第51回日本理学療法学術大会

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一般演題ポスター

日本理学療法教育学会 一般演題ポスター
教育P11

Sun. May 29, 2016 11:10 AM - 12:10 PM 第12会場 (産業振興センター 2階 体育実習室)

[P-ED-11-1] 入試形態および面接点と定期試験成績との関係(第2報)

専門基礎科目の成績との関係

吉澤隆志, 鈴木智裕 (八千代リハビリテーション学院)

Keywords:入試形態, 面接点, 定期試験成績

【はじめに,目的】

近年,入試形態は多様化してきている。具体的には,Admissions Office入試(以下,AO入試),高校推薦入試(以下,高校入試),社会人入試,一般入試などが実施される。進級や国家試験合格を鑑みた際に,定期試験成績(以下,成績)は非常に重要である。また,成績不良になる可能性がある学生が分かっていれば早期に対策を実施することができる。しかし,複数の入試形態と成績との関係を調べた研究は散見する程度である。同様に,面接点と成績との関係について十分に検討されているとは考えにくい状況がある。

我々は,第50回日本理学療法学術大会にて,入試形態および面接点と成績との関係について報告した。その際,参照した成績は基礎科目(7科目:心理学,物理学など)と専門基礎科目(13科目:解剖学,運動学など)の混合であった。しかし,基礎科目は入学前の知識が影響する可能性があり,入学後の学習結果として参照するには不備があった。よって,本研究の目的は,入試形態および面接点と専門基礎科目の成績との関係を調べることである。


【方法】

対象は,某A専門学校理学療法学科学生97名(平均年齢22.4±6.5歳)とした。入試形態の分類としては,AO入試(26名),高校入試(35名),社会人入試(14名),一般入試(22名)とした。高校入試は高校3年生のみが受験可能,社会人入試は社会人のみが受験可能。AO入試と一般入試は,どの年代でも受験可能である。面接は,全ての入試形態で3名の試験官により実施された。主に情意領域に関する10項目(外見,態度など)について5段階(5:非常に良い,1:非常に悪い)で評価し合計点を算出した(満点150点)。成績は履修すべき全ての専門基礎科目(20科目)を参照し,Grade Point Average(以下,GPA)を算出した。

統計解析として,入試形態と成績との関係を一元配置の分散分析後に多重検定(Tukey-Kramer法)にて調べた。また,面接点と成績との関係を単回帰分析にて調べた。解析には,SPSS Statistics V22.0を使用し,有意水準は5%とした。


【結果】

対象全体の面接点は,105.2±12.7点であった。また,入試形態ごとのGPAは,AO入試2.2±0.8,高校入試2.0±0.5,社会人入試2.2±0.7,一般入試2.3±0.8であった。

いずれの入試形態と成績との関係についても,有意差は見られなかった。面接点と成績との関係としては,面接点が高いほど成績も有意に高かった(p<0.05)。


【結論】

面接は主に情意面を評価するため,面接点が高い受験生は情意面で優れていると考えられる。情意面で優れた学生は,勤勉性や計画性に秀でており成績についても良好な結果を残すとの報告がある。勉学に真面目に励む学生ほど,専門基礎科目での成績に結果を残せていると考える。

教員としては,面接点が低かった学生に対し早期より授業を理解できているかを把握し,個別指導や課題を課すなどの取り組みを行っていくことが重要であると考える。