[O-MT-15-2] ストレッチポールひめトレがインナーユニットに及ぼす影響
~腹横筋に着目して~
キーワード:ストレッチポールひめトレ, 骨盤底筋群, 腹横筋
【はじめに,目的】
近年,インナーユニットのトレーニングが着目され,ストレッチポールひめトレ(以下:SPH)という商品(株式会社LPN製)が開発された。我々は第49回・50回日本理学療法学術大会で,SPHの効果について発表した。SPHは,骨盤底筋群のトレーニングツールとして使用されており,鬱や寝たきりの原因となる尿失禁予防・改善,転倒予防,姿勢改善などに大きく関与しているといわれている。齋藤(2002)は,体幹筋は脊椎の分節的な支持やコントロールを担い,その中でも体幹深部筋の1つである腹横筋が重要であると述べている。また,田舎中(2008)は,骨盤底筋群の収縮に伴い,隣接する腹部筋の収縮が確認されると報告している。そこで本研究はSPHを使用し,SPHが腹横筋にどのような影響を与えるか検証することを目的とした。
【方法】
対象は,大学に在籍する健常な男性学生49名(平均年齢21.1歳±1.1歳)とした。このうち,SPHを使用してトレーニングを行う群をA群(20名),トレーニングのみ行う群をB群(14名),何も行わない群をC群(15名)の3群について無作為に設定した。トレーニングは日本コアコンディショニング協会が提唱しているエクササイズを参考に週3回,3週間継続し研究者の管理下で実施した。また実施前日と最終日の翌日に3群の腹横筋筋厚を測定した。測定機器は超音波診断装置(Nemio-XG SSA-580A:東芝社製)を使用した。筋厚の測定は金子ら(2005)の先行研究をもとに,前腋窩線上の肋骨下縁と腸骨稜の中点にプローブを当て,安静背臥位にて呼気終末時の静止画像を記録し,腹横筋の筋厚を測定した。トレーニング全課程終了後,各群の最終の測定値と初期の測定値の差を算出した。統計処理は多重比較としてKruskal-wallis testを用い,有意水準は5%未満とした。統計解析ソフトはMicrosoft office Excel2010及びエクセル統計2012を用いた。
【結果】
変化量(最終測定値-初期測定値)を算出し,A群,B群,C群を比較したところ,A群>B群>C群の順に腹横筋筋厚に有意な増加を認めた。(p<0.05)
【結論】
今回,超音波診断装置を用いて非侵襲的に腹横筋筋厚の評価を行い,筋厚の増加を認めた。増加した要因として,SPHを使用したトレーニングを行ったことにより,骨盤底筋群の収縮に伴い,隣接する腹部筋の収縮が共同筋として働いたことが推測された。本研究の結果からSPHは,インナーユニットに対する理学療法施行時に用いられる有効なツールとして可能性を秘めているため,今後も多角的にその効果について分析する必要がある。
近年,インナーユニットのトレーニングが着目され,ストレッチポールひめトレ(以下:SPH)という商品(株式会社LPN製)が開発された。我々は第49回・50回日本理学療法学術大会で,SPHの効果について発表した。SPHは,骨盤底筋群のトレーニングツールとして使用されており,鬱や寝たきりの原因となる尿失禁予防・改善,転倒予防,姿勢改善などに大きく関与しているといわれている。齋藤(2002)は,体幹筋は脊椎の分節的な支持やコントロールを担い,その中でも体幹深部筋の1つである腹横筋が重要であると述べている。また,田舎中(2008)は,骨盤底筋群の収縮に伴い,隣接する腹部筋の収縮が確認されると報告している。そこで本研究はSPHを使用し,SPHが腹横筋にどのような影響を与えるか検証することを目的とした。
【方法】
対象は,大学に在籍する健常な男性学生49名(平均年齢21.1歳±1.1歳)とした。このうち,SPHを使用してトレーニングを行う群をA群(20名),トレーニングのみ行う群をB群(14名),何も行わない群をC群(15名)の3群について無作為に設定した。トレーニングは日本コアコンディショニング協会が提唱しているエクササイズを参考に週3回,3週間継続し研究者の管理下で実施した。また実施前日と最終日の翌日に3群の腹横筋筋厚を測定した。測定機器は超音波診断装置(Nemio-XG SSA-580A:東芝社製)を使用した。筋厚の測定は金子ら(2005)の先行研究をもとに,前腋窩線上の肋骨下縁と腸骨稜の中点にプローブを当て,安静背臥位にて呼気終末時の静止画像を記録し,腹横筋の筋厚を測定した。トレーニング全課程終了後,各群の最終の測定値と初期の測定値の差を算出した。統計処理は多重比較としてKruskal-wallis testを用い,有意水準は5%未満とした。統計解析ソフトはMicrosoft office Excel2010及びエクセル統計2012を用いた。
【結果】
変化量(最終測定値-初期測定値)を算出し,A群,B群,C群を比較したところ,A群>B群>C群の順に腹横筋筋厚に有意な増加を認めた。(p<0.05)
【結論】
今回,超音波診断装置を用いて非侵襲的に腹横筋筋厚の評価を行い,筋厚の増加を認めた。増加した要因として,SPHを使用したトレーニングを行ったことにより,骨盤底筋群の収縮に伴い,隣接する腹部筋の収縮が共同筋として働いたことが推測された。本研究の結果からSPHは,インナーユニットに対する理学療法施行時に用いられる有効なツールとして可能性を秘めているため,今後も多角的にその効果について分析する必要がある。