[P-YB-10-4] 中・高齢者に対するノルディックウォーキングを取り入れたロコモ予防運動の介入
キーワード:ノルディックウォーキング, ロコモ予防, 運動介入
【はじめに,目的】厚生労働省は,2025年を目途に地域包括的ケアシステムの構築を推進している。特に要支援・要介護1レベルの軽度障害の高齢者が対象となることから地域でロコモティブ症候群予防(以下,ロコモ予防)を展開する必要性が求められている。我々は長年に渡って地域住民に対するロコモ予防を中心とした健康増進を進めている。今回は,ノルディックウォーキング(以下,NW)を取り入れたロコモ予防運動の介入効果を検証することを目的として報告する。
【方法】対象者は,胎内市在住の中・高齢者40名(平均年齢69.9±7.4歳)とし,介入期間は8週間とした。対象者には,膝痛・腰痛に関する講話とNWを取り入れたロコモ予防運動を行った。NWを取り入れたロコモ予防運動は,四肢・体幹のストレッチ,NW,運動後のケア指導を行った。介入前後には,基礎身体データ(血圧・脈拍・体脂肪率・BMI),握力,筋力(膝・体幹),片脚立位時間,椅子からの反復起立回数,TUG,踵の骨量を測定し,統計学的に比較した。また,対象者の内,同意の得られた23名は,介入前後と6か月後に腰椎の骨密度(BMD)を測定した。なお,NWは,関節痛の方や高齢者でも可能な日本式NWの方法を実施した。
【結果】介入前後における統計学的分析を行った結果を以下に示す。基礎身体データである血圧,脈拍,体脂肪率,BMIに有意な差はなかった。握力は有意な差がなかった。膝の屈曲・伸展の筋力は有意な差がなった。体幹の伸展は有意な差がなかったが,体幹屈曲は有意な増加があった(p<0.01)。片脚立位時間は左右いずれも有意な差がなかった。椅子からの反復起立回数は有意な増加があった(p<0.05)。TUGは有意な差がなかった。踵の骨量は増加傾向があった(p=0.052)。腰椎の骨密度(BMD)は介入後には有意な差がなかったが,6か月後に有意な差があった(p<0.05)。
【結論】NWを取り入れたロコモ予防運動を介入した結果,体幹の屈曲力と椅子からの反復起立回数に有意な改善が認められた。また踵の骨量に増加傾向があった。さらに6か月後における腰椎の骨密度(BMD)に有意な差が認められた。介入前後に実施したアンケートにおいて,「休まず歩ける距離」では,介入前に500m以上歩ける方は,全体の68%で,500m以下が32%であった。介入後には,500m以上が82%,500m以下が18%であった。また,介入前に週に2回以上,1日30分以上の運動が行えていなかった方が全体の50%であった。さらに,関節痛がある方は,全体の95%以上であった。以上より,介入により環境や関節痛など何かしらの原因で歩く経験がなかった方の歩行距離が増加したことが考えられる。このように定期的な運動による歩行距離の増加は,特に歩行時に必要とされる股関節の屈筋である大腰筋を強化し,前述した結果になったと考えられる。
【方法】対象者は,胎内市在住の中・高齢者40名(平均年齢69.9±7.4歳)とし,介入期間は8週間とした。対象者には,膝痛・腰痛に関する講話とNWを取り入れたロコモ予防運動を行った。NWを取り入れたロコモ予防運動は,四肢・体幹のストレッチ,NW,運動後のケア指導を行った。介入前後には,基礎身体データ(血圧・脈拍・体脂肪率・BMI),握力,筋力(膝・体幹),片脚立位時間,椅子からの反復起立回数,TUG,踵の骨量を測定し,統計学的に比較した。また,対象者の内,同意の得られた23名は,介入前後と6か月後に腰椎の骨密度(BMD)を測定した。なお,NWは,関節痛の方や高齢者でも可能な日本式NWの方法を実施した。
【結果】介入前後における統計学的分析を行った結果を以下に示す。基礎身体データである血圧,脈拍,体脂肪率,BMIに有意な差はなかった。握力は有意な差がなかった。膝の屈曲・伸展の筋力は有意な差がなった。体幹の伸展は有意な差がなかったが,体幹屈曲は有意な増加があった(p<0.01)。片脚立位時間は左右いずれも有意な差がなかった。椅子からの反復起立回数は有意な増加があった(p<0.05)。TUGは有意な差がなかった。踵の骨量は増加傾向があった(p=0.052)。腰椎の骨密度(BMD)は介入後には有意な差がなかったが,6か月後に有意な差があった(p<0.05)。
【結論】NWを取り入れたロコモ予防運動を介入した結果,体幹の屈曲力と椅子からの反復起立回数に有意な改善が認められた。また踵の骨量に増加傾向があった。さらに6か月後における腰椎の骨密度(BMD)に有意な差が認められた。介入前後に実施したアンケートにおいて,「休まず歩ける距離」では,介入前に500m以上歩ける方は,全体の68%で,500m以下が32%であった。介入後には,500m以上が82%,500m以下が18%であった。また,介入前に週に2回以上,1日30分以上の運動が行えていなかった方が全体の50%であった。さらに,関節痛がある方は,全体の95%以上であった。以上より,介入により環境や関節痛など何かしらの原因で歩く経験がなかった方の歩行距離が増加したことが考えられる。このように定期的な運動による歩行距離の増加は,特に歩行時に必要とされる股関節の屈筋である大腰筋を強化し,前述した結果になったと考えられる。