[P-SP-01-3] ジャンプ着地時にknee in & toe outを呈した際の下腿の動態分析
下腿回旋方向の性差に着目して
Keywords:下腿回旋, 性差, ジャンプ着地
【はじめに,目的】膝前十字靭帯(ACL)損傷は,スポーツ外傷の中でも発生頻度が高い外傷のひとつである。受傷機転としては,主に接触型と非接触型に分類されるが,非接触型による損傷が多いとされ,なかでもジャンプ着地動作時における損傷が多いとされている。受傷肢位については,いわゆるknee in & toe outが多く,その時の関節肢位として,膝関節外反,下腿外旋が多いとされてきた。しかし,下腿回旋方向については,内旋・外旋どちらも述べられており,未だ明らかになっていない。また,着地動作における下腿回旋方向について性差が存在するとの報告がみられるようになってきた。そこで今回,knee in&toe out(膝関節外反)を呈した際の下腿回旋方向の性差について検討することを目的とした。
【方法】対象は,膝関節に既往のない男性8名と女性9名とし,撮影時膝関節に疼痛を有さないことを条件とした。測定課題は片脚着地動作とし,30cm台から前方に片脚で着地するよう指示した。対象の下肢の大腿骨内側上顆,大腿骨外側上顆,脛骨内側顆,脛骨粗面,脛骨外側顆の5点に反射マーカーを貼付し,着地動作を撮影した。撮影は対象の周囲に同期した3台のハイスピードカメラ(フォーアシスト社IEEE1394b KN-HC200C)を設置して行った。撮影されたジャンプ着地動作の動画ファイルをパーソナルコンピューターに保存した。得られた画像に対して,各反射マーカーをプロットし,DKH社製3次元ビデオ解析システムFrame-DIAS IVを用い,DLT法によって各反射マーカーの三次元座標値を得た。得られた座標位置から膝関節外反角度と下腿回旋角度を算出した。基準値として足先接地時の角度を0°とし,そこから膝関節最大屈曲となる相までの角度変化量を算出した。着地後,膝が外反した男性7名(年齢20.9±0.4歳,身長175.0±6.0cm,体重62.3±8.5kg),女性7名(年齢20.9±0.3歳,身長159.4±4.4cm,体重50.3±4.7kg)について下腿回旋角度を分析した。3名(男性1名,女性2名)は一度外反したのちに内反したため今回は分析対象から除外した。
【結果】男性は7名中6名(86%)が下腿外旋し,1名(14%)が下腿内旋した。女性は7名中7名(100%)が下腿内旋した。
【結論】今回の結果から,女性は内旋する傾向が強く,男性は外旋する傾向が強くみられ,knee in&toe outを呈した際の下腿の回旋方向は性別により異なる傾向が存在する可能性が示唆された。女性の方が男性の数倍ACL損傷を生じやすいとされる要因のひとつが,この下腿回旋方向の性差である可能性が考えられる。
【方法】対象は,膝関節に既往のない男性8名と女性9名とし,撮影時膝関節に疼痛を有さないことを条件とした。測定課題は片脚着地動作とし,30cm台から前方に片脚で着地するよう指示した。対象の下肢の大腿骨内側上顆,大腿骨外側上顆,脛骨内側顆,脛骨粗面,脛骨外側顆の5点に反射マーカーを貼付し,着地動作を撮影した。撮影は対象の周囲に同期した3台のハイスピードカメラ(フォーアシスト社IEEE1394b KN-HC200C)を設置して行った。撮影されたジャンプ着地動作の動画ファイルをパーソナルコンピューターに保存した。得られた画像に対して,各反射マーカーをプロットし,DKH社製3次元ビデオ解析システムFrame-DIAS IVを用い,DLT法によって各反射マーカーの三次元座標値を得た。得られた座標位置から膝関節外反角度と下腿回旋角度を算出した。基準値として足先接地時の角度を0°とし,そこから膝関節最大屈曲となる相までの角度変化量を算出した。着地後,膝が外反した男性7名(年齢20.9±0.4歳,身長175.0±6.0cm,体重62.3±8.5kg),女性7名(年齢20.9±0.3歳,身長159.4±4.4cm,体重50.3±4.7kg)について下腿回旋角度を分析した。3名(男性1名,女性2名)は一度外反したのちに内反したため今回は分析対象から除外した。
【結果】男性は7名中6名(86%)が下腿外旋し,1名(14%)が下腿内旋した。女性は7名中7名(100%)が下腿内旋した。
【結論】今回の結果から,女性は内旋する傾向が強く,男性は外旋する傾向が強くみられ,knee in&toe outを呈した際の下腿の回旋方向は性別により異なる傾向が存在する可能性が示唆された。女性の方が男性の数倍ACL損傷を生じやすいとされる要因のひとつが,この下腿回旋方向の性差である可能性が考えられる。