[P-ED-01-4] 高齢者運動教室に続けて参加することによる学生の印象の違い
Keywords:地域理学療法, アーリーエクスポージャー, 卒前教育
【はじめに,目的】
理学療法学科に所属する大学生を対象に,町の介護予防事業に参加し,自分達で介入内容を考え実践する取り組みを実施した。このような取り組みは学生にとって有意義な実践型教育がなされるだけでなく,地域や対象となる高齢者にとっても良い効果が得られる可能性が高い。
本研究の目的は,本事業に初めて参加した学生と2回継続して参加した学生のアンケート結果を比較し,継続的な関わりの教育効果について検討することである。
【方法】
対象学生は,年度の違う以下の2群である。1度だけ参加した群(以下,単発群)は4年前期に65歳以上の高齢者計57名を対象とした運動教室に参加した学生11名(男5名,女6名)であった。2回参加した群(以下,継続群)は,3年後期に60歳以上の高齢女性計24名を対象とした運動教室に参加し,4年前期に65歳以上の高齢者計49名を対象とした運動教室に参加した学生8名(男7名,女1名)であった。両事業ともに2名の教員が引率した。
全事業2週連続で計2日間開催され,初日は運動機能測定および簡単な集団体操,2日目は結果の返却・フィードバック及びトレーニング指導であった。両日ともに具体的な計画及び運営は学生が主体的に実施し,前後に担当教員が十分に指導した。
各事業,2日目の事業終了後に事業参加者に対して,事業や学生の評価に関するアンケート調査を実施した。また同時に,参加学生に対するアンケート調査をVAS(Visual Analogue Scale)を利用して実施した。アンケートの項目は,事業体験の感想として(1)良かった,(2)大変だった,(3)勉強になった,の3項目,さらに(4)今までの知識技術が活かせたか,(5)計画通りにできたか,(6)コミュニケーションは上手く取れたか,(7)もっと早く体験したかったか,(8)地域活動に興味は増したか,(9)今後もこのような事業に関わっていきたいか,の計9項目であった。得られたVASの結果をもとに単発群と継続群の結果をMann-WhitneyのU検定にて群間比較した。
【結果】
事業参加者の9割以上が事業評価,学生評価について高評価を示していた。学生に対するアンケートの結果,単発群に対して継続群は事業体験をより「大変だった」と感じていた(単発群=74.9±16.2,継続群=86.9±8.8,p=0.03)。一方で「勉強になった」,「地域活動への興味は増した」,「今後も関わっていきたい」といった項目では両群ともに高い結果であった。
【結論】
参加者の反応から,地域事業への学生の参加は望まれていると考えられた。経験を積むことで,運営を大変だったと感じる半面,その学びは実際の高齢者の運動教室を体験する良い学びであったと予想される。学年別の時期的な感じ方に違いがあるため,今後は継続的に各学年が各々の役割を果たすような関わり方,指導が望まれる。
理学療法学科に所属する大学生を対象に,町の介護予防事業に参加し,自分達で介入内容を考え実践する取り組みを実施した。このような取り組みは学生にとって有意義な実践型教育がなされるだけでなく,地域や対象となる高齢者にとっても良い効果が得られる可能性が高い。
本研究の目的は,本事業に初めて参加した学生と2回継続して参加した学生のアンケート結果を比較し,継続的な関わりの教育効果について検討することである。
【方法】
対象学生は,年度の違う以下の2群である。1度だけ参加した群(以下,単発群)は4年前期に65歳以上の高齢者計57名を対象とした運動教室に参加した学生11名(男5名,女6名)であった。2回参加した群(以下,継続群)は,3年後期に60歳以上の高齢女性計24名を対象とした運動教室に参加し,4年前期に65歳以上の高齢者計49名を対象とした運動教室に参加した学生8名(男7名,女1名)であった。両事業ともに2名の教員が引率した。
全事業2週連続で計2日間開催され,初日は運動機能測定および簡単な集団体操,2日目は結果の返却・フィードバック及びトレーニング指導であった。両日ともに具体的な計画及び運営は学生が主体的に実施し,前後に担当教員が十分に指導した。
各事業,2日目の事業終了後に事業参加者に対して,事業や学生の評価に関するアンケート調査を実施した。また同時に,参加学生に対するアンケート調査をVAS(Visual Analogue Scale)を利用して実施した。アンケートの項目は,事業体験の感想として(1)良かった,(2)大変だった,(3)勉強になった,の3項目,さらに(4)今までの知識技術が活かせたか,(5)計画通りにできたか,(6)コミュニケーションは上手く取れたか,(7)もっと早く体験したかったか,(8)地域活動に興味は増したか,(9)今後もこのような事業に関わっていきたいか,の計9項目であった。得られたVASの結果をもとに単発群と継続群の結果をMann-WhitneyのU検定にて群間比較した。
【結果】
事業参加者の9割以上が事業評価,学生評価について高評価を示していた。学生に対するアンケートの結果,単発群に対して継続群は事業体験をより「大変だった」と感じていた(単発群=74.9±16.2,継続群=86.9±8.8,p=0.03)。一方で「勉強になった」,「地域活動への興味は増した」,「今後も関わっていきたい」といった項目では両群ともに高い結果であった。
【結論】
参加者の反応から,地域事業への学生の参加は望まれていると考えられた。経験を積むことで,運営を大変だったと感じる半面,その学びは実際の高齢者の運動教室を体験する良い学びであったと予想される。学年別の時期的な感じ方に違いがあるため,今後は継続的に各学年が各々の役割を果たすような関わり方,指導が望まれる。