[P-KS-34-1] TNFα遺伝子多型と体組成,筋力の比較
キーワード:TNFα遺伝子多型, GG型, サルコペニア
【はじめに,目的】
TNFα遺伝子多型はAA,AG,GG型が存在し,先行研究でGG型が成人女性においてサルコペニアに影響することが示唆されている。しかし,これらの遺伝子多型の報告は,主に欧米の女性や高齢者を対象としており,日本人で男性や若年者を対象とした研究は少ない。そこで本研究では,日本人における男女の若年者を対象とし,サルコペニアに関与あるとされている遺伝子多型と筋肉量や筋力,骨量との関連性を明らかにすることとした。
【方法】
対象は整形外科疾患を有しない本学男子学生20名,女子学生20名とした。BMI,筋肉量,推定骨量測定は体重体組成計(TANITA社製)を用い測定した。握力は,握力計を用い1分間以上の間隔をあけ左右各2回ずつ測定し,最高値をデータとして用いた。膝関節伸展筋力はHand-Held-Dynamometer,固定用ベッド及びベルトを用いて左右の脚に対して30秒以上の間隔をあけて2回ずつ行い,最高値をデータとして用いた。
遺伝子解析では,口腔スワブを用いて口腔粘膜から遺伝子を抽出し,PCR法後に制限酵素による配列特異的切断により解析した。サンプル数は男性のTNFα遺伝子多型のAA型は12名,AG型が2名,GG型が6名であった。女性のTNFα遺伝子多型のAA型は14名,AG型が1名,GG型が5名であった。
統計処理には各遺伝子間でのBMI,筋肉量,推定骨量,握力,膝関節伸展筋力の値をスチューデントまたはウェルチのt検定,マンホイットニ検定を使用した。有意水準は5%未満とした。
【結果】
男性群におけるAA,AG群とGG群の2群間の比較を行いBMI,筋肉量,推定骨量,握力,膝関節伸展筋力の値の平均値においてGG群が有意に低値を示した。
AA,AG群ではBMI22.8±2.6kg/m2,筋肉量53.2±5.5kg,推定骨量2.91±0.3kg,握力46.8±6.33Kg,膝伸展筋力421±86.8Nであった。
GG群ではBMI20.0±2.6kg/m2,筋肉量45.6±4.4kg,推定骨量2.52±0.2kg,握力39.2±6.0Kg,膝伸展筋力321±63.7Nであった。また,女性においては全項目で有意差を認めなかった。
【結論】
本研究で男性において有意差を認め,TNFα遺伝子多型が男性においてもサルコペニアに影響する可能性が示唆された。
今回,女性で有意差が見られなかった要因として,女性のGG型のサンプル数が男性より少なかったためであると考える。そのためサンプル数を増やすことで先行研究と同様に有意差が認められると考える。
今後,サルコペニアになる可能性が高いと推測される対象者が実際にサルコペニアの症状をきたすか追跡調査を行っていく必要がある。また同時に,運動習慣や栄養摂取の状況も検証していくことで,効果的な運動指導法や栄養指導法の開発,サルコペニアの発生機序の解明に繋がると考える。それによりサルコペニアの発生を予防,また遅らせることができると示唆される。
TNFα遺伝子多型はAA,AG,GG型が存在し,先行研究でGG型が成人女性においてサルコペニアに影響することが示唆されている。しかし,これらの遺伝子多型の報告は,主に欧米の女性や高齢者を対象としており,日本人で男性や若年者を対象とした研究は少ない。そこで本研究では,日本人における男女の若年者を対象とし,サルコペニアに関与あるとされている遺伝子多型と筋肉量や筋力,骨量との関連性を明らかにすることとした。
【方法】
対象は整形外科疾患を有しない本学男子学生20名,女子学生20名とした。BMI,筋肉量,推定骨量測定は体重体組成計(TANITA社製)を用い測定した。握力は,握力計を用い1分間以上の間隔をあけ左右各2回ずつ測定し,最高値をデータとして用いた。膝関節伸展筋力はHand-Held-Dynamometer,固定用ベッド及びベルトを用いて左右の脚に対して30秒以上の間隔をあけて2回ずつ行い,最高値をデータとして用いた。
遺伝子解析では,口腔スワブを用いて口腔粘膜から遺伝子を抽出し,PCR法後に制限酵素による配列特異的切断により解析した。サンプル数は男性のTNFα遺伝子多型のAA型は12名,AG型が2名,GG型が6名であった。女性のTNFα遺伝子多型のAA型は14名,AG型が1名,GG型が5名であった。
統計処理には各遺伝子間でのBMI,筋肉量,推定骨量,握力,膝関節伸展筋力の値をスチューデントまたはウェルチのt検定,マンホイットニ検定を使用した。有意水準は5%未満とした。
【結果】
男性群におけるAA,AG群とGG群の2群間の比較を行いBMI,筋肉量,推定骨量,握力,膝関節伸展筋力の値の平均値においてGG群が有意に低値を示した。
AA,AG群ではBMI22.8±2.6kg/m2,筋肉量53.2±5.5kg,推定骨量2.91±0.3kg,握力46.8±6.33Kg,膝伸展筋力421±86.8Nであった。
GG群ではBMI20.0±2.6kg/m2,筋肉量45.6±4.4kg,推定骨量2.52±0.2kg,握力39.2±6.0Kg,膝伸展筋力321±63.7Nであった。また,女性においては全項目で有意差を認めなかった。
【結論】
本研究で男性において有意差を認め,TNFα遺伝子多型が男性においてもサルコペニアに影響する可能性が示唆された。
今回,女性で有意差が見られなかった要因として,女性のGG型のサンプル数が男性より少なかったためであると考える。そのためサンプル数を増やすことで先行研究と同様に有意差が認められると考える。
今後,サルコペニアになる可能性が高いと推測される対象者が実際にサルコペニアの症状をきたすか追跡調査を行っていく必要がある。また同時に,運動習慣や栄養摂取の状況も検証していくことで,効果的な運動指導法や栄養指導法の開発,サルコペニアの発生機序の解明に繋がると考える。それによりサルコペニアの発生を予防,また遅らせることができると示唆される。