[P-TK-01-5] 外出困難な方への外出支援活動から自立支援に繋げるために
Keywords:外出支援, 自立支援, 多職種連携
【はじめに,目的】
訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)を実施する中で,疑問を抱くことがあった。ベッド上で日中ほぼ天井を眺めながら生活を送っている方,外出できる状態であっても拒否的な方,医療依存度の高い方と出会うことが多くある。そんな方々に対しどのようにしたら多職種と連携し自立に繋がる外出支援ができるのかを検討し実施した。このような取り組みの中で自立支援に繋がった活動を報告する。
【方法】
通所介護などでも外出支援は行われている。しかし,その活動は自立支援を目的としたものではなく,レクリエーションの一環となっている事が多い。我々は,外出を支援するだけでなく,それが自立支援へと繋がるような活動を実施しようと,平成27年1月より活動を開始した。
スタッフとして,医師・歯科医師・看護師・歯科衛生士・理学療法士・言語聴覚士・学生の26名が集まった。
訪問リハスタッフが普段から調査している情報を元に,本人が外出に対し拒否的であったり,家族が外出させてあげたいと強い希望のあった参加者8名を選択し,同意を得て参加した。
コスモス畑に外出し,本人に対し屋外の歩行や車椅子の操作,家族に対し歩行や車椅子の介助・座り直しの介助などの個別指導を行った。また,歯科衛生士より口腔内の清潔方法や感染予防などの指導も行った。
また,満足度の向上が活動意欲を高めるとの報告もある為,Facial Image Scaleにて評価及び内省報告を調査した。
参加に際しては事前に主治医にも同意を得た。また,緊急時の対応として近隣の大学附属病院の救急外来の医師にも協力してもらえるように配慮した。
【結果】
普段訪問リハを行っている時とはまた違う自然な笑顔に出会うことができた。また,普段動く意欲が乏しくベッド上での生活が続いていた方が,屋内の移動を積極的に実施し始めた。
Facial Image Scaleは平均3から1に改善した。さらに内省報告として,本人より「外出に対しての不安が減った。」「また出掛けたいと思った。」という内容が多く,家族からは「家族で協力すれば,外出できると自信がついた。」「車椅子の座り直しが自分たちで楽に出来るようになった。」「緊急時の診るポイントを教えてもらい,落ち着いて対処できる気がする。」との内容が多く,家族で外出される機会が増えていると報告がある。
【結論】
理学療法士を含む多職種での自立支援を目標とした外出支援を行うことで本人,家族ともに自信がついたとの意見が多く,家族で外出されることや,外出に対し拒否的な方が少し出掛けてみようと意識の変化がみられた。
現在の介護・医療に対し依存心の強い方が多くみられるのは,介護してくれる,介護保険払っているから使わないと損などと受け身の姿勢が目立つためと思われる。その背景には,不安や諦めが隠されていると考えられる。今後の課題として自立支援へ繋げるために,実施方法を個別で考えていくことが必要と考えられる。
訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)を実施する中で,疑問を抱くことがあった。ベッド上で日中ほぼ天井を眺めながら生活を送っている方,外出できる状態であっても拒否的な方,医療依存度の高い方と出会うことが多くある。そんな方々に対しどのようにしたら多職種と連携し自立に繋がる外出支援ができるのかを検討し実施した。このような取り組みの中で自立支援に繋がった活動を報告する。
【方法】
通所介護などでも外出支援は行われている。しかし,その活動は自立支援を目的としたものではなく,レクリエーションの一環となっている事が多い。我々は,外出を支援するだけでなく,それが自立支援へと繋がるような活動を実施しようと,平成27年1月より活動を開始した。
スタッフとして,医師・歯科医師・看護師・歯科衛生士・理学療法士・言語聴覚士・学生の26名が集まった。
訪問リハスタッフが普段から調査している情報を元に,本人が外出に対し拒否的であったり,家族が外出させてあげたいと強い希望のあった参加者8名を選択し,同意を得て参加した。
コスモス畑に外出し,本人に対し屋外の歩行や車椅子の操作,家族に対し歩行や車椅子の介助・座り直しの介助などの個別指導を行った。また,歯科衛生士より口腔内の清潔方法や感染予防などの指導も行った。
また,満足度の向上が活動意欲を高めるとの報告もある為,Facial Image Scaleにて評価及び内省報告を調査した。
参加に際しては事前に主治医にも同意を得た。また,緊急時の対応として近隣の大学附属病院の救急外来の医師にも協力してもらえるように配慮した。
【結果】
普段訪問リハを行っている時とはまた違う自然な笑顔に出会うことができた。また,普段動く意欲が乏しくベッド上での生活が続いていた方が,屋内の移動を積極的に実施し始めた。
Facial Image Scaleは平均3から1に改善した。さらに内省報告として,本人より「外出に対しての不安が減った。」「また出掛けたいと思った。」という内容が多く,家族からは「家族で協力すれば,外出できると自信がついた。」「車椅子の座り直しが自分たちで楽に出来るようになった。」「緊急時の診るポイントを教えてもらい,落ち着いて対処できる気がする。」との内容が多く,家族で外出される機会が増えていると報告がある。
【結論】
理学療法士を含む多職種での自立支援を目標とした外出支援を行うことで本人,家族ともに自信がついたとの意見が多く,家族で外出されることや,外出に対し拒否的な方が少し出掛けてみようと意識の変化がみられた。
現在の介護・医療に対し依存心の強い方が多くみられるのは,介護してくれる,介護保険払っているから使わないと損などと受け身の姿勢が目立つためと思われる。その背景には,不安や諦めが隠されていると考えられる。今後の課題として自立支援へ繋げるために,実施方法を個別で考えていくことが必要と考えられる。