[O-KS-23-3] Magnetic Resonance Imaging(MRI)を用いた単一運動課題における内閉鎖筋,外閉鎖筋の筋活動動態の検討
Keywords:股関節, 深層筋, MRI
【目的】我々はMRI装置を用いて股関節の内閉鎖筋,外閉鎖筋に対する腹臥位,膝屈曲90°からの股関節外旋運動を実施し,内閉鎖筋と比較して外閉鎖筋の筋活動が有意に増加したことを報告した。そこで,本研究の目的は内閉鎖筋に対する効果的な運動課題を明らかにすることである。
【方法】被検者は定期的な運動習慣のない健常者7名(男性4名,女性3名,平均年齢32.0±5.9歳,平均身長169.9±7.9cm,平均体重59.8±11.1kg)とした。被検筋は左側内閉鎖筋,外閉鎖筋,大殿筋,内転筋群とした。運動課題は右側臥位で,左股関節屈曲90°,両踵をつけた状態にて,股関節の自動外転運動(開排運動)を代償運動に注意し最大限可能な範囲で実施した。運動中はメトロノームを使用し4秒に1回の速度で1分間施行し,運動の戻しはできる限り自重の重さを利用するよう練習した。測定プロトコルは30分間の安静後,安静時の股関節T2強調画像を撮像し,その後運動課題を実施した直後に再度MRIを撮像した。MRIの使用機器は診断用MRI装置(3.0T Acieva Philips社製)を使用し,multishotのGra-SE法にて撮像した。撮像条件は撮像視野350×350mm,512×512 matrix,繰り返し時間3900ms,エコー時間20ms,スライス厚5mmのシーケンスで施行した。撮像位置は位置決め画像より左小転子上端を確認し,T2強調画像を撮像した後,被検筋に関心領域を設定した。画像解析ソフトMRIcroを用いて関心領域の信号強度(T2値)を測定した。統計処理は各筋の運動前後のT2値をWilcoxonの符号付順位検定にて比較し,有意差が認められた筋に対して運動前後のT2値の変化率をKruskal-Wallis検定にて比較し,Games-Howell法にて多重比較検定を実施した。
【結果】MRIの撮像時間は5分28秒であった。運動前後の各筋のT2値(安静時/運動後ms)は内閉鎖筋(34.7±1.1/38.9±2.8),外閉鎖筋(35.3±1.5/36.1±1.1),大殿筋(36.6±1.1/37.1±1.6),内転筋群(46.3±9.4/48.5±5.0)で,全被験者,各筋とも増加した。運動前後の比較にて内閉鎖筋,外閉鎖筋,大殿筋に有意差が認められた。それらの筋の変化率による分散分析の結果,内閉鎖筋と外閉鎖筋,内閉鎖筋と大殿筋に有意差が認められ,内閉鎖筋の変化率が他の筋よりも有意に増加していた。
【結論】本研究の運動課題は股関節の外転,外旋を伴う運動であり,筋の作用から内閉鎖筋,外閉鎖筋,大殿筋の筋活動が認められた。さらに,本研究の運動課題は内閉鎖筋の解剖学的な筋の走行から考案した運動課題であり,代償運動に注意して実施することで,内閉鎖筋の選択的な運動となり得ることが判明した。
【方法】被検者は定期的な運動習慣のない健常者7名(男性4名,女性3名,平均年齢32.0±5.9歳,平均身長169.9±7.9cm,平均体重59.8±11.1kg)とした。被検筋は左側内閉鎖筋,外閉鎖筋,大殿筋,内転筋群とした。運動課題は右側臥位で,左股関節屈曲90°,両踵をつけた状態にて,股関節の自動外転運動(開排運動)を代償運動に注意し最大限可能な範囲で実施した。運動中はメトロノームを使用し4秒に1回の速度で1分間施行し,運動の戻しはできる限り自重の重さを利用するよう練習した。測定プロトコルは30分間の安静後,安静時の股関節T2強調画像を撮像し,その後運動課題を実施した直後に再度MRIを撮像した。MRIの使用機器は診断用MRI装置(3.0T Acieva Philips社製)を使用し,multishotのGra-SE法にて撮像した。撮像条件は撮像視野350×350mm,512×512 matrix,繰り返し時間3900ms,エコー時間20ms,スライス厚5mmのシーケンスで施行した。撮像位置は位置決め画像より左小転子上端を確認し,T2強調画像を撮像した後,被検筋に関心領域を設定した。画像解析ソフトMRIcroを用いて関心領域の信号強度(T2値)を測定した。統計処理は各筋の運動前後のT2値をWilcoxonの符号付順位検定にて比較し,有意差が認められた筋に対して運動前後のT2値の変化率をKruskal-Wallis検定にて比較し,Games-Howell法にて多重比較検定を実施した。
【結果】MRIの撮像時間は5分28秒であった。運動前後の各筋のT2値(安静時/運動後ms)は内閉鎖筋(34.7±1.1/38.9±2.8),外閉鎖筋(35.3±1.5/36.1±1.1),大殿筋(36.6±1.1/37.1±1.6),内転筋群(46.3±9.4/48.5±5.0)で,全被験者,各筋とも増加した。運動前後の比較にて内閉鎖筋,外閉鎖筋,大殿筋に有意差が認められた。それらの筋の変化率による分散分析の結果,内閉鎖筋と外閉鎖筋,内閉鎖筋と大殿筋に有意差が認められ,内閉鎖筋の変化率が他の筋よりも有意に増加していた。
【結論】本研究の運動課題は股関節の外転,外旋を伴う運動であり,筋の作用から内閉鎖筋,外閉鎖筋,大殿筋の筋活動が認められた。さらに,本研究の運動課題は内閉鎖筋の解剖学的な筋の走行から考案した運動課題であり,代償運動に注意して実施することで,内閉鎖筋の選択的な運動となり得ることが判明した。