らかにすることである。
【方法】
対象は,2013年9月から2015年5月の間に,虚血性心疾患で入院しリハビリテーション(リハ)依頼のあった連続102例中,発症後1ヵ月目(1M)および3ヵ月目(3M)でPAおよび下肢筋力の測定が可能であった42例(外来リハ通院:19例)である。基本属性は,年齢,性別,BMI(Body Mass Index),左室駆出率(Left Ventricular Ejection Fraction:LVEF)を診療記録より調査した。PAは,歩数計(株式会社スズケン,ライフコーダGS)で連続9日間の歩数を測定し,初日と最終日を除く7日間の平均値(歩/日)を算出した。下肢筋力は,左右の膝伸展筋力を筋力計(アニマ株式会社,μ-tasF1)で測定し,左右の平均値(kgf)を算出した。その後,1Mおよび3Mで測定された値から,歩数(⊿PA)および膝伸展筋力(⊿膝伸展筋力)の改善率を算出した。自宅での運動は,退院時,全例に冊子を配布し柔軟運動。筋力トレーニング。有酸素運動を指導した。統計解析は,まず,1Mおよび3Mにおける,歩数および膝伸展筋力の変化量の差異について対応のあるt検定を実施した。次に⊿PAと各指標の関連についてPearsonの積率相関係数を用い検討した。最後に,⊿PAを従属変数,⊿膝伸展筋力,年齢,性別,BMI,LVEFを独立変数とした重回帰分析(強制投入法)を実施した。統計学的有意差判定基準は5%とした。
【結果】
基本属性は,年齢:65.5±9.7歳,男性:34例,女性:8例,BMI:23.3±2.8,LVEF:56.7±8.5%であった。歩数は1M:7550.4±3710.4歩/日,3M:8663.9±4419.8歩/日,膝伸展筋力は1M:35.5±11.3kgf,3M:37.6±11.8kgfであり,それぞれ経時的な改善を認めた(p<0.05)。⊿PAと⊿膝伸展筋力には,有意な相関関係を認めた(r=0.47,p<0.01)。⊿PAと年齢,BMI,LVEFには相関関係を認めなかった。⊿PAを従属変数とした,重回帰分析の結果,⊿膝伸展筋力が抽出された(r=0.59,R2=0.26,p<0.01)。
【結論】
虚血性心疾患患者におけるPAの向上には,膝伸展筋力の改善が関連する。