[O-NV-03-5] 音楽リズムを用いた歩行練習がパーキンソン病に及ぼす影響とその後の経過について
Keywords:パーキンソン病, 音楽リズム, 歩行練習
【はじめに,目的】聴覚刺激を用いた音楽療法の効果は,理学療法のみならず介護支援事業またはリラクゼーション等においても非常に有効な手段として用いられている。特に内的発動性が障害されるパーキンソン病において音楽療法は有効と多方面で報告されている。今回は規則的な音楽リズム刺激を用い一定期間継続した歩行練習が,パーキンソン病患者にどのような効果を及ぼすのか,また,その後の経過について評価検討を行った。
【方法】対象は当院通所・外来リハビリを利用中のパーキンソン病患者で,病状が安定し物的介助を要さず自立歩行が可能な8名とした。非実施群4名(男性2名女性2名:平均年齢65.8±7.1歳)と実施群4名(男性1名女性3名:平均年齢67.8±5.7歳)に分け,実施群には林らのパーキンソン病に効く音楽療法CDブックを基に一分間の歩行リズムを算出し10%早い音楽リズムを用いて歩行練習を10分間実施。歩行練習は1週間の間を開けず(平均1~2回/週)を8回実施した。歩行練習の実施前・実施後・次回来院時(2∼4日後)・1週後・2週後・3週後の10m歩行時間・歩数・Unified Parkinson's Disease Rating Scale(以下UPDRS)を用い評価を行った。実施前後の其々の評価項目を対応のあるt検定(危険率5%)を行った。また,その後の測定結果をノンパラメトリック多重比較検定のShirley-williams法を用いて検定した。歩行練習実施期間は投薬変更や他の治療は行わなかった。
【結果】実施群において歩行練習実施前と実施後の10m歩行時間(実施前11.1±4.8秒 実施後8.1±3.1秒),歩数(実施前20.1±6.3歩 実施後16.8±4.2歩),UPDRS partIIIの運動能力項目(実施前16.0±9.6点 実施後13.8±8.3点)の評価項目で改善し有意差を認めた。しかし,実施後から3週後までの各評価項目においては有意差が認められなかった。また,非実施群においては歩行練習実施前後,その後3週までの期間において全ての評価項目に有意差を認めなかった。
【結論】個別性のある規則的な音楽リズムを歩行練習に用いる事で,実施後には歩行や運動能力の改善に有効に作用した。歩行練習に個別性のある規則的な音楽リズムを用いることで,内的リズムの形成の過程に働き,簡易的に一定量の運動を遂行でき,動きの切り替えや反復を伴う交互反復運動の要素の向上に影響したと考える。しかし,歩行練習実施後からの経過では歩行やUPDRSに有意差はなく持続的な効果は認められなかった。このことから,歩行や運動機能に変化をもたらすためには,不安的に障害されている内的リズムの形成の過程に,適宜,外的な音楽リズムの刺激を用いることが歩行や運動機能の向上に有効であると考える。
【方法】対象は当院通所・外来リハビリを利用中のパーキンソン病患者で,病状が安定し物的介助を要さず自立歩行が可能な8名とした。非実施群4名(男性2名女性2名:平均年齢65.8±7.1歳)と実施群4名(男性1名女性3名:平均年齢67.8±5.7歳)に分け,実施群には林らのパーキンソン病に効く音楽療法CDブックを基に一分間の歩行リズムを算出し10%早い音楽リズムを用いて歩行練習を10分間実施。歩行練習は1週間の間を開けず(平均1~2回/週)を8回実施した。歩行練習の実施前・実施後・次回来院時(2∼4日後)・1週後・2週後・3週後の10m歩行時間・歩数・Unified Parkinson's Disease Rating Scale(以下UPDRS)を用い評価を行った。実施前後の其々の評価項目を対応のあるt検定(危険率5%)を行った。また,その後の測定結果をノンパラメトリック多重比較検定のShirley-williams法を用いて検定した。歩行練習実施期間は投薬変更や他の治療は行わなかった。
【結果】実施群において歩行練習実施前と実施後の10m歩行時間(実施前11.1±4.8秒 実施後8.1±3.1秒),歩数(実施前20.1±6.3歩 実施後16.8±4.2歩),UPDRS partIIIの運動能力項目(実施前16.0±9.6点 実施後13.8±8.3点)の評価項目で改善し有意差を認めた。しかし,実施後から3週後までの各評価項目においては有意差が認められなかった。また,非実施群においては歩行練習実施前後,その後3週までの期間において全ての評価項目に有意差を認めなかった。
【結論】個別性のある規則的な音楽リズムを歩行練習に用いる事で,実施後には歩行や運動能力の改善に有効に作用した。歩行練習に個別性のある規則的な音楽リズムを用いることで,内的リズムの形成の過程に働き,簡易的に一定量の運動を遂行でき,動きの切り替えや反復を伴う交互反復運動の要素の向上に影響したと考える。しかし,歩行練習実施後からの経過では歩行やUPDRSに有意差はなく持続的な効果は認められなかった。このことから,歩行や運動機能に変化をもたらすためには,不安的に障害されている内的リズムの形成の過程に,適宜,外的な音楽リズムの刺激を用いることが歩行や運動機能の向上に有効であると考える。