[P-TK-01-2] 知的障がい者入所施設における理学療法士の役割
多職種連携に関するアンケート調査
キーワード:多職種連携, アンケート, 知的障がい者
【はじめに,目的】
当施設の利用者は重度の知的障がいを伴っているため,リハビリテーション(以下,リハ)の必要性を理解しづらく意欲を持ってもらうことが困難なことが多い。また,利用者の高齢化に伴い当施設においてもリハへの関心は高まっている。そのため,他職種との連携が重要となるが,不十分であると感じる場面に度々遭遇するのが現状である。そこで,まずは他職種が理学療法士(以下,PT)に対してどのような認識や要求を持っているかを意識調査で明らかにし,今後の多職種連携で必要な事(方法や役割等)を探ることとした。
【方法】
対象は,当施設の病棟職員118名。方法はいずれも無記名で行い,自記式質問紙調査を用いた。調査項目は①多職種連携についての必要性,②PTとの連携における現状の満足度,③有効だと思われる連携の方法と頻度,④PTに求める態度,知識や技術,関係性についてとした。③④は事前調査を基に作成した選択肢5つを挙げ,それぞれについて5件法の選択回答形式で調査。
【結果】
病棟職員118名中89名の回答が得られ,回収率は75.4%であった。①多職種連携の必要性については「非常に思う」「そう思う」で95.5%が必要であると回答。②現状の連携における満足度は「どちらとも言えない」が51.7%と最も多く,「やや満足」14.6%,「やや不満」13.5%と続いた。「やや満足」と答えた方からは「相談したいときには相談している」,「やや不満」と答えた方からは「もう少し話す機会が欲しい」とのコメントがみられた。③PTとの連携方法として重要と考えているものは「日常的なコミュニケーション」が最も多く,次いで「統一した計画書の作成と目標の共有化」と続いた。連携の頻度に関しては「月一回」と答えた割合が最も多かった。④PTに求める態度では「専門的な視点から適切なアドバイスをする」,知識・技術に関しては「身体構造や姿勢・動作などに関する理学療法の専門性が高い」が最も多く,「専門的な内容でも説明が分かりやすい」「知的障がい者に関する知識や経験が豊富」と続き,PTとの関係性は「気軽にいつでも相談できる」が最も多かった。
【結論】
結果より,他職種はPTに身体構造や姿勢・動作に関して高い専門性を求めていることが分かり,連携に対する満足度はコミュニケーションが十分に図れているか否かに左右されていることが示唆された。そして,効率の良い連携には「統一した計画書の作成と目標の共有化」が不可欠であることを再確認できた。さらに,当施設の病棟職員の約半数にあたる支援員の多くが医学や介護の知識に乏しいため,知的障がい者に関する知識よりもまずは分かりやすい説明が求められていることを知ることが出来た。また,知識が乏しいが為にPTに何を質問すれば良いかも分からないため,まずは日常的なコミュニケーションを増やし,気軽に話せる環境を作る必要があることを確認することができた。
当施設の利用者は重度の知的障がいを伴っているため,リハビリテーション(以下,リハ)の必要性を理解しづらく意欲を持ってもらうことが困難なことが多い。また,利用者の高齢化に伴い当施設においてもリハへの関心は高まっている。そのため,他職種との連携が重要となるが,不十分であると感じる場面に度々遭遇するのが現状である。そこで,まずは他職種が理学療法士(以下,PT)に対してどのような認識や要求を持っているかを意識調査で明らかにし,今後の多職種連携で必要な事(方法や役割等)を探ることとした。
【方法】
対象は,当施設の病棟職員118名。方法はいずれも無記名で行い,自記式質問紙調査を用いた。調査項目は①多職種連携についての必要性,②PTとの連携における現状の満足度,③有効だと思われる連携の方法と頻度,④PTに求める態度,知識や技術,関係性についてとした。③④は事前調査を基に作成した選択肢5つを挙げ,それぞれについて5件法の選択回答形式で調査。
【結果】
病棟職員118名中89名の回答が得られ,回収率は75.4%であった。①多職種連携の必要性については「非常に思う」「そう思う」で95.5%が必要であると回答。②現状の連携における満足度は「どちらとも言えない」が51.7%と最も多く,「やや満足」14.6%,「やや不満」13.5%と続いた。「やや満足」と答えた方からは「相談したいときには相談している」,「やや不満」と答えた方からは「もう少し話す機会が欲しい」とのコメントがみられた。③PTとの連携方法として重要と考えているものは「日常的なコミュニケーション」が最も多く,次いで「統一した計画書の作成と目標の共有化」と続いた。連携の頻度に関しては「月一回」と答えた割合が最も多かった。④PTに求める態度では「専門的な視点から適切なアドバイスをする」,知識・技術に関しては「身体構造や姿勢・動作などに関する理学療法の専門性が高い」が最も多く,「専門的な内容でも説明が分かりやすい」「知的障がい者に関する知識や経験が豊富」と続き,PTとの関係性は「気軽にいつでも相談できる」が最も多かった。
【結論】
結果より,他職種はPTに身体構造や姿勢・動作に関して高い専門性を求めていることが分かり,連携に対する満足度はコミュニケーションが十分に図れているか否かに左右されていることが示唆された。そして,効率の良い連携には「統一した計画書の作成と目標の共有化」が不可欠であることを再確認できた。さらに,当施設の病棟職員の約半数にあたる支援員の多くが医学や介護の知識に乏しいため,知的障がい者に関する知識よりもまずは分かりやすい説明が求められていることを知ることが出来た。また,知識が乏しいが為にPTに何を質問すれば良いかも分からないため,まずは日常的なコミュニケーションを増やし,気軽に話せる環境を作る必要があることを確認することができた。