[P-YB-11-1] 介護予防事業(一次予防)対象者の基本チェックリスト該当状況および体力について
Keywords:基本チェックリスト, 一次予防, 体力
【はじめに,目的】基本チェックリストは要介護状態等となるおそれのある高齢者を判別するアンケートである。運動器項目は,階段を手すりや壁をつたわらずに昇る(以下階段),椅子に座った状態から何もつかまらずに立ち上がる(以下起立),15分くらい続けて歩いている(以下連続歩行),この1年間転んだことがある(以下転倒経験),転倒に対する不安は大きい(以下転倒不安)の5項目(以下運動器5項目)からなる。5項目中3項目以上の該当によ二次予防事業の対象となるが,一次予防対象者における基本チェックリストの該当状況に関する報告は少ない。本研究の目的は,一次予防対象者の基本チェックリスト運動器5項目の該当状況と体力との関連性について検討することである。
【方法】対象は当法人が関わる一次予防事業に参加した4地区の高齢者34名中,運動器5項目のうち該当数が2項目以内の27名(男性5名,女性22名)とし,対象者には体力測定を実施した。測定項目は握力,30秒椅子立ち上がりテスト(以下CS30),Functional Reach Test(以下FRT),5m歩行時間(以下5m歩行),Timed Up & Go test(以下TUG),Life-space Assessment(以下LSA)とした。分析では基本チェックリストの該当数が0項目の群(以下0/5群),1項目の群(以下1/5群),2項目の群(以下2/5群)に区分し,Kruskal-Wallis検定にて比較した。多重比較にはMann-WhiteneyのU検定後,Bonferroniの調整を行った。
【結果】対象者の年齢は77.3±5.8歳,身長151.1±7.1cm,体重52.2±7.9kgであった。運動器5項目の該当数が0/5群は9名,1/5群は10名,2/5群は8名であった。27名の中で基本チェックリストの項目該当者は階段が2名,椅子が1名,転倒経験が7名,転倒不安が16名であり,転倒不安に該当する者が多く連続歩行の該当者はいなかった。1/5群は転倒不安が8名,転倒経験が2名,2/5群は転倒不安と転倒経験が5名,転倒不安と階段が2名,転倒不安と起立が1名であった。測定項目の群間比較では,CS30は0/5群が19.0±4.8回,1/5群が20.1±3.3回,2/5群が15.5±2.6回であり,2/5群が1/5群と比較して有意に低値を示した(p<0.05)。
【結論】本研究の一次予防事業対象者において,運動器5項目では転倒不安の該当者が多く,連続歩行の該当者が少ないという特徴が示された。CS30結果の減少は二次予防対象者(特定高齢者)になる恐れがある高齢者の体力低下を象徴するものと推察された。
【方法】対象は当法人が関わる一次予防事業に参加した4地区の高齢者34名中,運動器5項目のうち該当数が2項目以内の27名(男性5名,女性22名)とし,対象者には体力測定を実施した。測定項目は握力,30秒椅子立ち上がりテスト(以下CS30),Functional Reach Test(以下FRT),5m歩行時間(以下5m歩行),Timed Up & Go test(以下TUG),Life-space Assessment(以下LSA)とした。分析では基本チェックリストの該当数が0項目の群(以下0/5群),1項目の群(以下1/5群),2項目の群(以下2/5群)に区分し,Kruskal-Wallis検定にて比較した。多重比較にはMann-WhiteneyのU検定後,Bonferroniの調整を行った。
【結果】対象者の年齢は77.3±5.8歳,身長151.1±7.1cm,体重52.2±7.9kgであった。運動器5項目の該当数が0/5群は9名,1/5群は10名,2/5群は8名であった。27名の中で基本チェックリストの項目該当者は階段が2名,椅子が1名,転倒経験が7名,転倒不安が16名であり,転倒不安に該当する者が多く連続歩行の該当者はいなかった。1/5群は転倒不安が8名,転倒経験が2名,2/5群は転倒不安と転倒経験が5名,転倒不安と階段が2名,転倒不安と起立が1名であった。測定項目の群間比較では,CS30は0/5群が19.0±4.8回,1/5群が20.1±3.3回,2/5群が15.5±2.6回であり,2/5群が1/5群と比較して有意に低値を示した(p<0.05)。
【結論】本研究の一次予防事業対象者において,運動器5項目では転倒不安の該当者が多く,連続歩行の該当者が少ないという特徴が示された。CS30結果の減少は二次予防対象者(特定高齢者)になる恐れがある高齢者の体力低下を象徴するものと推察された。