[P-MT-12-6] 要支援1・2認定者と若年者の足部構造の変化と動的立位バランスの比較
Keywords:足部構造, 立位バランス, 支持面積比
【はじめに,目的】介護事業で評価する立位歩行バランスは,片脚立位,Timed up and go test,Functional reach testが主である。理学療法評価では下肢のアライメント評価も疼痛管理として股・膝関節にとどまることが多く足部構造と動的立位バランスの評価は多く行われていないのが現状である。本研究の目的は,要支援1・2認定者と若年者間において足部構造と機能変化および動的立位バランスにどのような違いがあるか比較検討することである。
【方法】対象は,要支援1・2群,13名(男性5名,女性8名,年齢80.4±7.6歳,身長157.2±8.7,体重55.5±10.5)中枢性疾患を有しないものと健常な若年者(以下,若年者)13名(男性4名,女性9名,平均年齢30.2±3.9歳,身長165.8±7.5,体重59.8±8.4)の2群間の足部構造と動的立位バランスの関係を比較した。評価項目は1)アーチ高比,2)母趾アライメント(以下HVA),3)Navicular drop test(以下NDT),4)立位支持面積比(時計回り,反時計回り)を計測し2群間で比較した。アーチ高比は床面から舟状骨上端を結んだ垂線を足長で割った値を使用,立位支持面積比は足圧計測器フットバランス(インターリハ社製)を使用した。立位支持面積比について被験者は,股関節位置に合わせ一定足位にて直立姿勢を崩さず足下から逆円錐状に身体をできる限り大きく回して足圧中心軌跡を記録した。測定データから2群の評価項目の値を算出し比較検討した。統計学的解析は対応のないt検定を利用,有意水準は5%未満とした。
【結果】1)アーチ高比は,要支援1・2群は右側0.23±0.03,左側0.22±0.03,若年者群は右側0.23±0.02左側0.23±0.01で有意差はなかった。2)HVAは,要支援1・2群は右母趾16.15±5.31°,左母趾20.54±13.97°,若年者群は右母趾7.77±5.31°,左母趾6.92±4.18°で要支援1・2群のHVAが大きく有意差が認められた(p<0.05)。3)NDTは,要支援1・2群は右側6.85±2.96mm,左側7.77±3.01mm,若年者群は右側4.15±1.46mm,左側4.54±1.8mmで有意差が認められ(p<0.05),要支援1・2群の舟状骨落下距離が大きかった。4)立位支持面積比は,要支援1・2群は0.29±0.07,若年者群は0.4±0.05で有意差が認められ(p<0.05),若年者群の重心移動面積が大きかった。
【結論】2群間のアーチ高比に差がなくNDTに有意な差が出た理由として要支援1・2群は,舟状骨高位の変化だけでなく外反母趾とともに何らか足長に影響する足部変形の可能性を示唆した。立位支持面積比は要支援1・2群が小さかったが,支持基底面内の外側への足圧中心移動のためには足部剛性の高さが必要であり要支援1・2群のNDTが大きいように足部剛性の低下と高齢者の転倒に関して足部剛性の強化の必要性が考えられた。
【方法】対象は,要支援1・2群,13名(男性5名,女性8名,年齢80.4±7.6歳,身長157.2±8.7,体重55.5±10.5)中枢性疾患を有しないものと健常な若年者(以下,若年者)13名(男性4名,女性9名,平均年齢30.2±3.9歳,身長165.8±7.5,体重59.8±8.4)の2群間の足部構造と動的立位バランスの関係を比較した。評価項目は1)アーチ高比,2)母趾アライメント(以下HVA),3)Navicular drop test(以下NDT),4)立位支持面積比(時計回り,反時計回り)を計測し2群間で比較した。アーチ高比は床面から舟状骨上端を結んだ垂線を足長で割った値を使用,立位支持面積比は足圧計測器フットバランス(インターリハ社製)を使用した。立位支持面積比について被験者は,股関節位置に合わせ一定足位にて直立姿勢を崩さず足下から逆円錐状に身体をできる限り大きく回して足圧中心軌跡を記録した。測定データから2群の評価項目の値を算出し比較検討した。統計学的解析は対応のないt検定を利用,有意水準は5%未満とした。
【結果】1)アーチ高比は,要支援1・2群は右側0.23±0.03,左側0.22±0.03,若年者群は右側0.23±0.02左側0.23±0.01で有意差はなかった。2)HVAは,要支援1・2群は右母趾16.15±5.31°,左母趾20.54±13.97°,若年者群は右母趾7.77±5.31°,左母趾6.92±4.18°で要支援1・2群のHVAが大きく有意差が認められた(p<0.05)。3)NDTは,要支援1・2群は右側6.85±2.96mm,左側7.77±3.01mm,若年者群は右側4.15±1.46mm,左側4.54±1.8mmで有意差が認められ(p<0.05),要支援1・2群の舟状骨落下距離が大きかった。4)立位支持面積比は,要支援1・2群は0.29±0.07,若年者群は0.4±0.05で有意差が認められ(p<0.05),若年者群の重心移動面積が大きかった。
【結論】2群間のアーチ高比に差がなくNDTに有意な差が出た理由として要支援1・2群は,舟状骨高位の変化だけでなく外反母趾とともに何らか足長に影響する足部変形の可能性を示唆した。立位支持面積比は要支援1・2群が小さかったが,支持基底面内の外側への足圧中心移動のためには足部剛性の高さが必要であり要支援1・2群のNDTが大きいように足部剛性の低下と高齢者の転倒に関して足部剛性の強化の必要性が考えられた。