[P-MT-25-1] 変形性股関節症患者の主観的健康感に影響を及ぼす因子の検討
キーワード:変形性股関節症, 主観的健康感, 身体活動量
【はじめに,目的】
変形性股関節症(股OA)は,健康状態に影響する疼痛や機能障害が生じる。近年,生活満足度や幸福感に関連する主観的健康感が注目されており,股OA患者においても主観的健康感を維持・向上させることは極めて重要であると考えられる。主観的健康感への関連因子としては運動機能や身体活動量などが報告されているが,股OA患者の主観的健康感を規定する要因を検討した報告はない。したがって,本研究では股OA患者の主観的健康感に影響を及ぼす因子を検討することを目的とした。
【方法】
対象は股OAを原疾患として当院へ外来通院中である患者41名(年齢67.9±7.8歳,Body mass index 23.8±4.0kg/m2,男性9名,女性32名,患側gradeIV/III/II;24/10/1名,健側gradeIII/II/I;7/12/16名,両側罹患例;6名)とした。主観的健康感は1~4の4段階(1;健康でない~4;とても健康である)で評価し,数値が高いほど主観的健康感が高くなるよう設定した。運動機能評価として疼痛,膝関節伸展筋力,歩行速度およびHarris Hip Scoreの計測を行い,身体活動量の評価にはLife Space Assessment(LSA)を用いた。単変量解析として,Pearsonの相関係数およびSpearmanの順位相関係数を用い主観的健康感と他の項目の相関関係を検討した。次に多変量解析として主観的健康感を従属変数とし,単変量解析の結果,主観的健康感と有意な相関関係を認めた項目を独立変数に投入したステップワイズ重回帰分析を行った。いずれの検定も有意水準を5%とした。
【結果】
単変量解析の結果,主観的健康感と歩行速度(r=0.38,p=0.01),LSA(r=0.40,p=0.01)に有意な相関関係を認めた。主観的健康感を従属変数に投入した重回帰分析の結果,有意な関連因子として抽出された因子はLSA(β=0.45)であり,自由度調整済み決定変数は0.183であった。
【結論】
本研究の結果から,股OA患者の主観的健康感にはLSAが最も関連することが明らかとなった。一般高齢者において身体活動量が主観的健康感に影響を与えることが報告されており,股OA患者においても身体活動量を維持することは,機能障害の改善のみならず主観的健康感の向上にも重要であることが示唆された。
変形性股関節症(股OA)は,健康状態に影響する疼痛や機能障害が生じる。近年,生活満足度や幸福感に関連する主観的健康感が注目されており,股OA患者においても主観的健康感を維持・向上させることは極めて重要であると考えられる。主観的健康感への関連因子としては運動機能や身体活動量などが報告されているが,股OA患者の主観的健康感を規定する要因を検討した報告はない。したがって,本研究では股OA患者の主観的健康感に影響を及ぼす因子を検討することを目的とした。
【方法】
対象は股OAを原疾患として当院へ外来通院中である患者41名(年齢67.9±7.8歳,Body mass index 23.8±4.0kg/m2,男性9名,女性32名,患側gradeIV/III/II;24/10/1名,健側gradeIII/II/I;7/12/16名,両側罹患例;6名)とした。主観的健康感は1~4の4段階(1;健康でない~4;とても健康である)で評価し,数値が高いほど主観的健康感が高くなるよう設定した。運動機能評価として疼痛,膝関節伸展筋力,歩行速度およびHarris Hip Scoreの計測を行い,身体活動量の評価にはLife Space Assessment(LSA)を用いた。単変量解析として,Pearsonの相関係数およびSpearmanの順位相関係数を用い主観的健康感と他の項目の相関関係を検討した。次に多変量解析として主観的健康感を従属変数とし,単変量解析の結果,主観的健康感と有意な相関関係を認めた項目を独立変数に投入したステップワイズ重回帰分析を行った。いずれの検定も有意水準を5%とした。
【結果】
単変量解析の結果,主観的健康感と歩行速度(r=0.38,p=0.01),LSA(r=0.40,p=0.01)に有意な相関関係を認めた。主観的健康感を従属変数に投入した重回帰分析の結果,有意な関連因子として抽出された因子はLSA(β=0.45)であり,自由度調整済み決定変数は0.183であった。
【結論】
本研究の結果から,股OA患者の主観的健康感にはLSAが最も関連することが明らかとなった。一般高齢者において身体活動量が主観的健康感に影響を与えることが報告されており,股OA患者においても身体活動量を維持することは,機能障害の改善のみならず主観的健康感の向上にも重要であることが示唆された。