[P-MT-12-1] 健常者および足関節捻挫既往者の足趾把持筋力とバランス能力の比較検討
キーワード:足関節内反捻挫, 足趾把持筋力, バランス能力
【はじめに,目的】足趾把持筋力は動的姿勢制御に関与していることが報告されている(加辺ら,2002)。また地域在住高齢者を対象とした報告では足趾把持力は静的バランスに強く影響される要因とされている(新井ら,2015)。一方,足関節捻挫既往者における足趾把持筋力やバランス能力については報告がない。本研究では健常者と足関節捻挫既往者の足趾把持力およびバランス能力について比較検討することを目的とした。
【方法】対象は若年男性61名(平均年齢21.1±0.1,BMI22.1±2.5)の100足とした。対象者には,問診および整形外科的テストを行い,健常若年男性10名(平均年齢21.1±0.3,BMI21.8±2.4)の20足をコントロール群,足関節捻挫既往複数回の若年男性24名(平均年齢21.3±1.1,BMI22.2±2.5)の30足を足関節捻挫既往群として抽出した。評価項目は整形外科的テスト,レッグヒールアライメント,足趾把持筋力,下腿筋力,重心動揺計,加速度計(10m歩行)の測定を行った。整形外科的テストは,足関節の前方引き出しテストおよび内反ストレステストを行い靭帯損傷の有無を判別した。足趾把持筋力は,T.K.K3000(竹井機器)を用いて測定し,その最大値を体重で除し代表値とした。下肢筋力測定はM-tas(アニマ株式会社製ハンドルダイナモメーター)を用いて足関節底背屈,内外反の筋力を測定した。重心動揺計(アニマ社製)は,閉眼片脚立位にて測定した。加速度計(マイクロストーン社製)での10m歩行の測定は3m助走路を設け,定常歩行を教示し,10m歩行中の立脚期での上下・左右・前後方向へのRMSを計測した。統計学的分析は,SPSS(IBM SPSS Statistics 21)を使用した。統計方法には独立二群の差の検定を用いて比較検討した。なお,有意水準を5%未満とした。
【結果】足趾把持筋力では,コントロール群と比較し足関節捻挫既往群が有意に増加した。一方,閉眼片脚立位時の総軌跡長等の静的バランスに関する評価値については2群間の有意差を認めなかった。また,歩行中の上下・左右・前後方向における動揺など動的バランスに関する項目についても2群間の有意差を認めなかった。さらに,足部アライメントや下腿の筋力においても2群間の有意差を認めなかった。
【結論】足関節捻挫複数群は足趾把持筋力をコントロール群よりも強く発揮することで静的・動的姿勢制御を行っている可能性が示唆された。今後は,股関節周囲筋の筋力や歩行時の代償運動なども検討する必要性がある。
【方法】対象は若年男性61名(平均年齢21.1±0.1,BMI22.1±2.5)の100足とした。対象者には,問診および整形外科的テストを行い,健常若年男性10名(平均年齢21.1±0.3,BMI21.8±2.4)の20足をコントロール群,足関節捻挫既往複数回の若年男性24名(平均年齢21.3±1.1,BMI22.2±2.5)の30足を足関節捻挫既往群として抽出した。評価項目は整形外科的テスト,レッグヒールアライメント,足趾把持筋力,下腿筋力,重心動揺計,加速度計(10m歩行)の測定を行った。整形外科的テストは,足関節の前方引き出しテストおよび内反ストレステストを行い靭帯損傷の有無を判別した。足趾把持筋力は,T.K.K3000(竹井機器)を用いて測定し,その最大値を体重で除し代表値とした。下肢筋力測定はM-tas(アニマ株式会社製ハンドルダイナモメーター)を用いて足関節底背屈,内外反の筋力を測定した。重心動揺計(アニマ社製)は,閉眼片脚立位にて測定した。加速度計(マイクロストーン社製)での10m歩行の測定は3m助走路を設け,定常歩行を教示し,10m歩行中の立脚期での上下・左右・前後方向へのRMSを計測した。統計学的分析は,SPSS(IBM SPSS Statistics 21)を使用した。統計方法には独立二群の差の検定を用いて比較検討した。なお,有意水準を5%未満とした。
【結果】足趾把持筋力では,コントロール群と比較し足関節捻挫既往群が有意に増加した。一方,閉眼片脚立位時の総軌跡長等の静的バランスに関する評価値については2群間の有意差を認めなかった。また,歩行中の上下・左右・前後方向における動揺など動的バランスに関する項目についても2群間の有意差を認めなかった。さらに,足部アライメントや下腿の筋力においても2群間の有意差を認めなかった。
【結論】足関節捻挫複数群は足趾把持筋力をコントロール群よりも強く発揮することで静的・動的姿勢制御を行っている可能性が示唆された。今後は,股関節周囲筋の筋力や歩行時の代償運動なども検討する必要性がある。