[P-YB-07-4] 専業主婦の座業時間短縮および健康改善のための効果的な介入方法
Keywords:座業時間, 専業主婦, 介入
【はじめに,目的】近年,理学療法士は地域住民の健康対策にも携わるようになってきており,健康維持のために身体活動量増加や総座業時間および一回当たりの座業時間短縮などを教育,啓発する役割を担う。その対象の中でも,特に若年層の専業主婦に対しては義務的な健診がなく,積極的な対策もとられていない現状である。専業主婦は家族や地域とのつきあいにより自身の健康対策のための時間が制限され,その特性に合わせた健康対策を考える必要があるが,先行研究においても専業主婦を対象とする報告はほとんどない。そこで本研究は,若年~中年層の専業主婦に対し,最長座業時間短縮および健康改善のための効果的な介入方法を比較,検討することを目的とした。
【方法】小学生以下の子供をもつ20代~40代の健常な専業主婦26名(平均36.54±3.83歳,BMI21.33±2.71)を対象とした。対象者はランダムに自己フィードバック群(以下,自己FB群)と個別指導群の13名ずつの2群に分けた。調査方法は,両群とも活動量計を装着して計2週間生活させた。最初の1週間は通常の生活をさせ,2週目はスマートフォンのアプリケーションを用いて自己フィードバックを行いながら生活させた。自己FB群には1週目の最終日に健康に対する座業の悪影響を説明し,個別指導群には同様に座業の悪影響を説明するとともに,さらに20分程度で1週間目の生活を振り返り,改善を目指す個別指導を行った。統計学的分析は,介入前の最長座業時間,活動時間,SF-8について対応のないt検定,Wilcoxon符号付順位検定を用いて群間比較を行った。次に介入による座業時間および健康状態を比較するため,介入前後変化と介入方法を要因とした二元配置分散分析を行った。さらに,両群ともに最長座業時間が短縮した者と短縮しなかった者に分け,介入前後のSF-8についてt検定,Mann-Whitney U検定を用いて比較した。統計学的有意水準は5%未満とした。
【結果】対象者に脱落者はなく,全ての測定を完了した全員のデータを解析した。介入前の値について群間に有意差はみられなかった。最長座業時間が短縮した者は,自己FB群9名(69.2%),個別指導群10名(76.9%)であった。介入前後の最長座業時間の平均値と標準偏差は,自己FB群75.36±13.45分→70.99±19.60分,個別指導群86.94±20.89分→74.30±17.89分であり,二元配置分散分析の結果介入前後変化に有意差が認められたが,活動時間,SF-8に有意差はみられなかった。個別指導群では最長座業時間が短縮した者のみSF-8が介入後有意に高くなったが,自己FB群において有意差はみられなかった。
【結論】専業主婦の座業時間は,スマートフォンを用いた自己フィードバックにより改善がみられた。さらに,個別指導群にて最長座業時間が短縮した者は健康関連QOLも改善しており,短時間の個別指導によって健康状態改善にもつながることが示唆された。
【方法】小学生以下の子供をもつ20代~40代の健常な専業主婦26名(平均36.54±3.83歳,BMI21.33±2.71)を対象とした。対象者はランダムに自己フィードバック群(以下,自己FB群)と個別指導群の13名ずつの2群に分けた。調査方法は,両群とも活動量計を装着して計2週間生活させた。最初の1週間は通常の生活をさせ,2週目はスマートフォンのアプリケーションを用いて自己フィードバックを行いながら生活させた。自己FB群には1週目の最終日に健康に対する座業の悪影響を説明し,個別指導群には同様に座業の悪影響を説明するとともに,さらに20分程度で1週間目の生活を振り返り,改善を目指す個別指導を行った。統計学的分析は,介入前の最長座業時間,活動時間,SF-8について対応のないt検定,Wilcoxon符号付順位検定を用いて群間比較を行った。次に介入による座業時間および健康状態を比較するため,介入前後変化と介入方法を要因とした二元配置分散分析を行った。さらに,両群ともに最長座業時間が短縮した者と短縮しなかった者に分け,介入前後のSF-8についてt検定,Mann-Whitney U検定を用いて比較した。統計学的有意水準は5%未満とした。
【結果】対象者に脱落者はなく,全ての測定を完了した全員のデータを解析した。介入前の値について群間に有意差はみられなかった。最長座業時間が短縮した者は,自己FB群9名(69.2%),個別指導群10名(76.9%)であった。介入前後の最長座業時間の平均値と標準偏差は,自己FB群75.36±13.45分→70.99±19.60分,個別指導群86.94±20.89分→74.30±17.89分であり,二元配置分散分析の結果介入前後変化に有意差が認められたが,活動時間,SF-8に有意差はみられなかった。個別指導群では最長座業時間が短縮した者のみSF-8が介入後有意に高くなったが,自己FB群において有意差はみられなかった。
【結論】専業主婦の座業時間は,スマートフォンを用いた自己フィードバックにより改善がみられた。さらに,個別指導群にて最長座業時間が短縮した者は健康関連QOLも改善しており,短時間の個別指導によって健康状態改善にもつながることが示唆された。