[P-NV-24-2] 急性期皮革出血後患者のCT分類におけるFIMとSIASについて
キーワード:脳内出血, 急性期, CT分類
【はじめに,目的】
高血圧性脳内出血の中で被殻出血は多くを占め,その症状も意識障害から運動機能障害・高次脳機能障害まで臨床症状は多彩であり,急性期理学療法の対象疾患である。脳卒中治療ガイドラインでは,総合評価としてStroke Impairment Assessment Set(以下,SIAS),日常生活動作評価としてFunctional Independence Measure(以下,FIM)が推奨されている。また,Computed Tomography(以下,CT)画像を用いた被殻出血の分類も広く汎用されている。脳内出血後患者において,出血部位ごとに総合評価とその変化を把握することは急性期理学療法を実施する上で重要である。本研究では,急性期被殻出血の出血部位をCT分類し,FIMとSIAS,在院日数を用いて検討し,その特徴を明らかすることで,急性期理学療法を行う上での一助とすることを目的とした。
【方法】
対象は,平成26年6月1日から平成27年5月31日までの1年間で当院に救急入院となった脳内出血223名のうち,高血圧性と診断された150名(被殻出血43名)である。そのうち,理学療法開始時と退院時のFIMとSIASの評価実施が可能であり,かつCTの分類に基づいた被殻出血24名,そのうち,分類Iが3名,分類IIが3名,分類IIIが12名,分類IVが5名,分類Vが1名であった。対象の属性は平均年齢67.5±11.9,男性14名,女性10名であった。独立変数が被殻出血のCTの分類,従属変数が在院日数・理学療法開始時と退院時のFIMとSIASとした。統計解析は,それぞれの分類間でFIMとSIAS,在院日数にx2検定を用いた。統計ソフトはJSTATを使用し,有意水準は5%とした。
【結果】
理学療法開始時のFIMにおいて,分類Iと分類III,IV,V間,分類IIと分類III,IV,V間,分類IIIと分類Vにおいて有意差を認めた(p<0.01)。退院時は分類Iと分類IVと分類V,分類IIと分類III,IV,V間,分類IIIと分類IV,V間では有意差を認めた(p<0.01)。理学療法開始時のSIASでは,分類Iと分類IV,分類IIでは分類IV,分類IIIと分類Vで有意差を認めた(p<0.01)。退院時では,分類Iと分類IV,V間,分類IIIでは分類IV,V間で有意差を認めた(p<0.01)。分類IVと分類Vでは有意差を認めた(p<0.05)。在院日数では分類Iと分類III,IV,V間,分類IIでは分類IV,V間,分類IVと分類Vで有意差を認めた(p<0.01)。
【結論】
急性期被殻出血後患者において,出血部位が内包後脚にまで伸展していると,FIM・SIAS共に重症度が高く,在院日数も長期化することが示唆された。また,出血部位が内包後脚までの伸展では,前後脚両方までの伸展と比較して入院期間中にFIM・SIAS共に改善することが示唆された。本研究の結果,被殻出血後患者においては,出血部位ごとによる急性期理学療法プログラムを立案し実施することが示唆された。
高血圧性脳内出血の中で被殻出血は多くを占め,その症状も意識障害から運動機能障害・高次脳機能障害まで臨床症状は多彩であり,急性期理学療法の対象疾患である。脳卒中治療ガイドラインでは,総合評価としてStroke Impairment Assessment Set(以下,SIAS),日常生活動作評価としてFunctional Independence Measure(以下,FIM)が推奨されている。また,Computed Tomography(以下,CT)画像を用いた被殻出血の分類も広く汎用されている。脳内出血後患者において,出血部位ごとに総合評価とその変化を把握することは急性期理学療法を実施する上で重要である。本研究では,急性期被殻出血の出血部位をCT分類し,FIMとSIAS,在院日数を用いて検討し,その特徴を明らかすることで,急性期理学療法を行う上での一助とすることを目的とした。
【方法】
対象は,平成26年6月1日から平成27年5月31日までの1年間で当院に救急入院となった脳内出血223名のうち,高血圧性と診断された150名(被殻出血43名)である。そのうち,理学療法開始時と退院時のFIMとSIASの評価実施が可能であり,かつCTの分類に基づいた被殻出血24名,そのうち,分類Iが3名,分類IIが3名,分類IIIが12名,分類IVが5名,分類Vが1名であった。対象の属性は平均年齢67.5±11.9,男性14名,女性10名であった。独立変数が被殻出血のCTの分類,従属変数が在院日数・理学療法開始時と退院時のFIMとSIASとした。統計解析は,それぞれの分類間でFIMとSIAS,在院日数にx2検定を用いた。統計ソフトはJSTATを使用し,有意水準は5%とした。
【結果】
理学療法開始時のFIMにおいて,分類Iと分類III,IV,V間,分類IIと分類III,IV,V間,分類IIIと分類Vにおいて有意差を認めた(p<0.01)。退院時は分類Iと分類IVと分類V,分類IIと分類III,IV,V間,分類IIIと分類IV,V間では有意差を認めた(p<0.01)。理学療法開始時のSIASでは,分類Iと分類IV,分類IIでは分類IV,分類IIIと分類Vで有意差を認めた(p<0.01)。退院時では,分類Iと分類IV,V間,分類IIIでは分類IV,V間で有意差を認めた(p<0.01)。分類IVと分類Vでは有意差を認めた(p<0.05)。在院日数では分類Iと分類III,IV,V間,分類IIでは分類IV,V間,分類IVと分類Vで有意差を認めた(p<0.01)。
【結論】
急性期被殻出血後患者において,出血部位が内包後脚にまで伸展していると,FIM・SIAS共に重症度が高く,在院日数も長期化することが示唆された。また,出血部位が内包後脚までの伸展では,前後脚両方までの伸展と比較して入院期間中にFIM・SIAS共に改善することが示唆された。本研究の結果,被殻出血後患者においては,出血部位ごとによる急性期理学療法プログラムを立案し実施することが示唆された。