[P-SK-06-3] 小型活動量計を用いた姿勢判定プログラムの開発
キーワード:Posturevisualizer, 有効性検証, 姿勢判定
【はじめに,目的】
患者の身体活動量や日常生活の様子を知ることは,患者なADLを把握する上で重要の要素となる。問診票を用いた身体活動に関する評価が存在するが,記録漏れや記入ミス,記憶違いなど正確性に欠ける。
当社の開発した活動量計(KSN-200)は3軸加速度計が内蔵されており,活動量の他に活動量計自体の向きを9方向で計測することができる。また,小型で軽量のため(直径約27mm,質量約9g)患者に装着した際の負荷も少ない。
当社ではこの活動量計を用いて人の姿勢を判定するプログラムを作成した。本研究では計測された姿勢判定の妥当性について検討した。
【方法】
開発したプログラムでは,人の取りうる姿勢を体幹・左右大腿・左右下腿の5部位が取る方向の組み合わせによるものと考えた。各部位に活動量計を装着し,そこから得られる活動量計の向きの組み合わせにより装着者がとっている姿勢の判定を行う。
本研究では歩行・立位・長座位(足を延ばして座る),端座位(椅子に座る),伏臥位,仰臥位,側臥位の7姿勢を定義した。ビデオカメラを設置した室内において1時間の間,上記の7姿勢を取りながら過ごした様子を撮影した。撮影した動画内における各姿勢を取った割合を求め,活動量計から判定した姿勢と比較した。
【結果】
動画内における各姿勢の時間は歩行:16.1%,立位:10.7%,端座位:15.3%,長座位:14.2%,仰臥位:13.9%,伏臥位:16.5%,側臥位:13.3%であった。この時,姿勢を変えるために動いている最中の時間は無視できるものとした。
一方,活動量計により判定された各姿勢の時間は歩行:16.1%,立位:11.1%,端座位:15.6%,長座位:0.8%,仰臥位:0%,伏臥位:16.4%,側臥位:13.1%,判定不能:26.9%であった。活動量計による判定で長座位,仰臥位にあたる箇所が判定不能となっている。これは長座位,仰臥位をとった際に下腿が左右に倒れてしまい判定定義から外れてしまったためである。
そこで新たに各姿勢を詳細に定義し再度判定を行ったところ,歩行:16.1%,立位:11.1%,端座位:15.6%,長座位:14.2%,仰臥位:13.1%,伏臥位:16.4%,側臥位:13.1%,判定不能:0.6%となった。
【結論】
活動量計による判定を行った際に簡易的な判定ロジックでは,長座位・仰臥位が判定不能となった。これは人間の姿勢が定型ではなく,ある程度の幅を持って構成されていることを示唆している。しかし,各姿勢に対して複数定義を持たせ姿勢を詳細に定義することで動画から算出したデータと誤差±1%未満と高い一致率を示した。
本研究では予め決められた姿勢を計測したが,今後の課題として,実際の日常生活を計測した上で判定結果の評価,判定定義の精緻化を進める必要があると考える。
患者の身体活動量や日常生活の様子を知ることは,患者なADLを把握する上で重要の要素となる。問診票を用いた身体活動に関する評価が存在するが,記録漏れや記入ミス,記憶違いなど正確性に欠ける。
当社の開発した活動量計(KSN-200)は3軸加速度計が内蔵されており,活動量の他に活動量計自体の向きを9方向で計測することができる。また,小型で軽量のため(直径約27mm,質量約9g)患者に装着した際の負荷も少ない。
当社ではこの活動量計を用いて人の姿勢を判定するプログラムを作成した。本研究では計測された姿勢判定の妥当性について検討した。
【方法】
開発したプログラムでは,人の取りうる姿勢を体幹・左右大腿・左右下腿の5部位が取る方向の組み合わせによるものと考えた。各部位に活動量計を装着し,そこから得られる活動量計の向きの組み合わせにより装着者がとっている姿勢の判定を行う。
本研究では歩行・立位・長座位(足を延ばして座る),端座位(椅子に座る),伏臥位,仰臥位,側臥位の7姿勢を定義した。ビデオカメラを設置した室内において1時間の間,上記の7姿勢を取りながら過ごした様子を撮影した。撮影した動画内における各姿勢を取った割合を求め,活動量計から判定した姿勢と比較した。
【結果】
動画内における各姿勢の時間は歩行:16.1%,立位:10.7%,端座位:15.3%,長座位:14.2%,仰臥位:13.9%,伏臥位:16.5%,側臥位:13.3%であった。この時,姿勢を変えるために動いている最中の時間は無視できるものとした。
一方,活動量計により判定された各姿勢の時間は歩行:16.1%,立位:11.1%,端座位:15.6%,長座位:0.8%,仰臥位:0%,伏臥位:16.4%,側臥位:13.1%,判定不能:26.9%であった。活動量計による判定で長座位,仰臥位にあたる箇所が判定不能となっている。これは長座位,仰臥位をとった際に下腿が左右に倒れてしまい判定定義から外れてしまったためである。
そこで新たに各姿勢を詳細に定義し再度判定を行ったところ,歩行:16.1%,立位:11.1%,端座位:15.6%,長座位:14.2%,仰臥位:13.1%,伏臥位:16.4%,側臥位:13.1%,判定不能:0.6%となった。
【結論】
活動量計による判定を行った際に簡易的な判定ロジックでは,長座位・仰臥位が判定不能となった。これは人間の姿勢が定型ではなく,ある程度の幅を持って構成されていることを示唆している。しかし,各姿勢に対して複数定義を持たせ姿勢を詳細に定義することで動画から算出したデータと誤差±1%未満と高い一致率を示した。
本研究では予め決められた姿勢を計測したが,今後の課題として,実際の日常生活を計測した上で判定結果の評価,判定定義の精緻化を進める必要があると考える。