第51回日本理学療法学術大会

講演情報

一般演題ポスター

日本地域理学療法学会 一般演題ポスター
地域P13

2016年5月29日(日) 11:10 〜 12:10 第12会場 (産業振興センター 2階 体育実習室)

[P-TK-13-6] 当院短時間型通所リハビリテーションの有用性について

河村達也1, 松井幸美2, 増田かおり2, 椋田良平2, 谷岡明美2, 谷口和美2, 宗佐いづみ2, 田中裕子2, 田邊誠3 (1.医療法人社団松本会松本病院リハビリテーション科, 2.医療法人社団松本会松本病院スマートライフさくら, 3.医療法人社団松本会松本病院整形外科)

キーワード:短時間型通所リハビリテーション, 個別運動, 集団運動

【はじめに,目的】

診療報酬改定の度に医療保険より介護保険への移行,介護サービスでのリハビリテーションの充実を求められ,短時間型通所リハビリテーションはその受け皿の一つとして期待されている。当院では個別リハ,集団運動,マシントレーニングを中心とした運動と認知低下予防を主体とした短時間型通所リハビリテーションを展開しています。今回,利用開始時と6か月後の身体機能の変化について報告する。



【方法】

平成26年より利用開始された30名(男性11名,女性19名,平均年齢76.7±6.7歳,要支援24名,要介護6名)を対象に利用開始時と6か月後に計測した握力,Functional Reach Test(以下,FRT),Timed Up & Go(以下,TUG),5m歩行の変化についてt検定を用い検討した。有意水準を5%未満とした。



【結果】

利用開始時は握力(右)19.9±7.0kg,(左)17.9±7.0kg,FRT25.5±5.9cm,TUG16.2±9.1秒,5m歩行10.2±12.5秒。6か月後は握力(右)20.6±6.9kg,(左)18.9±6.9kg,FRT26.3±7.4cm,TUG14.9±7.5秒,5m歩行9.1±10.3秒。利用開始時と6か月後において握力(左),5m歩行は有意差を認めたが,握力(右),FRT,TUGは有意な差を認めなかった。



【結論】

厚生労働省介護予防継続評価分析等検討会の調査結果ではマシントレーニングによる筋力増強運動は片脚立位保持時間,歩行時間が向上し,マシントレーニングによらない筋力増強運動は要介護度の改善に関連すると報告している。杉浦らは運動器機能向上の効果的な運動介入形態として個別運動と集団運動の組み合わせが筋力増強効果だけでなく,姿勢バランス,歩行,精神機能においても有意に改善したとし,集団運動が有益な運動療法である。また効果的な運動介入内容として橋立は筋力トレーニングでは下肢筋力のみ向上し,機能的トレーニングでは下肢筋力とともに片脚立位,FRT,TUG,歩行速度に有意な向上が認められた。両者を組み合わせた包括的なトレーニングの介入効果が有用であると報告している。今回,歩行速度の向上は転倒や日常生活動作に関連しており,我々が行う個別運動と集団運動,マシントレーニングの組み合わせた包括的なトレーニングが有用であったと考える。今後,長期的な経過の中で運動機能の改善できるよう介護サービスでのリハビリテーションの充実と短時間型通所リハの有用性を示していきたい。