[P-MT-11-3] 結節間溝の形態と肩外旋角・上腕骨後捻角の関係性に関する基礎的研究
キーワード:肩過外旋, 結節間溝, 後捻角
【はじめに,目的】
本研究の目的は投球肩の一特徴である過外旋に注目し,これに関わる一要因と考えられる結節間溝の幅・深さの関係性を調査することである。
【方法】
対象は本学在籍中の男子野球経験者17名(平均身長171±4.98cm,平均体重63.7±6.77kg,野球歴8±2.73年)とした。
評価指標は1)肩関節2nd肢位での肩関節他動最大外旋角(以下外旋角),2)後捻角,3)結節間溝部の幅・深さとした。1)は他動にて最大外旋位を保持し。日整会関節可動域測定法に準じ関節角度計を用いた計測を行った。2)は川村の方法に準じた。計測機器は超音波画像診断装置(TOSHIBA製Xario)を用いた。3)は2)と同様,大・小結節を導出し,その両頂点を結ぶ線長を幅,その線から結節間溝最低部までの垂線の長さを深さと定義した。
本研究では実験1にて,超音波画像診断装置の信頼性の検証を行い,実験2では1-3)で計測した4つの評価指標の各分析を行った。実験1では3名の検者を用い検者内・間信頼性の検証を級内相関係数にて分析を行い。実験2では外旋角,後捻角,結節間溝の幅・深さの左右差の検証を対応のあるt検定にて分析を行った,そして,外旋角を従属変数,後捻角,結節間溝の幅・深さ,競技年数を独立変数としたロジスティック重回帰分析を行った。なお,統計学的有意水準は5%未満とした。
【結果】
実験1における検者内信頼性の級内相関係数は幅0.90,深さ0.81,検者間信頼性の級内相関係数は幅0.92,深さ0.75であり,信頼性が高い方法であることを確認した。また,実験2における左右差の確認では結節間溝の幅(p=0.492)と深さ(p=0.133)に左右差がなかったものの,外旋角,後捻角では(p<0.01),左右差があった。この結果を踏まえ,ロジスティック重回帰分析を行った結果,結節間溝の深さのみに中等度の有意な負の相関を認めた(r=-0.64,p<0.01)。つまり外旋角は結節間溝の深さの関与が高いことを示唆した。
【結論】
本研究の結果では,投球肩によく見られる肩関節の過外旋の原因は意見が散見する上腕骨後捻角よりも結節間溝の深さの関与が高い可能性を示唆した。
本研究の目的は投球肩の一特徴である過外旋に注目し,これに関わる一要因と考えられる結節間溝の幅・深さの関係性を調査することである。
【方法】
対象は本学在籍中の男子野球経験者17名(平均身長171±4.98cm,平均体重63.7±6.77kg,野球歴8±2.73年)とした。
評価指標は1)肩関節2nd肢位での肩関節他動最大外旋角(以下外旋角),2)後捻角,3)結節間溝部の幅・深さとした。1)は他動にて最大外旋位を保持し。日整会関節可動域測定法に準じ関節角度計を用いた計測を行った。2)は川村の方法に準じた。計測機器は超音波画像診断装置(TOSHIBA製Xario)を用いた。3)は2)と同様,大・小結節を導出し,その両頂点を結ぶ線長を幅,その線から結節間溝最低部までの垂線の長さを深さと定義した。
本研究では実験1にて,超音波画像診断装置の信頼性の検証を行い,実験2では1-3)で計測した4つの評価指標の各分析を行った。実験1では3名の検者を用い検者内・間信頼性の検証を級内相関係数にて分析を行い。実験2では外旋角,後捻角,結節間溝の幅・深さの左右差の検証を対応のあるt検定にて分析を行った,そして,外旋角を従属変数,後捻角,結節間溝の幅・深さ,競技年数を独立変数としたロジスティック重回帰分析を行った。なお,統計学的有意水準は5%未満とした。
【結果】
実験1における検者内信頼性の級内相関係数は幅0.90,深さ0.81,検者間信頼性の級内相関係数は幅0.92,深さ0.75であり,信頼性が高い方法であることを確認した。また,実験2における左右差の確認では結節間溝の幅(p=0.492)と深さ(p=0.133)に左右差がなかったものの,外旋角,後捻角では(p<0.01),左右差があった。この結果を踏まえ,ロジスティック重回帰分析を行った結果,結節間溝の深さのみに中等度の有意な負の相関を認めた(r=-0.64,p<0.01)。つまり外旋角は結節間溝の深さの関与が高いことを示唆した。
【結論】
本研究の結果では,投球肩によく見られる肩関節の過外旋の原因は意見が散見する上腕骨後捻角よりも結節間溝の深さの関与が高い可能性を示唆した。