[P-ED-10-3] リハビリテーション専門職のポジション別ステークホルダー理解
リハビリテーション専門職のステークホルダーへの適正な理解が組織にどうプラスにはたらくか
Keywords:ステークホルダー, マネジメント, 組織運営
【はじめに,目的】
ステークホルダーとは「企業・行政・NPO等の利害と行動に直接・間接的な利害関係を有する者」を指す。ビジネスの実践においても,また,経営戦略,企業統治(コーポレート・ガバナンス),事業目的,企業の社会的責任の理論化においても,広く受け入れられるようになっている。この点から考えると,Therapist自身が己のステークホルダーが何で,顧客となる対象者が誰にあたるかを正確に把握することでさらに組織への貢献度がプラスにはたらくと考えた。これまで顧客満足度向上への施策や,調査は行われてきた。しかし,Therapistへの教育不足のため己の対象となる顧客が誰なのかをきちんと把握出来ていないのが現状である。こうした点を踏まえ,今調査においてTherapistの思考がどのような方向にあるのか,今後いかに指導すべきかについて検討することを目的としている。
【方法】
今調査では,入社5年未満の社員を「若手社員」,5年以上10年未満の社員を「中堅社員」,10年以上の社員を「ベテラン社員」とし質問紙調査データを分析する。そして病院,診療所5施設において10名以上のTherapistを雇用する施設管理者もしくはTherapistを管理する医師に対しインタビュー調査を実施した。
★予備調査★組織において社員のステークホルダー思考を抽出するため,複数施設の管理者(医師含む)4名,某大学院のMBAコースに通う医療関係に勤務する4名を対象に自由記述式の質問紙調査を実施した。質問票では「各施設においてステークホルダーと思われる対象をご記入下さい」と提示し,自由に回答するよう求めた。そして20の典型的な項目を抽出でき,リストが作製された。
【結果】
因子分析(主因子法・オブリミン回転)によって,社員のステークホルダーリスト20項目は4因子に集約された。社員の思考は,「メディカルスタッフ・社内スタッフ」「患者」「家族」「社外」の4つの因子に別れた。
【結論】
「若手社員」「中堅社員」「ベテラン社員」によりステークホルダーに大きな偏りがみられたが,経験年数に対しての因子には比較的高い関係性がみられた。「社員のステークホルダーの認識の違いにより,就業行動がどのような問題となっているのか」「施設管理者は社員をいかに指導しているのか」という二つのリサーチクエスチョンを検討した。その結果,若手社員と中堅社員の問題行動は,対象が少数且つ狭い範囲であった。そしてステークホルダーに対し指導を適切に行った事がない,受けたことが無いという回答が多かった。
【理学療法学研究としての意義】ステークホルダーに限らず,正確な情報を提供することで社員の不適切な仕事の方法やアプローチを改善することが可能になる。Therapistの人材育成は組織マネジメントにおける重要な経営課題の一つである。本研究は人材育成において職能だけでなく成績,情意の介入の必要性を示唆するものである。
ステークホルダーとは「企業・行政・NPO等の利害と行動に直接・間接的な利害関係を有する者」を指す。ビジネスの実践においても,また,経営戦略,企業統治(コーポレート・ガバナンス),事業目的,企業の社会的責任の理論化においても,広く受け入れられるようになっている。この点から考えると,Therapist自身が己のステークホルダーが何で,顧客となる対象者が誰にあたるかを正確に把握することでさらに組織への貢献度がプラスにはたらくと考えた。これまで顧客満足度向上への施策や,調査は行われてきた。しかし,Therapistへの教育不足のため己の対象となる顧客が誰なのかをきちんと把握出来ていないのが現状である。こうした点を踏まえ,今調査においてTherapistの思考がどのような方向にあるのか,今後いかに指導すべきかについて検討することを目的としている。
【方法】
今調査では,入社5年未満の社員を「若手社員」,5年以上10年未満の社員を「中堅社員」,10年以上の社員を「ベテラン社員」とし質問紙調査データを分析する。そして病院,診療所5施設において10名以上のTherapistを雇用する施設管理者もしくはTherapistを管理する医師に対しインタビュー調査を実施した。
★予備調査★組織において社員のステークホルダー思考を抽出するため,複数施設の管理者(医師含む)4名,某大学院のMBAコースに通う医療関係に勤務する4名を対象に自由記述式の質問紙調査を実施した。質問票では「各施設においてステークホルダーと思われる対象をご記入下さい」と提示し,自由に回答するよう求めた。そして20の典型的な項目を抽出でき,リストが作製された。
【結果】
因子分析(主因子法・オブリミン回転)によって,社員のステークホルダーリスト20項目は4因子に集約された。社員の思考は,「メディカルスタッフ・社内スタッフ」「患者」「家族」「社外」の4つの因子に別れた。
【結論】
「若手社員」「中堅社員」「ベテラン社員」によりステークホルダーに大きな偏りがみられたが,経験年数に対しての因子には比較的高い関係性がみられた。「社員のステークホルダーの認識の違いにより,就業行動がどのような問題となっているのか」「施設管理者は社員をいかに指導しているのか」という二つのリサーチクエスチョンを検討した。その結果,若手社員と中堅社員の問題行動は,対象が少数且つ狭い範囲であった。そしてステークホルダーに対し指導を適切に行った事がない,受けたことが無いという回答が多かった。
【理学療法学研究としての意義】ステークホルダーに限らず,正確な情報を提供することで社員の不適切な仕事の方法やアプローチを改善することが可能になる。Therapistの人材育成は組織マネジメントにおける重要な経営課題の一つである。本研究は人材育成において職能だけでなく成績,情意の介入の必要性を示唆するものである。