[P-ED-07-5] 保健医療福祉系学生に対する合宿型専門職連携教育の実施
社会的スキル,自己効力感の変化
Keywords:専門職連携教育, 保健医療福祉系学生, 地域
【はじめに,目的】
わが国は2007年に高齢化率が21%を超え超高齢社会となり,2013年には25.1%となった。今後も高齢化率は進展し,2037年には33.4%になると見込まれている。2025年を目途とした地域包括ケアシステムの構築に向けて専門職連携教育の必要性が高まっている。専門職連携教育は「複数の領域の専門職者が連携およびケアの質を改善するために,同じ場所でともに学び,お互いから学び合いながら,お互いの事を学ぶ」とされており,学生時代に専門職連携教育を体験することは,お互いの学び合いにより,コミュニケーション能力の向上が期待でき,資格取得後の現場に活かされる。本報告は,1泊2日の合宿形式による専門職連携教育(以下合宿型IPE)の取り組みを紹介し,合宿型IPEに参加した学生の社会的スキルと自己効力感が合宿型IPEによってどのように変化したかを明らかにすることを目的とし,調査結果に若干の検討を含め報告する。
【方法】
合宿型IPEの参加学生は13名で男性6名,女性5名であった。その内訳は医学6名,看護学2名,理学療法学5名であった。合宿型IPEは1泊2日の合宿形式で行われた。1日目はオリエンテーション,ファシリテーション講習,Ice brake,地域住民を対象とした健康教室,座談会が行われた。2日目は事例検討と2日間の振り返りを行い終了した。調査は1日日のオリエンテーション時と2日目の修了式前に自記式質問紙法を用いたアンケート調査を,Kikuchi's Scale of Social Skills:18items(以下KiSS-18)と,General Self-Efficacy Scale(以下GSES)にて実施した。2日目には研修の振り返りを行い,自記による感想を得た。得られたKiSS-18とGSESの1日目と2日目の得点を算出し用いた。それぞれの1日目及び2日目の得点についてWilcoxon符号付順位和検定を用い比較し,有意水準を5%未満とした。
【結果】
合宿型IPEに参加した学生13名を対象とし,11名より調査協力を得た。有効回答率は84.6%であった。KiSS-18およびGSESの1日目と2日目の比較において,2日目が有意に高くなっていた。2日目の振り返りで得た参加学生の感想では,「初めて顔合わせをした各専門職の学生とチームを組み,協力し合いながら健康教室,事例検討を作り上げることで,他職種連携がいかに重要か理解できた」,「他の学部が普段勉強していることを知れて,同じ医療系の学部であるにもかかわらず,全く違う内容で新鮮でした」,「事例検討において,職種の違いによってできることが違って,考えも変わることが分かって良かった」,などの意見があった。
【結論】
1泊2日の短期間の合宿型IPEであったが,参加学生全員がファシリテーターとして他者の意見を聞き,同じ場所で共に学ぶことで,将来必要となる知識や目標が明確となった。加えて,交流会において,初対面でかつ年齢の離れた地域住民との様々な会話によって,社会的スキルと自己効力感の得点は向上する。
わが国は2007年に高齢化率が21%を超え超高齢社会となり,2013年には25.1%となった。今後も高齢化率は進展し,2037年には33.4%になると見込まれている。2025年を目途とした地域包括ケアシステムの構築に向けて専門職連携教育の必要性が高まっている。専門職連携教育は「複数の領域の専門職者が連携およびケアの質を改善するために,同じ場所でともに学び,お互いから学び合いながら,お互いの事を学ぶ」とされており,学生時代に専門職連携教育を体験することは,お互いの学び合いにより,コミュニケーション能力の向上が期待でき,資格取得後の現場に活かされる。本報告は,1泊2日の合宿形式による専門職連携教育(以下合宿型IPE)の取り組みを紹介し,合宿型IPEに参加した学生の社会的スキルと自己効力感が合宿型IPEによってどのように変化したかを明らかにすることを目的とし,調査結果に若干の検討を含め報告する。
【方法】
合宿型IPEの参加学生は13名で男性6名,女性5名であった。その内訳は医学6名,看護学2名,理学療法学5名であった。合宿型IPEは1泊2日の合宿形式で行われた。1日目はオリエンテーション,ファシリテーション講習,Ice brake,地域住民を対象とした健康教室,座談会が行われた。2日目は事例検討と2日間の振り返りを行い終了した。調査は1日日のオリエンテーション時と2日目の修了式前に自記式質問紙法を用いたアンケート調査を,Kikuchi's Scale of Social Skills:18items(以下KiSS-18)と,General Self-Efficacy Scale(以下GSES)にて実施した。2日目には研修の振り返りを行い,自記による感想を得た。得られたKiSS-18とGSESの1日目と2日目の得点を算出し用いた。それぞれの1日目及び2日目の得点についてWilcoxon符号付順位和検定を用い比較し,有意水準を5%未満とした。
【結果】
合宿型IPEに参加した学生13名を対象とし,11名より調査協力を得た。有効回答率は84.6%であった。KiSS-18およびGSESの1日目と2日目の比較において,2日目が有意に高くなっていた。2日目の振り返りで得た参加学生の感想では,「初めて顔合わせをした各専門職の学生とチームを組み,協力し合いながら健康教室,事例検討を作り上げることで,他職種連携がいかに重要か理解できた」,「他の学部が普段勉強していることを知れて,同じ医療系の学部であるにもかかわらず,全く違う内容で新鮮でした」,「事例検討において,職種の違いによってできることが違って,考えも変わることが分かって良かった」,などの意見があった。
【結論】
1泊2日の短期間の合宿型IPEであったが,参加学生全員がファシリテーターとして他者の意見を聞き,同じ場所で共に学ぶことで,将来必要となる知識や目標が明確となった。加えて,交流会において,初対面でかつ年齢の離れた地域住民との様々な会話によって,社会的スキルと自己効力感の得点は向上する。