[P-ED-05-2] 実習生の臨床実習に対する認識の変化
臨床実習前後におけるアンケート調査より
キーワード:臨床実習, 教育, アンケート
【はじめに,目的】当院は臨床実習教育を診療参加型(クリニカルクラークシップ,以下CCS)で実施している。本研究の目的は,臨床教育効果の検討を行う一助にするべく,当院の臨床実習前後における実習生の臨床実習に対する認識の変化を明らかにすることである。
【方法】対象は,当院で平成26年4月から平成27年10月までに臨床実習を行った学生26名であった。調査方法は記述式のアンケートを,実習開始時と終了時の2回実施した。アンケートは以下の4つの設問とした。設問1.臨床実習のイメージについて,設問2.臨床実習では具体的に何を学びたいか(何を学んだか),設問3.実習前準備で何をしたか(何をすべきだったか),設問4.実習前の自分自身に足りないことは何か(今回の実習で足りないことは何だったか)。()内は実習終了時の設問である。回答結果を次の4つのカテゴリー(知識:基礎・専門知識,技術:操作性技術全般,認知:認知スキル・問題解決思考過程,情意:実習態度・やる気・責任感など)に分類した。分類されたカテゴリー別に,総数に対する割合を算出し,実習前後でχ2乗検定を用いて検定した。有意水準は危険率5%未満とした。
【結果】設問1では,実習開始時と終了時に知識23.1%:34.6%,技術46.2%:38.5%,認知19.2%:46.2%,情意61.5%:53.8%となり知識,認知で有意差を認めた。設問2では,実習開始時と終了時に知識26.9%:19.2%,技術88.5%:53.8%,認知57.7%:92.3%,情意7.7%:15.4%となり知識,技術,認知で有意差を認めた。設問3では,実習開始時と終了時に知識73.1%:88.5%,技術50.0%:15.4%,認知3.8%:15.4%,情意3.8%:3.8%となり知識,技術で有意差を認めた。設問4では,実習開始時と終了時に知識65.4%:34.6%,技術73.1%:23.1%,認知26.9%:50.0%,情意30.8%:26.9%となり技術で有意差を認めた。
臨床実習の目的は,実習生がリアルな実体験から臨床家としての思考過程を感じ,学ぶことである。その実体験を数多く経験できるCCSによる臨床実習で,特に認知領域の重要性に実習生自ら気付くことの出来る場を提供することが,臨床施設のPTが出来ることであると考える。そういう観点から今回の結果を顧みると,実習前後で認知のカテゴリーが増加していることは,当院の臨床実習において教育効果が期待できると推察された。
【結論】実習生の実習開始前の認識が,実習を経験することで我々の意図している方向へ変化していることが判明し,CCSによる臨床実習が効果を挙げている可能性が示唆された。
【方法】対象は,当院で平成26年4月から平成27年10月までに臨床実習を行った学生26名であった。調査方法は記述式のアンケートを,実習開始時と終了時の2回実施した。アンケートは以下の4つの設問とした。設問1.臨床実習のイメージについて,設問2.臨床実習では具体的に何を学びたいか(何を学んだか),設問3.実習前準備で何をしたか(何をすべきだったか),設問4.実習前の自分自身に足りないことは何か(今回の実習で足りないことは何だったか)。()内は実習終了時の設問である。回答結果を次の4つのカテゴリー(知識:基礎・専門知識,技術:操作性技術全般,認知:認知スキル・問題解決思考過程,情意:実習態度・やる気・責任感など)に分類した。分類されたカテゴリー別に,総数に対する割合を算出し,実習前後でχ2乗検定を用いて検定した。有意水準は危険率5%未満とした。
【結果】設問1では,実習開始時と終了時に知識23.1%:34.6%,技術46.2%:38.5%,認知19.2%:46.2%,情意61.5%:53.8%となり知識,認知で有意差を認めた。設問2では,実習開始時と終了時に知識26.9%:19.2%,技術88.5%:53.8%,認知57.7%:92.3%,情意7.7%:15.4%となり知識,技術,認知で有意差を認めた。設問3では,実習開始時と終了時に知識73.1%:88.5%,技術50.0%:15.4%,認知3.8%:15.4%,情意3.8%:3.8%となり知識,技術で有意差を認めた。設問4では,実習開始時と終了時に知識65.4%:34.6%,技術73.1%:23.1%,認知26.9%:50.0%,情意30.8%:26.9%となり技術で有意差を認めた。
臨床実習の目的は,実習生がリアルな実体験から臨床家としての思考過程を感じ,学ぶことである。その実体験を数多く経験できるCCSによる臨床実習で,特に認知領域の重要性に実習生自ら気付くことの出来る場を提供することが,臨床施設のPTが出来ることであると考える。そういう観点から今回の結果を顧みると,実習前後で認知のカテゴリーが増加していることは,当院の臨床実習において教育効果が期待できると推察された。
【結論】実習生の実習開始前の認識が,実習を経験することで我々の意図している方向へ変化していることが判明し,CCSによる臨床実習が効果を挙げている可能性が示唆された。