[P-ED-11-6] 遠隔地の既卒者に対するメールなどを利用した国家試験対策について
Keywords:既卒者, 国家試験対策, メール
【はじめに,目的】
学校から遠隔地であることと勤務の都合上来校して対策講座を受講することが難しかった卒業生に対して,メールなどを利用した国家試験対策を試みた。今回の内容を再検討するとともに今後来校が難しい既卒者への対応をより良いものにしていくことが本発表の目的である。
【方法】
対象は本校を卒業し,国家試験に不合格となった1名である。遠隔地であることと勤務都合上来校して国家試験対策講座の受講が難しいという返事であった。10月に面談を行った結果,問題をメールで送り,分からない問題を解説することになった。問題は過去の国家試験問題の出題形式・出題傾向を参考に教員が改変したものとX2問題の比率を高くしたものとした。既卒者が解答後正解を返信し,質問事項に対する解説はメールと電話を併用した。また,模擬試験についてはメールにてフィードバックを行った。送付は1回あたり200問で,国家試験直前1か月では数回に分け,計1200問を送った。
国家試験後に電話による聞き取り調査を行った。内容は,①送付した問題は全問解いたか,②一度に送った問題数は少ない方が良かったか,③国家試験1か月前に集中して問題を送ったことは良かったか,④モチベーションの維持は図れたか,⑤教員の助言は役立ったか,の5点である。
【結果】
11月中旬までは,学生からの応答はなかった。10月~1月の模擬試験結果は120/280点台前半で伸び悩んでいた。1月の面談で,「できるだけ多くの解答付き問題が欲しい」という要望があったため,国家試験1か月前からは6回に分けて計1200問を送った。対象者から問題に関連した質問が数回あった。2月上・中旬に行った模擬試験は150/280点台後半で国家試験は合格した。
聞き取り調査の結果は,①問題は全問解いた。②200問の問題送付は良かった。本番と同じように行えることと解答の時間配分を考えるためにも有効だった。③国家試験1か月前に問題をもらった方が追い込まれて集中できた。④モチベーションの維持には関係がなかった。⑤問題に関連した書物の案内や助言は役立った。
【結論】
既卒者に対する当校の国家試験対策は,過去の国家試験問題の出題形式・出題傾向を参考に教員が改変した問題やX2問題の比率を高くしたものを中心に個別指導を月2回ペースで実施している。しかし,卒業後遠隔地で生活する対象者には,十分な対応ができていなかった。今回,メールを使用して学習支援を行った。国家試験直前1か月間に多くの問題を解くことができたのは,実践形式で時間を計って行うなど危機感をもって集中して行ったことや学習効率が高まったためと考える。メールは双方向性であるが,学習の進展具合は学習者の自主的な学習活動が主体になるため,一方向性の指導になる危険がある。今回の事例も初期の段階から積極的に対応する必要があった。
学校から遠隔地であることと勤務の都合上来校して対策講座を受講することが難しかった卒業生に対して,メールなどを利用した国家試験対策を試みた。今回の内容を再検討するとともに今後来校が難しい既卒者への対応をより良いものにしていくことが本発表の目的である。
【方法】
対象は本校を卒業し,国家試験に不合格となった1名である。遠隔地であることと勤務都合上来校して国家試験対策講座の受講が難しいという返事であった。10月に面談を行った結果,問題をメールで送り,分からない問題を解説することになった。問題は過去の国家試験問題の出題形式・出題傾向を参考に教員が改変したものとX2問題の比率を高くしたものとした。既卒者が解答後正解を返信し,質問事項に対する解説はメールと電話を併用した。また,模擬試験についてはメールにてフィードバックを行った。送付は1回あたり200問で,国家試験直前1か月では数回に分け,計1200問を送った。
国家試験後に電話による聞き取り調査を行った。内容は,①送付した問題は全問解いたか,②一度に送った問題数は少ない方が良かったか,③国家試験1か月前に集中して問題を送ったことは良かったか,④モチベーションの維持は図れたか,⑤教員の助言は役立ったか,の5点である。
【結果】
11月中旬までは,学生からの応答はなかった。10月~1月の模擬試験結果は120/280点台前半で伸び悩んでいた。1月の面談で,「できるだけ多くの解答付き問題が欲しい」という要望があったため,国家試験1か月前からは6回に分けて計1200問を送った。対象者から問題に関連した質問が数回あった。2月上・中旬に行った模擬試験は150/280点台後半で国家試験は合格した。
聞き取り調査の結果は,①問題は全問解いた。②200問の問題送付は良かった。本番と同じように行えることと解答の時間配分を考えるためにも有効だった。③国家試験1か月前に問題をもらった方が追い込まれて集中できた。④モチベーションの維持には関係がなかった。⑤問題に関連した書物の案内や助言は役立った。
【結論】
既卒者に対する当校の国家試験対策は,過去の国家試験問題の出題形式・出題傾向を参考に教員が改変した問題やX2問題の比率を高くしたものを中心に個別指導を月2回ペースで実施している。しかし,卒業後遠隔地で生活する対象者には,十分な対応ができていなかった。今回,メールを使用して学習支援を行った。国家試験直前1か月間に多くの問題を解くことができたのは,実践形式で時間を計って行うなど危機感をもって集中して行ったことや学習効率が高まったためと考える。メールは双方向性であるが,学習の進展具合は学習者の自主的な学習活動が主体になるため,一方向性の指導になる危険がある。今回の事例も初期の段階から積極的に対応する必要があった。