[P-SP-02-5] 静岡県高等学校野球選手権静岡大会メディカルサポート活動における活動実績と今後の展望
Keywords:硬式野球, メディカルサポート, 障害予防
【はじめに・目的】
我々静岡県理学療法士会公益事業局メディカルサポート部(以下MS)は,第50回日本理学療法学術大会にて活動内容の報告を行った。MSは高校野球部門を含む5部門の活動を行い,年々活動件数は増加している。高校野球部門は平成15年より静岡県高等学校野球連盟の委託を受け「大会期間中の選手のコンディショニング,障害予防の啓発を図る」事を目的に発足した。平成27年度の第97回全国高等学校野球選手権静岡大会のMS活動を実施して約13年が経過した。今回そのMS活動内容を過去6年間の活動実績を踏まえ,今後のMS活動のさらなる発展の一助とするため,見えてきた今後の課題を以下に報告する。
【方法】
対象は全国高等学校野球選手権静岡大会(以下大会)に参加した選手とした。平成21年度の第93回大会から平成27年度の第97回大会までの大会1回戦から決勝までの全日程でMS活動を実施した。活動内容は投手クーリングダウン(以下投手ダウン),試合中アクシデント対応,テーピング処置等である。過去6年間のMS活動実施内容(総処置件数,投手ダウン件数,テーピング処置件数,処置部位別件数)を調査し,投手ダウン件数,テーピング処置件数,処置部位別件数は割合にて算出した。
【結果】
第92回~97回総処置件数は合計2585件。各年内訳は347件,425件,448件,424件,459件,482件。投手ダウン件数は合計1577件(61%)で各年最も多くの処置件数があった。テーピング処置件数は合計462件(18%)となり,各年で投手ダウンについで処置件数が多かった。障害部位別件数の上肢合計は326件(43%),各年では増加傾向にあり,下肢合計は338件(45%),各年では減少傾向にあった。
【結論】
静岡県MS活動は大会前の障害予防に対する啓蒙活動も行っており,総処置件数が増加傾向にあったのは,MS活動の認知度の向上が考えられる。投手ダウンに次いでテーピング処置が多くあった。これはテーピングの必要性が強く求められており,投手のみならず野手も多く故障を抱えていると考え,今後更なるテーピング技術の強化が求められていると考える。上肢と下肢の処置は全体で差がない傾向であった。野球の競技特性として上肢の障害があげられるが,近年では下肢の障害も強くうたわれている。本調査では下肢の障害も上肢同様に認め,静岡県MS活動でも下肢への対応も重要視し,対策を打つことが急務となっている事が考えられる。今後のMS活動の課題として,MSスタッフはテーピング技術の向上,高校野球関係者に対して障害予防の啓蒙活動の中で,下肢障害に対する意識付けも行う事がMS活動の発展となると考えられた。
我々静岡県理学療法士会公益事業局メディカルサポート部(以下MS)は,第50回日本理学療法学術大会にて活動内容の報告を行った。MSは高校野球部門を含む5部門の活動を行い,年々活動件数は増加している。高校野球部門は平成15年より静岡県高等学校野球連盟の委託を受け「大会期間中の選手のコンディショニング,障害予防の啓発を図る」事を目的に発足した。平成27年度の第97回全国高等学校野球選手権静岡大会のMS活動を実施して約13年が経過した。今回そのMS活動内容を過去6年間の活動実績を踏まえ,今後のMS活動のさらなる発展の一助とするため,見えてきた今後の課題を以下に報告する。
【方法】
対象は全国高等学校野球選手権静岡大会(以下大会)に参加した選手とした。平成21年度の第93回大会から平成27年度の第97回大会までの大会1回戦から決勝までの全日程でMS活動を実施した。活動内容は投手クーリングダウン(以下投手ダウン),試合中アクシデント対応,テーピング処置等である。過去6年間のMS活動実施内容(総処置件数,投手ダウン件数,テーピング処置件数,処置部位別件数)を調査し,投手ダウン件数,テーピング処置件数,処置部位別件数は割合にて算出した。
【結果】
第92回~97回総処置件数は合計2585件。各年内訳は347件,425件,448件,424件,459件,482件。投手ダウン件数は合計1577件(61%)で各年最も多くの処置件数があった。テーピング処置件数は合計462件(18%)となり,各年で投手ダウンについで処置件数が多かった。障害部位別件数の上肢合計は326件(43%),各年では増加傾向にあり,下肢合計は338件(45%),各年では減少傾向にあった。
【結論】
静岡県MS活動は大会前の障害予防に対する啓蒙活動も行っており,総処置件数が増加傾向にあったのは,MS活動の認知度の向上が考えられる。投手ダウンに次いでテーピング処置が多くあった。これはテーピングの必要性が強く求められており,投手のみならず野手も多く故障を抱えていると考え,今後更なるテーピング技術の強化が求められていると考える。上肢と下肢の処置は全体で差がない傾向であった。野球の競技特性として上肢の障害があげられるが,近年では下肢の障害も強くうたわれている。本調査では下肢の障害も上肢同様に認め,静岡県MS活動でも下肢への対応も重要視し,対策を打つことが急務となっている事が考えられる。今後のMS活動の課題として,MSスタッフはテーピング技術の向上,高校野球関係者に対して障害予防の啓蒙活動の中で,下肢障害に対する意識付けも行う事がMS活動の発展となると考えられた。