[P-SP-06-5] 膝前十字靭帯再建術後における早期正常歩行獲得が術側下肢の筋力回復に与える影響
キーワード:ACLR後, 正常歩行, 膝伸展筋力
【はじめに,目的】
膝前十字靱帯再建術(以下ACLR)後早期は炎症症状や下肢機能低下により異常歩行を呈することが多い。この異常歩行は術側下肢の正常な筋収縮を阻害し,筋力回復を阻害することを臨床上経験する。ACLR後のスポーツ復帰において,ジョギング開始や競技復帰のための指標に膝伸展筋力を用いる報告が多い。一方,術後早期の正常歩行獲得がその後の膝伸展筋力の回復に及ぼす影響を調査した報告は散見されない。本研究の目的は,ACLR後の正常歩行獲得までの日数が術後3か月における術側膝伸展筋力に及ぼす影響を明らかにすることである。
【方法】
対象は2014年10月から2015年10月までに当院で膝前十字靭帯再建術を施行した74名(男性43名,女性31名,手術時年齢26.4±11.0歳,身長166.1±8.0cm,体重61.8±9.4kg)とした。当院での術後プロトコルに沿い,術後1週より部分荷重を開始,3週で全荷重を開始,4週で松葉杖除去を目標とし,6週を目処に正常歩行獲得できるよう進めた。歩行の評価は独自に作成した評価シートを用い,術後に正常歩行を獲得した日数を算出した。また術後3か月における等尺性収縮時の膝伸展筋力を測定機能付自力運動訓練装置(オージー技研株式会社製アイソフォースGT-380)を用いて測定した。術後3か月における膝伸展筋力と正常歩行獲得日数の相関を算出し,また術後3か月における膝伸展筋力が健患比70%を越えた群(A群)と越えなかった群(B群)で群分けを行い,対応のないt検定を用いて正常歩行獲得までの日数に差があるかを2群間で比較した。
【結果】
術後3か月における膝伸展筋力と正常歩行獲得日数に負の相関を認めた。(r=-0.42)A群はB群と比較して正常歩行獲得までの日数が短かった。(p<0.05)A群の平均正常歩行獲得日数は49.4日であった。
【結論】
ACLR後において早期に正常歩行獲得することは早期の膝伸展筋力回復につながることが示唆された。術後7週間以内に正常歩行獲得することが安全なジョギング開始に必要な膝伸展筋力の獲得につながると示唆された。
膝前十字靱帯再建術(以下ACLR)後早期は炎症症状や下肢機能低下により異常歩行を呈することが多い。この異常歩行は術側下肢の正常な筋収縮を阻害し,筋力回復を阻害することを臨床上経験する。ACLR後のスポーツ復帰において,ジョギング開始や競技復帰のための指標に膝伸展筋力を用いる報告が多い。一方,術後早期の正常歩行獲得がその後の膝伸展筋力の回復に及ぼす影響を調査した報告は散見されない。本研究の目的は,ACLR後の正常歩行獲得までの日数が術後3か月における術側膝伸展筋力に及ぼす影響を明らかにすることである。
【方法】
対象は2014年10月から2015年10月までに当院で膝前十字靭帯再建術を施行した74名(男性43名,女性31名,手術時年齢26.4±11.0歳,身長166.1±8.0cm,体重61.8±9.4kg)とした。当院での術後プロトコルに沿い,術後1週より部分荷重を開始,3週で全荷重を開始,4週で松葉杖除去を目標とし,6週を目処に正常歩行獲得できるよう進めた。歩行の評価は独自に作成した評価シートを用い,術後に正常歩行を獲得した日数を算出した。また術後3か月における等尺性収縮時の膝伸展筋力を測定機能付自力運動訓練装置(オージー技研株式会社製アイソフォースGT-380)を用いて測定した。術後3か月における膝伸展筋力と正常歩行獲得日数の相関を算出し,また術後3か月における膝伸展筋力が健患比70%を越えた群(A群)と越えなかった群(B群)で群分けを行い,対応のないt検定を用いて正常歩行獲得までの日数に差があるかを2群間で比較した。
【結果】
術後3か月における膝伸展筋力と正常歩行獲得日数に負の相関を認めた。(r=-0.42)A群はB群と比較して正常歩行獲得までの日数が短かった。(p<0.05)A群の平均正常歩行獲得日数は49.4日であった。
【結論】
ACLR後において早期に正常歩行獲得することは早期の膝伸展筋力回復につながることが示唆された。術後7週間以内に正常歩行獲得することが安全なジョギング開始に必要な膝伸展筋力の獲得につながると示唆された。