[P-KS-40-6] 虚弱高齢者における反重力トレッドミルトレーニングの即時効果について
Keywords:虚弱高齢者, 免荷歩行, 歩幅
【目的】
虚弱高齢者が,反重力トレッドミルでの免荷歩行をおこなうことで,歩行パターンがどのように変化するのか,また,即時効果として歩行パターンの変化が,運動学習により平地歩行に汎化するかを明らかにすることである。
【方法】
対象は,通所リハビリテーション利用者26名(平均年齢76.2±8.1歳)とした。プロトコルは,Anti-Gravity TreadmillⓇ(以下ALTER-G)を使用し,免荷量を20%に設定した。歩行速度は,主観的運動強度(Borg scale)を用いて,中等度11(楽である)~13(ややきつい)の強度で設定し,一定速度で歩行させた。歩行時間は5分から最大10分施行した。
介入前後の平地歩行とALTER-G歩行の歩行速度,体幹加速度から歩行パラメーター(1歩行周期,歩幅,歩行率),歩行の動揺性評価として最大振幅値を計測した。また,介入前後の主観的な「歩きにくさ」・下肢の「重だるさ」の程度をVisual Analogue Scaleで評価し,バランス評価としてTUG(Timed Up & Go Test)を測定した。
統計処理は,歩行パラメーターと最大振幅値の比較をFriedman検定後,多重比較にてBonferroni法を用いた。「歩きにくさ」・「重だるさ」とTUGの比較は,ウィルコクソン符号順位検定にて行った。統計解析にはSPSS ver.21.0を用い有意水準は5%とした。
【結果】
ALTER-Gの歩行時間は,平均7.5±2.2分施行した。
介入前の平地歩行とALTER-G歩行の比較では,歩行速度(1.13→0.85m/sec),歩行率(122→99steps/min)は有意に減少(p<0.01)し,1歩行周期(1.00→1.26sec)は有意に増加した(p<0.01)。歩幅(0.55→0.52m)に有意差はみられず,最大振幅値の側方と垂直方向は有意に減少した(p<0.01)。
介入前後の平地歩行の比較では,歩行速度(1.13→1.24m/sec),歩幅(0.55→0.59m)は有意に増加(p<0.05)し,歩行率(122→125steps/min)と1歩行周期(1.00→0.97sec)に有意差はみられなかった。最大振幅値は,前後方向のみ有意に増加した(p<0.01)。「歩きにくさ」や「重だるさ」とTUG(10.7→9.4 sec)は,有意に減少した(p<0.01)。
ALTER-G歩行と介入後の平地歩行との比較では,全ての項目で有意差がみられた。
【結論】
ALTER-G歩行は,介入前の平地歩行と比較し遅い速度設定とはなったが,歩幅には有意差がみられず,歩行率が有意に低下した。このことから相対的に歩幅を拡大した歩行パターンに変化したことが示唆された。
ALTER-Gトレーニングの即時効果は,歩行速度の増加がみられ,その要因は歩幅の拡大によることが示唆された。また,歩行速度が増加しても歩行の安定性は維持できており,TUGの時間短縮や主観的な「歩きにくさ」・「重だるさ」の改善効果もみられた。
今回の結果から,虚弱高齢者におけるALTER-Gトレーニングは,歩幅が拡大した歩行パターンに変化し,平地歩行に汎化したことで,歩行能力やバランス能力改善の即時効果がみられたと考える。
虚弱高齢者が,反重力トレッドミルでの免荷歩行をおこなうことで,歩行パターンがどのように変化するのか,また,即時効果として歩行パターンの変化が,運動学習により平地歩行に汎化するかを明らかにすることである。
【方法】
対象は,通所リハビリテーション利用者26名(平均年齢76.2±8.1歳)とした。プロトコルは,Anti-Gravity TreadmillⓇ(以下ALTER-G)を使用し,免荷量を20%に設定した。歩行速度は,主観的運動強度(Borg scale)を用いて,中等度11(楽である)~13(ややきつい)の強度で設定し,一定速度で歩行させた。歩行時間は5分から最大10分施行した。
介入前後の平地歩行とALTER-G歩行の歩行速度,体幹加速度から歩行パラメーター(1歩行周期,歩幅,歩行率),歩行の動揺性評価として最大振幅値を計測した。また,介入前後の主観的な「歩きにくさ」・下肢の「重だるさ」の程度をVisual Analogue Scaleで評価し,バランス評価としてTUG(Timed Up & Go Test)を測定した。
統計処理は,歩行パラメーターと最大振幅値の比較をFriedman検定後,多重比較にてBonferroni法を用いた。「歩きにくさ」・「重だるさ」とTUGの比較は,ウィルコクソン符号順位検定にて行った。統計解析にはSPSS ver.21.0を用い有意水準は5%とした。
【結果】
ALTER-Gの歩行時間は,平均7.5±2.2分施行した。
介入前の平地歩行とALTER-G歩行の比較では,歩行速度(1.13→0.85m/sec),歩行率(122→99steps/min)は有意に減少(p<0.01)し,1歩行周期(1.00→1.26sec)は有意に増加した(p<0.01)。歩幅(0.55→0.52m)に有意差はみられず,最大振幅値の側方と垂直方向は有意に減少した(p<0.01)。
介入前後の平地歩行の比較では,歩行速度(1.13→1.24m/sec),歩幅(0.55→0.59m)は有意に増加(p<0.05)し,歩行率(122→125steps/min)と1歩行周期(1.00→0.97sec)に有意差はみられなかった。最大振幅値は,前後方向のみ有意に増加した(p<0.01)。「歩きにくさ」や「重だるさ」とTUG(10.7→9.4 sec)は,有意に減少した(p<0.01)。
ALTER-G歩行と介入後の平地歩行との比較では,全ての項目で有意差がみられた。
【結論】
ALTER-G歩行は,介入前の平地歩行と比較し遅い速度設定とはなったが,歩幅には有意差がみられず,歩行率が有意に低下した。このことから相対的に歩幅を拡大した歩行パターンに変化したことが示唆された。
ALTER-Gトレーニングの即時効果は,歩行速度の増加がみられ,その要因は歩幅の拡大によることが示唆された。また,歩行速度が増加しても歩行の安定性は維持できており,TUGの時間短縮や主観的な「歩きにくさ」・「重だるさ」の改善効果もみられた。
今回の結果から,虚弱高齢者におけるALTER-Gトレーニングは,歩幅が拡大した歩行パターンに変化し,平地歩行に汎化したことで,歩行能力やバランス能力改善の即時効果がみられたと考える。