[O-TK-06-5] 介護福祉士のリハビリテーションの捉え方について
ケアマネージャー候補者の理学療法士への理解度
Keywords:介護福祉士, リハビリテーション, 理学療法士
【はじめに】厚生労働省が進める地域包括ケアシステムや介護保険で利用者と各サービスなどを繋ぐ役割の多くを介護支援専門員が担っている。
介護支援専門員の数は年々増加しており,中でも介護福祉士(以下CW)が大きな割合を占め,ここ数年の介護支援専門員実務講習(以下実務講習)受講試験の合格者のCWの割合は全体の70%を占めている。
演者は介護保険施行後より15年間実務講習に携わってきたがCWのリハビリテーション(以下リハビリ)に対する理解度に疑問を感じることが多くあったため今回,理学療法士(以下PT)とCWの話をする頻度やリハビリをどのように捉えているか調査したので報告する。
【方法】対象は,平成27年度三重県実施の実務講習受講生487名のうちCW337名である。方法は,選択式と一部自由記載によるアンケートとし,勤務先区分,経験年数,PTとの関わり(5項目),リハビリの理解(5項目)を調査した。検定はΧ2検定を用い有意水準5%以下とした。
【結果】有効回答数は243名(71.8%)であった。勤務先は介護系214名,医療系11名,混合,兼務9名,その他7名,無回答2名であった。経験年数は5~10年152名(62.6%),10~15年76名(31%),15~20年12名(4.9%)男女比は女性184名,男性59名であった。リハビリの言葉の意味は?との問いについては機能訓練と答えた人数が一番多く53.1%,日常動作訓練16%であった。「本来あるべき状態への回復」や「その人の復権」などの回答は2名のみであった。勤務先にPTがいるかとの問いに対しては,いる29.2%,いない61.7%,PTと話す機会があるかとの問いについては,ある37.4%,ない56.8%で,施設の種類(介護系・医療系)によって有意な差を認めた。話す機会があると答えた中での頻度は1日1回が27.5%,1か月に1回20.9%,1週間に1回が14.3%であった。
このようなことから実務講習を受講するCWは,88%が介護系に勤務しておりPTがいない職場が6割を超え,半数以上が日頃PTと話す機会がない。経験年数5年~10年で受講するが,リハビリの言葉の意味やPTを理解しているとは言い難い結果となった。
【結論】介護系施設に勤務するPTが依然少なく,CWや多職種にリハビリの意味,PTの役割などが浸透していないことが示唆された。また,一緒に勤務していなくても退院時の情報提供や,通所系サービスなどでの連携を強化していくことによって更なる理解が増すのではないかと考える。
これにより,ケアプランを立案・実施する上でリハビリへの配慮,特にPTの活用が不十分な状況になることを少しでも防げるのではないかと考える。
今後,協会主体での広報活動はもちろんのこと,各個人の更なる努力でリハビリの認知度向上のために尽力することが望まれる。
介護支援専門員の数は年々増加しており,中でも介護福祉士(以下CW)が大きな割合を占め,ここ数年の介護支援専門員実務講習(以下実務講習)受講試験の合格者のCWの割合は全体の70%を占めている。
演者は介護保険施行後より15年間実務講習に携わってきたがCWのリハビリテーション(以下リハビリ)に対する理解度に疑問を感じることが多くあったため今回,理学療法士(以下PT)とCWの話をする頻度やリハビリをどのように捉えているか調査したので報告する。
【方法】対象は,平成27年度三重県実施の実務講習受講生487名のうちCW337名である。方法は,選択式と一部自由記載によるアンケートとし,勤務先区分,経験年数,PTとの関わり(5項目),リハビリの理解(5項目)を調査した。検定はΧ2検定を用い有意水準5%以下とした。
【結果】有効回答数は243名(71.8%)であった。勤務先は介護系214名,医療系11名,混合,兼務9名,その他7名,無回答2名であった。経験年数は5~10年152名(62.6%),10~15年76名(31%),15~20年12名(4.9%)男女比は女性184名,男性59名であった。リハビリの言葉の意味は?との問いについては機能訓練と答えた人数が一番多く53.1%,日常動作訓練16%であった。「本来あるべき状態への回復」や「その人の復権」などの回答は2名のみであった。勤務先にPTがいるかとの問いに対しては,いる29.2%,いない61.7%,PTと話す機会があるかとの問いについては,ある37.4%,ない56.8%で,施設の種類(介護系・医療系)によって有意な差を認めた。話す機会があると答えた中での頻度は1日1回が27.5%,1か月に1回20.9%,1週間に1回が14.3%であった。
このようなことから実務講習を受講するCWは,88%が介護系に勤務しておりPTがいない職場が6割を超え,半数以上が日頃PTと話す機会がない。経験年数5年~10年で受講するが,リハビリの言葉の意味やPTを理解しているとは言い難い結果となった。
【結論】介護系施設に勤務するPTが依然少なく,CWや多職種にリハビリの意味,PTの役割などが浸透していないことが示唆された。また,一緒に勤務していなくても退院時の情報提供や,通所系サービスなどでの連携を強化していくことによって更なる理解が増すのではないかと考える。
これにより,ケアプランを立案・実施する上でリハビリへの配慮,特にPTの活用が不十分な状況になることを少しでも防げるのではないかと考える。
今後,協会主体での広報活動はもちろんのこと,各個人の更なる努力でリハビリの認知度向上のために尽力することが望まれる。