[P-SP-10-6] ウエイトリフティング競技のスポーツ障害に関する調査
競技動作と疼痛部位について
Keywords:ウエイトリフティング, 高校生, 痛み
【はじめに,目的】
近年,スポーツ障害・外傷に関する調査は多く報告されているが,ウエイトリフティング競技に関する報告はほとんどみられない。その競技特有の疼痛部位,疼痛が出現する動作局面を知ることは,スポーツ障害予防における有益な情報となる。本研究の目的は,ウエイトリフティング競技者にアンケート調査を行い,競技動作と疼痛部位の関係を把握である。
【方法】
高校28校,高校生168名のウエイトリフティング選手を対象とし,質問紙法によるアンケート調査を実施した。質問紙内容は,質問1「現在,練習中に痛みがありますか?」,質問2「痛みがある場所はどこですか?」,質問3「ウエイトリフティング動作のどの場面で痛みがありますか?」,質問4「質問3での痛みがある場所」について回答を求め,集計を行った。質問3については5つの動作局面に分けた。バーベルを床から挙上した直後を①「床から挙上時」,①から膝・股・足関節が最大伸展する直前を②「1stから2ndプル手前」,②から3関節が最大伸展する局面を③「2ndプル」,重量を受け止める局面を④「キャッチ時」,頭上にバーベルを差し上げる動作を⑤「ジャーク時」とした。
【結果】
アンケート回収率は100%(男性168名)であった。競技者の内訳は高校1年生36名(21.4%),高校2年生67名(39.9%),高校3年生65名(38.7%)であった。質問1については,ある104名(62.3%),ない63名(37.7%)であった。質問2については,腰77名(36.0%),膝30名(14.0%),手首25名(11.7%),肘20名(9.3%),肩18名(8.4%),肩甲骨6名(2.8%)であった。質問3については,①「床から挙上時」37名(17.3%),②「1stから2ndプル手前」17名(7.9%),③「2ndプル」16名(7.5%),④「キャッチ時」86名(40.2%),⑤「ジャーク時」58名(27.1%)であった。質問4については,①「床から挙上時」腰22名(59.5%),膝5名(13.5%)であった。②「1stから2ndプル手前」腰12名(70.6%),膝1名(5.9%)であった。③「2ndプル」腰7名(43.8%),肘2名(12.5%)であった。④「キャッチ時」膝19名(22.1%),腰17名(19.8%),手首15名(17.4%),肩9名(10.5%),肘8名(9.3%)であった。⑤「ジャーク時」腰19名(32.8%),肩9名(15.5%),手首9名(15.5%),肘8名(13.8%)であった。
【結論】
今回の調査では,6割以上の競技者が練習中の疼痛を有していた。疼痛部位は腰,膝,手首,肘,肩の順に多かった。疼痛が出現する競技動作局面は,「キャッチ時」と「ジャーク時」のバーベルが身体重心よりも上方へ動く,もしくは上方に保持される動作であった。疼痛部位が多く出現する動作は,バーベルが重心より低い位置での動作よりも高い位置の動作であることが示された。今後は,疼痛発生に関わりうる要因や競技動作と障害発生との関連をさらに検討していく必要がある。
近年,スポーツ障害・外傷に関する調査は多く報告されているが,ウエイトリフティング競技に関する報告はほとんどみられない。その競技特有の疼痛部位,疼痛が出現する動作局面を知ることは,スポーツ障害予防における有益な情報となる。本研究の目的は,ウエイトリフティング競技者にアンケート調査を行い,競技動作と疼痛部位の関係を把握である。
【方法】
高校28校,高校生168名のウエイトリフティング選手を対象とし,質問紙法によるアンケート調査を実施した。質問紙内容は,質問1「現在,練習中に痛みがありますか?」,質問2「痛みがある場所はどこですか?」,質問3「ウエイトリフティング動作のどの場面で痛みがありますか?」,質問4「質問3での痛みがある場所」について回答を求め,集計を行った。質問3については5つの動作局面に分けた。バーベルを床から挙上した直後を①「床から挙上時」,①から膝・股・足関節が最大伸展する直前を②「1stから2ndプル手前」,②から3関節が最大伸展する局面を③「2ndプル」,重量を受け止める局面を④「キャッチ時」,頭上にバーベルを差し上げる動作を⑤「ジャーク時」とした。
【結果】
アンケート回収率は100%(男性168名)であった。競技者の内訳は高校1年生36名(21.4%),高校2年生67名(39.9%),高校3年生65名(38.7%)であった。質問1については,ある104名(62.3%),ない63名(37.7%)であった。質問2については,腰77名(36.0%),膝30名(14.0%),手首25名(11.7%),肘20名(9.3%),肩18名(8.4%),肩甲骨6名(2.8%)であった。質問3については,①「床から挙上時」37名(17.3%),②「1stから2ndプル手前」17名(7.9%),③「2ndプル」16名(7.5%),④「キャッチ時」86名(40.2%),⑤「ジャーク時」58名(27.1%)であった。質問4については,①「床から挙上時」腰22名(59.5%),膝5名(13.5%)であった。②「1stから2ndプル手前」腰12名(70.6%),膝1名(5.9%)であった。③「2ndプル」腰7名(43.8%),肘2名(12.5%)であった。④「キャッチ時」膝19名(22.1%),腰17名(19.8%),手首15名(17.4%),肩9名(10.5%),肘8名(9.3%)であった。⑤「ジャーク時」腰19名(32.8%),肩9名(15.5%),手首9名(15.5%),肘8名(13.8%)であった。
【結論】
今回の調査では,6割以上の競技者が練習中の疼痛を有していた。疼痛部位は腰,膝,手首,肘,肩の順に多かった。疼痛が出現する競技動作局面は,「キャッチ時」と「ジャーク時」のバーベルが身体重心よりも上方へ動く,もしくは上方に保持される動作であった。疼痛部位が多く出現する動作は,バーベルが重心より低い位置での動作よりも高い位置の動作であることが示された。今後は,疼痛発生に関わりうる要因や競技動作と障害発生との関連をさらに検討していく必要がある。