[P-SP-01-6] カッティング動作における前十字靭帯再建者の運動学的特性
―三次元動作解析装置を用いた検討―
Keywords:カッティング, 前十字靭帯損傷, 下肢アライメント
【はじめに,目的】
三次元動作解析装置を用い,前十字靭帯(ACL)再建者のカッティング動作中における運動学的特性を明らかにすること。
【方法】
対象は,過去にACL再建術を行った女性7人(21.6±1.4歳,22.3±3.1 kg/m2)7膝(右7膝,受傷から5.9±2.0年経過)であった(ACL群)。対照群として,ACLの受傷歴のない女性7人(21±0歳,20.3±2.4kg/m2)とした。カッティングの動作解析には赤外線カメラ8台とフォースプレート4枚を用いて計測した。カッティング動作はFordらの方法に準じ,フォースプレートの40cm手前で膝関節約45°屈曲位を開始肢位とした。検者の合図でフォースプレートめがけてジャンプし,右片脚着地した後に左斜め45°の方向へ全力で走り抜けた。
統計学的検討として,着地時の最大床反力値を被験者の体重で除した値(peakGRF/BW),床反力が発生した時刻(初期接地)における骨盤・下肢関節角度,蹴り返し時の最大膝外反モーメントの3項目について,ACL群と対照群で比較,検討した。統計学的手法として,正規性を認める場合は対応のないt検定,正規性を認めない場合はMann-Whitney U検定を用いて5%水準にて有意判定を行った。統計ソフトとしてIBM spss Statisites 22を使用した。
【結果】
ACL群はpeakGRF/BWが有意に大きかった(p<0.0001)。初期接地時の骨盤の前傾角度(p<0.05),股関節屈曲角度(p<0.05)が小さく,骨盤の傾斜角度が小さく(p<0.01),股関節外転角度が大きく(p<0.05),さらに膝の内反角度が小さかった(p<0.01)。蹴り返し時の最大膝外反モーメントには2群間に差が認められなかった。
【結論】
本結果から,受傷から平均5年以上経過するACL再建者であっても健常者とは異なる運動学的特性が明らかになった。特に,初期接地時の特徴は再建靭帯への負担の大きい動作であり,再受傷への配慮が必要であることが示唆された。
三次元動作解析装置を用い,前十字靭帯(ACL)再建者のカッティング動作中における運動学的特性を明らかにすること。
【方法】
対象は,過去にACL再建術を行った女性7人(21.6±1.4歳,22.3±3.1 kg/m2)7膝(右7膝,受傷から5.9±2.0年経過)であった(ACL群)。対照群として,ACLの受傷歴のない女性7人(21±0歳,20.3±2.4kg/m2)とした。カッティングの動作解析には赤外線カメラ8台とフォースプレート4枚を用いて計測した。カッティング動作はFordらの方法に準じ,フォースプレートの40cm手前で膝関節約45°屈曲位を開始肢位とした。検者の合図でフォースプレートめがけてジャンプし,右片脚着地した後に左斜め45°の方向へ全力で走り抜けた。
統計学的検討として,着地時の最大床反力値を被験者の体重で除した値(peakGRF/BW),床反力が発生した時刻(初期接地)における骨盤・下肢関節角度,蹴り返し時の最大膝外反モーメントの3項目について,ACL群と対照群で比較,検討した。統計学的手法として,正規性を認める場合は対応のないt検定,正規性を認めない場合はMann-Whitney U検定を用いて5%水準にて有意判定を行った。統計ソフトとしてIBM spss Statisites 22を使用した。
【結果】
ACL群はpeakGRF/BWが有意に大きかった(p<0.0001)。初期接地時の骨盤の前傾角度(p<0.05),股関節屈曲角度(p<0.05)が小さく,骨盤の傾斜角度が小さく(p<0.01),股関節外転角度が大きく(p<0.05),さらに膝の内反角度が小さかった(p<0.01)。蹴り返し時の最大膝外反モーメントには2群間に差が認められなかった。
【結論】
本結果から,受傷から平均5年以上経過するACL再建者であっても健常者とは異なる運動学的特性が明らかになった。特に,初期接地時の特徴は再建靭帯への負担の大きい動作であり,再受傷への配慮が必要であることが示唆された。